労働者支配の破綻を総反撃に転化する時 JR新潟で始まった大流動

週刊『前進』04頁(2929号02面02)(2018/04/02)


労働者支配の破綻を総反撃に転化する時
 JR新潟で始まった大流動


 今や東労組からの脱退者は2万人を超えたと言われています。国鉄分割・民営化の時以上の大流動が始まっています。
 新潟でも現在、脱退者が続出しています。東労組の組合幹部も脱退を止めません。新潟駅分会は、分会長を先頭に四十数人が脱退。分会幹部が「他の労組に行かないでくれ」と指示しています。他の分会でも管理職、「平成採」の青年労働者を中心に脱退者が増えています。

「業務改革」迫られ東労組は全面屈服

 東労組の崩壊、JR資本と東労組との結託体制の崩壊は、JR大再編=第3の分割・民営化攻撃の始まりです。
 3月1日の冨田哲郎社長のメッセージと、9日の「会社から東労組への要求6項目」に会社の姿勢が示されています。社長メッセージでは「業務改革と生産性向上」を前面に押し出し、「時間軸を意識してスピード感をもって対応する」と号令しています。
 「要求6項目」では、「紛争状態の根源的解消を図れ」「業務改革と生産性向上に時間軸を意識して対応しろ」「36協定を安定的に締結しろ」「職場で自己啓発を行え」「脱退した社員への嫌がらせを行うな」と突きつけました。
 これに対し東労組は、「紛争状態は解決し、スト権は消滅した」「業務改革と生産性向上の施策に向き合い、時間軸も意識する」と答え、〝何でもやります、許してください〟という卑屈な対応に終始しています。東労組はすでに労働組合として存在する理由を失っています。
 2002年に完全民営化したJR東日本。その年度の純利益は単体決算で869億円でした。16年度の純利益は単体決算で2433億円、連結決算で2794億円に上ります。なんと約3倍に膨れ上がったのです。他方で社員数は1万6千人も減少しました。
 大幅な増収は要員削減と外注化によるものです。JRは今、その外注化・分社化をさらに進めようとしています。

新潟でも加速する「選択と集中」攻撃

 JR新潟支社は、今年4月から7月にかけて駅の外注化、びゅうプラザの廃止と外注化、駅検査派出廃止を強行し、計62人を削減することを打ち出して、合理化を加速させています。さらに「保線部門のメンテナンス最適化」でも要員削減を狙っています。
 運輸職場ではワンマン化が支社内全線区に拡大。上越線が3級から4級線区に格下げされ、保守業務が大幅に簡素化されます。新潟市近郊と大動脈の信越線(新潟―直江津間)を除く線区は、すべて切り捨ての対象です。止めどない「選択と集中」が始まろうとしています。

会社と東労組一体の支配は崩壊した

 新潟の東労組は分裂を繰り返してきました。1995年末に「友愛会議グループ」が脱退してグリーンユニオンを結成し、その中心人物は支社課員から清掃会社へ出向に出されました。露骨な不当労働行為です。
 2007年には、東労組内の利権争いに負けた新潟グループが脱退。これに伴い地本青年部の活動家のほとんどの300人が脱退し、現在のジェイアール東日本ユニオンを結成。それまでの本部青年部=カクマルの横暴に嫌気がさしての集団脱退でした。

動労総連合・新潟に結集して闘おう

 10年ごとの組合分裂で新潟地方本部を主導する労働者グループがなくなり、東労組は文字通りの会社支配の組合に変わってきました。職場の半数を超えている「平成採」の青年労働者を、動労総連合は全力で獲得していく決意です。
 会社と東労組が一体になって労働者支配をしてきた、これまでの職場の常識が崩れ去りました。JR東日本に就職して、当たり前のように東労組に加入してきたことから解放され、自分で考え、自分が何をなすべきか、どう生きるべきかを選択する好機です。
 私たち鉄道労働者の誇りは「安全に次の駅(係員)に列車(業務)をつなぐこと」です。労働者の団結を破壊するだけでなく、安全輸送を破壊する外注化・分社化に反対しましょう。
 私たち動労総連合・新潟は、会社の違いや正規職・非正規職の違いを越えて団結する労働組合です。現在、新潟鉄道サービスによる非正規職の青年の解雇撤回を闘っています。解雇された八代和幸組合員の声は、JRで働く青年労働者がどう生きていくべきかを明らかにしています。競争をやめて団結しよう! 動労総連合・新潟に結集して闘おう。
(動労総連合・新潟委員長 星野文男)
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