「無期停学」処分撤回しろ 京大同学会執行委が声明

週刊『前進』04頁(2923号03面01)(2018/03/12)


「無期停学」処分撤回しろ
 京大同学会執行委が声明

(写真 安田淳敏君 【京大同学会副委員長】)


 京都大学全学自治会同学会執行委員会が3月5日、安田淳敏君の「無期停学」処分撤回を訴える声明を出しました。抜粋して紹介します。(編集局)

安田君への「無期停学」処分を許さない!処分撤回の署名運動にご協力を!
2018年3月5日
京都大学全学自治会同学会執行委員会

 京都大学は2015年反戦ストライキに関連した4名への退学処分に続き、2018年2月13日付で安田淳敏君(同学会副委員長/文学部4回生)に無期限の停学処分を下しました。私たちはこの処分に抗議し、撤回を求める署名運動をはじめます。
 今、大学では総長―役員会に権力が集中し、学生の団結と自治にもとづく自由な言論が奪われつつあります。産官学連携の中で大学に軍事研究など、戦争協力させようとする動きも強まっています。安田君は大学に自由な言論と真実を取り戻すため、そして悲惨な戦争をくり返さないために自治会の副委員長として闘ってきた大切な仲間です。
1.暴行したのは京大職員であり、安田君は無実だ
 安田君は昨年8月9日の京大オープンキャンパスにおいて、学生の自主活動・宣伝活動を妨害するためだけに十数人の職員が配置されていたことに対して抗議しました。この中で「職員に怪我(けが)を負わせた」ことが「学生の本分に反している」と京都大学は処分理由を主張しています。これは事実無根です。
 京都大学は10月31日、京都府警に安田君を「公務執行妨害」容疑で逮捕させました。その際の勾留理由開示公判において、東尾龍一裁判官は「先に(怪我を負ったとされている)速水徹職員が安田君にタックルをした」のであり「安田君はタックルした職員を押さえつけた」だけということを明言し、安田君はそのまま不起訴釈放されています。
2.学生から言論の自由や活動の場を奪うな
 立て看板規制や、京都大学吉田寮に対する退去通告など、京都大学は一方的に学生から自由な言論、あるいは活動や生活の場を奪おうとしています。
 安田君はこうした大学支配を変えようと闘ってきました。このことに多くの人々から共感を寄せていただきました。だからこそ本部はどんなに論理が通らなくても処分を強行して見せしめにしようとしたのです。
3.総長―役員会による大学支配と、教育・学問の危機
 今回の処分の経過に、総長―役員会を中心とする本部が独裁的な権力を握り、教育・学問がないがしろにされる今の大学の姿がよく表れています。
 まず本部が安田君を処分しようと動き、文学部が「停学5カ月」を提案し、それ自身許しがたいが、結局本部が押し切る形で「無期停学」が確定しました。教職員が本部に逆らえない中で、真実が隠ぺいされ、教育が強権的支配に取って代わられる構造が作られています。
 これこそが、大学改革=国立大学法人化の末路です。こうした中で学生への管理強化や大学のブラック企業化、論文不正の横行、果ては軍事研究に手を出すような状況が生まれているのです。
4.大学を安倍政権の改憲・戦争に動員させない
 もともと法人化は、学生の団結や自治を解体して政府の都合よく真実をねじ曲げることが目的でした。
 今焦点になっているのが安倍政権の朝鮮半島での戦争をにらんだ憲法9条の改悪です。大学を「国の意思」に組み敷くために、市や警察とも一体化した規制・弾圧がますます激しくなっているのだと私たちは考えます。
 安倍政権は改憲と一体で攻撃用兵器を次々に導入し、軍事演習を強化しています。9条改憲は朝鮮戦争だけでなく、世界中を巻き込む核戦争への道を拓(ひら)くものです。
5.安田君と、続く学生の決起を支えるための署名運動
 政府と結託した総長―役員会中心の大学支配は、決して盤石ではありません。
 安田君は全く諦めることなく、今の教育や学問を見失い戦争に加担していく大学を変えるために、徹底抗戦する構えです。私たちは総長―役員会を追い詰める大反乱を作り出していく決意です。
 「無期停学」処分の撤回を求める署名を開始します。安田君と、安田君に続いて立ち上がろうとする人々を支えるために、ぜひご協力お願いします。停学処分撤回の闘いを通じて大学に自由と真実を取り戻し、改憲・戦争を阻止しましょう!

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