カクマル「組織現実論」の末路 スト根絶誓い民営化の先兵に JR東労組瓦解は労働者支配の崩壊

週刊『前進』04頁(2935号02面01)(2018/04/23)


カクマル「組織現実論」の末路
 スト根絶誓い民営化の先兵に
 JR東労組瓦解は労働者支配の崩壊


 国鉄分割・民営化から31年、ついにJR資本とJR総連・東労組カクマルの結託による労働者支配が音を立てて崩壊した。スト根絶を誓い「他労組解体」を叫んで資本の先兵となったカクマルの「組織現実論」の末路だ。この歴史的情勢は、階級的団結とストを武器に闘いぬいてきた動労千葉―動労総連合の闘いが切り開いた。労働者の決起を圧殺し、労働運動全体に害毒を流し続けてきた反革命のくびきは打ち砕かれた。

脱退2万8千人、本部解任

 JR東労組の瓦解(がかい)が一気に進行している。昨年4月にはJR東日本の労働者の8割、4万3千人を組織していた東労組から、今年4月1日時点で2万8千人が脱退した。JR資本との「労使共同宣言」は失効し、国鉄分割・民営化=JR発足以来のJR資本―東労組の結託支配体制は崩壊した。
 12日の東労組臨時大会で吉川英一委員長、宮沢和広副委員長・東京地本委員長らへの制裁審査委員会設置と執行権停止、組合員権一部停止に至った。「団体交渉を経なければ争議行為は行わない」という労働協約を破ったことが理由だという。労働委員会への不当労働行為救済申し立ても取り下げた。カクマルがカクマルを切り、全面分社化・転籍に突き進むJRへの屈服を競うおぞましい事態だ。
 闘う労働組合の破壊とスト根絶を核心とする国鉄分割・民営化に歴史的決着をつける時が来た。階級的団結と絶対反対のストで闘う動労総連合への結集の機運が急速に拡大している。

総評解体推進した張本人

 これまでの全事態は、カクマル「組織現実論」の必然的帰結であり末路だ。
 カクマルの頭目、黒田寛一、松崎明らは革命党への飛躍をかけた1962年革共同第3回全国委員会総会(三全総)路線に敵対し逃亡した。カクマル組織を結成し、革命的実践を破壊してカクマルの観念的「党づくり」を目指す組織現実論を言い出した。カクマルのためならすべてが許されるというものだ。その最大の実体こそ松崎が牛耳る動労(現JR総連)であった。
 しかし70年安保・沖縄闘争の中で、カクマルは「左翼」としての仮面をはぎとられ、存亡の危機にたたき込まれて反革命へと転落した。破防法弾圧下の革共同に対し、75年3・14反革命=本多延嘉書記長(当時)虐殺を頂点とする闘う労働者人民への武装襲撃を繰り返した。これに対して階級的反撃の闘いが爆発しカクマルを追いつめていった。
 そうした激闘の中で迎えた国鉄分割・民営化は、日帝・支配階級の戦後最大・最悪の攻撃であった。それは動労カクマルの反革命的所業抜きにはなかった。
 81年、「戦後政治の総決算」を呼号する中曽根政権は、改憲とそのための労組破壊の頂点に国鉄分割・民営化を据えた。国鉄赤字を「働き度の悪い労働者」のせいにする攻撃が繰り広げられた。
 これに対し松崎は「国家意志に抵抗してはならない」として「職場と仕事を守るために働き度を高める働こう運動」を打ち出した。さらに「冬の時代。総評労働運動は終わった」として国労など「他労組解体」に乗り出した。    国鉄分割・民営化攻撃に対して動労千葉が総力を挙げて2波のストに立ったことに追いつめられた松崎は、86年に「労使共同宣言」を結んでスト根絶と、闘う労働組合の暴力的破壊を誓った。

自衛隊も核も容認

 カクマルは国鉄労働者20万人首切りの先兵となった。カクマル組織の防衛と利害のために労働組合の階級的原則を投げ捨てたファシスト労働運動への踏み切りだった。
 国鉄分割・民営化は改憲と「戦争のできる国」への転換のために強行された。その先兵となった動労カクマルの転向と腐敗はとどまることなく進んだ。動労本部委員長、JR東労組初代委員長・松崎明は役員室に「日の丸」を掲げ「自衛隊も核も認める」と叫んだ。国鉄1047名解雇撤回闘争に敵対し、外注化・非正規職化に全面協力した。今日のUAゼンセンを最先兵とする連合の改憲・戦争翼賛勢力化の先駆けというべき害毒を流し続けた。

松崎手本に全党派が転向

 国鉄分割・民営化は総評解散・連合結成、労働運動の変質と大後退をもたらした。松崎を手本に自治労・日教組・全逓など主要産別幹部、協会派や日本共産党は、「国労の二の舞いになるな」を合言葉に「組織防衛」を掲げて当局の攻撃に総屈服・転向していった。
 元『労働情報』の樋口篤三や戸塚秀夫東大教授らの「JR総連・松崎聞き取り研究会」が進められた。戸塚は「それまでの合理化絶対反対闘争ではない」と松崎の路線を持ち上げた。資本主義救済の体制内運動を進める自治労本部は「攻めの民営化」と「働こう運動」を掲げた。2010年社会保険庁解体に対して、社保労組本部・協会派は525人の分限免職を許し、闘争圧殺に動いた。1047名闘争解体の4・9政治和解も同じだ。18年大阪市営交通民営化に協力した大阪交通労組幹部も、組合員を売り渡した。

労働者総反乱の時が来た

 だが国鉄分割・民営化は大破産し東労組のくびきは打ち砕かれた。JRはカクマルを見限り、第3の分割・民営化に突進している。安倍政権は絶体絶命の危機の中で改憲・戦争と労働大改悪に一切をかけている。
 労働者人民の怒りは根底から噴出し、国鉄決戦を基軸に改憲・戦争阻止、安倍打倒の歴史的決戦に突入した。韓国パククネ打倒のゼネストを主導した鉄道労組は、動労千葉との国際連帯を固めている。動労千葉に体現された階級的労働運動の勝利性は完全に明らかである。もはや連合は打倒寸前だ。動労総連合を先頭に全産別の職場から労働者の総反乱を巻き起こそう。
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