米英仏の中東侵略戦争弾劾 北朝鮮攻撃の「予行演習」強行 トランプ・安倍に怒りの反撃を

週刊『前進』04頁(2935号01面02)(2018/04/23)


米英仏の中東侵略戦争弾劾
 北朝鮮攻撃の「予行演習」強行
 トランプ・安倍に怒りの反撃を

(写真 「シリアでの戦争やめろ」「トランプは戦争犯罪人だ」。ロサンゼルスでシリア爆撃弾劾の緊急行動【4月14日】)

 アメリカ帝国主義・トランプ政権は13日、英仏とともにシリアへの爆撃を強行した。米国防総省は「アサド政権が化学兵器を使用したことへの報復」として、シリア国内の化学兵器関連施設とされる3拠点を標的に、米艦船や原子力潜水艦から巡航ミサイル・トマホークを発射したほか、戦略爆撃機B1からのミサイル攻撃も行ったと発表。昨年4月のシリア攻撃のおよそ2倍のミサイル105発を撃ち込んだとした。
 今回のシリア攻撃は第一に、米帝による違法・無法な侵略戦争であり、中東に新たな戦争の火を放つ許しがたい挑発行為にほかならない。トランプは、シリア政府軍が化学兵器を使用したという確たる証拠を一つも挙げず、国連安保理や米議会にはかりもせず、化学兵器禁止機関(OPCW)による現地調査の直前に強引に攻撃へと踏み切った。2003年イラク戦争開戦時と同様の犯罪的暴挙だ。トランプは「(化学兵器使用は)人間の仕業ではなく怪物の犯罪だ」などと主張するが、14年以降、「有志連合」を組織して累計2万5千回以上もの空爆を行い、シリア人民を大量虐殺してきたのは米帝である。
 第二に、今回の攻撃は、アサド政権を支援してきたロシアを反発させ、米ロ間の緊張・対立と世界戦争の危機を一層激化させた。シリアをめぐっては昨年からロシア、トルコ、イランを中心に和平協議が進行し、米帝は完全にかやの外に置かれてきたが、トランプはその巻き返しをかけて軍事介入に出たのだ。その背景には、アフガニスタン・イラク侵略戦争の敗北に伴う米帝の中東支配の崩壊があり、シリアの石油・天然ガスなどの資源獲得競争でも敗退しつつあることへの強烈な焦りと危機感がある。
 第三に、今回の一方的なミサイル攻撃は、明らかに北朝鮮に対する恫喝をも含んだ朝鮮侵略戦争の予行演習として行われた。27日の南北首脳会談、5〜6月に予定される米朝首脳会談を前に、トランプは北朝鮮に対していつでも先制攻撃を仕掛ける用意があることをあえて誇示したのである。戦争を挑発し、東アジアの緊張と対立を激化させているのは米帝トランプの方であり、それと一体化した日帝・安倍政権だ。
 第四に、トランプはこのような戦争策動によって、「ロシア・ゲート」疑獄を始めとする政権崩壊寸前の危機を乗り切ろうと必死になっている。これに対し、アメリカ労働者階級は労働組合を中心に戦争反対・トランプ打倒の広範な闘いに陸続と決起している。
 今回、安倍は「米英仏の決意を支持する」としてシリア攻撃に賛意を示した。さらに野党第1党の立憲民主党代表・枝野幸男は「日米は100%一体だ」という安倍の発言に同調し、「米英仏の行動はやむを得ない」と容認した。絶対に許せない!
 戦争をとめる力は、日米韓をはじめ全世界の労働者の国際連帯と自国政府打倒の闘いの中にこそある。改憲・戦争阻止!大行進を今こそ大発展させ、巨大な反戦闘争を巻き起こそう!
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