被曝強制許さない 3・11反原発福島行動へ福島からの訴え①

週刊『前進』02頁(2914号02面01)(2018/02/08)


被曝強制許さない
 3・11反原発福島行動へ福島からの訴え①


 3・11反原発福島行動18が郡山市で開催されます。避難者をはじめとした福島の根底からの怒りが、戦争と改憲に向かう安倍政権の前に立ちふさがっています。憤激におびえる政府の、帰還強制・福島「復興」の攻撃を打ち砕こう。福島で奮闘する人々の訴えを、今号から4回にわたり掲載します。(編集局)

「怒 福島」のもと団結を
 NAZENふくしま代表 椎名千恵子さん

 あの日から7年。「3・11反原発福島行動」は6回目となる。開催の意義を「ヒロシマ、ナガサキ、沖縄、ビキニを見据え、事故が起きたこの日に原点をおく」と定め、歩み始めてから初の日曜日開催となる。職場から地域から、あらゆる怒りを束にして、「生きさせろ」の闘いとして3・11を大爆発させよう!

福島は黙らない

 「ただちに影響はない」「健康被害は、今もこれからもない」。国の言うことはぜんぶウソだった。福島はもうだまされない。3・11は資本主義体制そのものの矛盾の露呈。すべてをなかったことになど絶対にできない。福島は黙らない。「隠すな! だますな! かだってんでねー!」。福島の怒りは根底的だ。抗(あらが)う火種に真実が宿っているから、国を転覆させる勢いをもっている。だからこそ国も県も「オリンピックまでの決着」をめざして躍起になっているが、深刻な事実は覆(くつがえ)りようがない。
 小児甲状腺がんの患者数改ざんも内側からほころび、ふくしま共同診療所の運動が検討委員会の欺瞞(ぎまん)を暴いている。次々繰り出される避難指示解除は、高線量地への帰還を強制するため。「復興」アピールだけが目的であり、子どもや労働者の生命を守るためではまったくない。動労水戸の常磐線全線開通阻止をかけた被曝労働拒否の闘いがますます輝きを増し、動労福島がしっかり続いている。

避難者、保養者も

 住宅補助金が打ち切られた「自主避難者」の叫び。山形の住宅追い出し裁判での「どうやって生活すればいいんだ。子どもを守りたいから避難したのだ。被曝地へもどれるか」の訴え。復興一色の福島で「保養は闘いです」と言う親たち。ふくしま保養交流会での「福島ではいまだに鼻血が出る」「保養に行くことが放射能を認めない証しになる」の声。
 避難者、保養者の苦闘や心身のきしみなど意に介しないところから発せられる清水修二・福島大名誉教授のこんな言い草。「子どもを『安全な場所』に保養に出すという行動は、福島が『危険な場所』であることを認める行動。農産物の生産者を苦しめ、保養に子どもを出していない親を苦しめ、福島で子育てをしているすべての親を苦しめる」(『しあわせになるための「福島差別」論』)
 復興キャンペーンの「保養は風評被害をまねくからやめろ」と寸分たがわぬ言辞を吐く清水氏が呼びかける「2018原発のない福島を! 県民大集会」は、福島第一原発から15㌔の楢葉町が会場となる。そこに参加する教育労働者は清水氏とともに何を守るというのか。私たちは「被曝と帰還の強制反対」署名をもって労働組合に分け入り「福島はまだ安全ではない。子どもを守ろう。ともに闘おう」と呼びかけます。
 諦めてはならない。諦める先に希望はない。怒りや不安を声に出さなかったら打ちひしがれる。つながらなかったら力にならない。避難者も保養者も、そしてみんなでデモに出よう、集会でつながろう。

------------------------------------------------------------
かだってんでね! 福島の方言で「ふざけたこと言ってんじゃないぞ、コノヤロー!」の意味。

労組に集会とデモ訴える
 ふくしま合同労組書記長 山口輝晃さん

改憲・戦争とめる

 3・11反原発福島行動実行委員会では今年のスローガンを「福島から改憲・戦争を止めよう 原発・オリンピックを打ち砕こう」と決めました。
 安倍政権は朝鮮侵略戦争のために改憲に向かい、連合は分裂と崩壊を深めています。既成の枠組みが激しく崩れていく時代、労働者階級の手で社会を根本的に変えていくことが必要となっています。労働組合の闘いを軸に朝鮮戦争・核戦争を絶対に止めるために、3・11反原発福島行動への総結集を呼びかけます。
 私たちは「3・11」以降、国家や資本と絶対反対で闘う労働運動・労働組合を中心にして生き抜いてきました。労働者と住民を被曝から守るために被曝労働拒否をストライキで貫く動労水戸。青年労働者の未来を奪い職場と車両の安全を破壊する外注化に対し、JRの本体と関連会社を越えた労働者の団結で闘ってきた動労福島。両組合が大きな柱となった昨年10・21のJR常磐線富岡延伸阻止の闘いは、衆院選決戦と一体で勝利しました。ふくしま共同診療所は国や県と非和解を貫いて被曝の現実を告発し、「避難・保養・医療」の実践を重ね、「被曝と帰還の強制反対署名」には4万7千筆を超える怒りが集まっています。
 「年間20㍉シーベルトまでは安全」とした避難指示解除は「自主避難者」への住宅補助の打ち切りから、住宅立ち退き要求裁判にまで行き着いています。そしてこの間、甲状腺検査をめぐって攻撃がエスカレートしています。小児甲状腺がんが県の発表だけでも194人に上る中、1月26日の甲状腺評価部会では検査の縮小を狙う議論がなされています。「授業時間中に半強制的に行われている。子どもの人権問題だ」とまで言い、学校での集団検診を打ち切ろうとしています。

楢葉でいいのか

 3・11の現実に真正面から向き合う労働者、労働組合の姿勢と闘いが今ほど問われている瞬間はありません。帰還準備のために自治体労働者が真っ先に高線量地域への帰還を強制されます。学校検診の打ち切りをめぐっては、教育労働者が子どもの命を守る最前線にいます。被曝労働拒否の闘いは多くの命と、とりわけ子どもたちの未来を守ることにつながります。
 動労水戸の「被曝と帰還を強制する常磐線の全線開通に反対する」署名を持ち込み、労働組合が、3月17日に楢葉町で開催予定の県民大集会に参加する「復興」応援団でいいのかを問い、3・11はともに郡山で集会とデモをしようと呼びかけます。
 3・11の現実にはこの社会の矛盾が詰まっています。すべてが奪われた3・11の原点に返って、すべての福島の怒りを体現する集会、労働組合を先頭に戦争も原発もない社会をつくる行動にしていきましょう。全国から多くの賛同、参加をお願いします。

------------------------------------------------------------
福島から改憲・戦争を止めよう
原発・オリンピックを打ち砕こう
3・11反原発福島行動
 3月11日(日) 午後1時開会
 郡山市民文化センター大ホール
    ※3時から郡山駅前までデモ
 主催/3・11反原発福島行動実行委員会

このエントリーをはてなブックマークに追加