日教組教育研究全国集会に際し訴えます ミサイル避難訓練は戦争訓練 今こそ改憲・戦争阻止に立とう

週刊『前進』02頁(2912号01面05)(2018/02/01)


日教組教育研究全国集会に際し訴えます
 ミサイル避難訓練は戦争訓練
 今こそ改憲・戦争阻止に立とう



(写真 学校での防空訓練。左が現在。右が戦時中の国民学校)

 日教組第67次教育研究全国集会が2月2〜4日に静岡県で開催される。今、安倍は本気になって朝鮮侵略戦争と改憲に踏み出している。2018年は改憲・戦争を止める正念場だ。学校ではミサイル避難訓練が強行され、私たちの目の前で子どもたちと保護者、教育労働者の戦争動員が始まっている。今こそ「教え子を再び戦場に送るな」の闘いが問われている。職場から戦争動員絶対反対で闘おう! 今次教研集会を日教組が改憲・戦争阻止の先頭に立つ出発点にしよう。

職場から戦争阻む日教組をつくろう

 不気味なうなりを上げて警報音が学校に響きわたる。「ミサイルが発射されたもようです。頑丈な建物に避難してください」。子どもたちが一斉に窓から離れ机の下に潜り込むか、頭をかかえて丸くなる----。
 昨年9月、文科省が「北朝鮮による弾道ミサイル発射に係る対応」通知を全国の教育委員会に発した。それを受けて、ミサイル避難訓練の実施が全国の学校で加速している。
 「こえーな」「私もママも死ぬかも」「北朝鮮をやっつけろ」(9月15日付毎日新聞)と戸惑う子どもたちに、教育労働者はどう向き合うのか。
 教育委員会は「子どもの安全確保の視点から問題ない」と居直っている。しかし戦時中、防空訓練で子どもの命は守られなかったどころか、戦争に駆り立てられ命を奪われた。そもそも米軍ヘリや原発の方がよっぽど危険だ。それを維持・強化して何が子どもの安全か!
 北朝鮮の脅威があおられているが、一握りの連中の利益のために戦争をやろうとしているのはトランプと安倍の方だ。キムジョンウン斬首作戦を公言して圧倒的な軍事力で北朝鮮に圧力をかけ続け、北朝鮮を核実験やミサイル発射に追い込んでいる。朝鮮戦争で最も多く犠牲になるのは朝鮮半島で暮らす子どもたちと労働者だ。安倍は戦争の危機をつくりながら、今年秋にも9条改憲を発議し来年早々に国民投票の実施を狙っている。
 ミサイル避難訓練は、学校を通して北朝鮮の脅威と排外主義を扇動し、子ども・保護者を戦争に動員すると同時に、戦争の機運の中で9条改憲を強行するためのものだ。そして「教え子を再び戦場に送るな」という戦後教育労働運動の誓いを放棄させ、労働組合を解体し、教育労働者も戦争に駆り出すことが核心だ。今こそ連合指導部を倒し、日教組が戦争阻止の先頭に立つ時だ。学校現場から戦争動員絶対反対で闘おう。
 ある職場では、校長が北朝鮮を名指しした「弾道ミサイルが着弾した場合の行動例」の文書を子どもを通して保護者に配布しようとしたことに対し、職員会議で教育労働者がただちに抗議に立った。「安倍の国難キャンペーンに公立学校が加担するのか。戦争をしかけているのは米日だ。北朝鮮を名指しして在日の子どもたちへの排外主義をあおるな」。校長を追及し、文書配布を撤回させた。
 避難訓練が強行された学校でも、職場から「これは戦争動員訓練だ」と抗議の声が上がった。「私もそう思っていた」----一人の決起は同僚の共感を呼んだ。
 戦前、教育労働者は天皇になりかわって訓育・訓練する「聖職者」として位置づけられた。戦後、1950年の朝鮮戦争勃発に対し、51年に日教組は「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを打ち立て、「教師は労働者である」「教師は団結する」(教師の倫理綱領)と宣言し、弾圧をはね返してストライキで勤評闘争に立ち上がっていった。こうした職場闘争と、国鉄分割・民営化反対闘争との連帯によって、「教え子を戦場に送るな」のスローガンは、日教組本部の裏切りと連合労働運動をのりこえ、現場組合員の誇りとなって改憲・戦争を阻む力となってきた。
 子どもの命を守るのは訓練ではない。戦争絶対反対の教育労働者の団結であり、戦争放火者・安倍を倒すことだ。現場から闘う教組をよみがえらせよう。韓国労働者は戦争に反対し社会の根底的変革へ向かって闘っている。労働者の国際連帯を貫き、ゼネストで改憲・戦争を阻止しよう!

働き方改革粉砕し非正規職撤廃を!

 戦争を止める闘いは非正規職撤廃の闘いと一体だ。
 今、非正規教員の怒りの決起が始まっている。「学校では正規も非正規も同じ仕事をして、力をあわせて子どもたちに向き合っているのに、なぜ常に雇い止め=解雇におびえなければならないのか」「教員としての誇りには何の違いもない」という怒りの声があふれている。
 だが安倍は「学校における働き方改革」で、自らが押しつけてきた過重労働の責任もとらず、負担軽減と称して非正規職を激増させようとしている。正規・非正規を分断して組合を破壊し、教育労働者全体をさらなる労働強化・管理強化に追い込む「働き方改革」は粉砕する以外にない。「会計年度任用職員制度」(20年に施行)の核心は評価制度の「厳正適用」による解雇の合法化だ。1人の非正規解雇も許すな! 非正規職撤廃の闘いで職場も組合も変えて、子どもの貧困、戦争と対決する教育労働運動をつくり出そう!

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「空襲警報」の歌

空襲警報/聞こえてきたら/今は僕たち小さいから/大人の言うことよく聞いて/慌てないで/騒がないで/落ち着いて/入っていませう防空壕

対馬丸記念館(沖縄)で太平洋戦争当時の黒板を再現。学校で実際に歌われた。この歌を歌いながらどれだけ多くの子どもたちが殺されたことか

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