2018年新宿メーデーアピール 安倍を倒し9条改憲阻もう JR総連・連合を打倒し闘う労働組合の再生を

週刊『前進』02頁(2936号01面01)(2018/04/26)


2018年新宿メーデーアピール
 安倍を倒し9条改憲阻もう
 JR総連・連合を打倒し闘う労働組合の再生を


 「安倍を倒そう、安倍を監獄へ!」----親子連れや中高生、初めてデモに参加する若者たちや学生が声を限りに訴えています。もう黙っているのはやめようと、この国のあり方、これからの自分たちや子どもたちのことを考え、「命よりカネもうけ」を優先してきた政治を正し、人間らしく生き、命を守るために、自らの意志と判断、決意による主体的行動が始まっています。腐りきった政治を変え、社会を変える力は生きた人間の闘いであり、労働者民衆の団結した力の中にあることが力強くよみがえり始めています。ウソとカネにまみれた安倍、権力を笠に着て人を見下す麻生や福田を、もうこれ以上許すわけにはいきません! 5・1新宿メーデーを闘いましょう。

戦争を絶対に繰り返すな

 安倍政権は絶対に倒さなければなりません。安倍政権は改憲を歴史的使命とする政権だからです。それは、これまでの国のあり方をひっくり返し、「戦争ができる国」をつくることです。この点で自民党もそれを支える財界も一致しています。安倍は「2020年新憲法施行」を宣言しました。来年5月1日に新天皇即位、秋まで一連の「儀式」を行おうとしています。これらを「静かな環境」で迎え、20年に新憲法を施行するには改憲国民投票を来年春に、そしてそのためには今秋の臨時国会で改憲発議を行わなければ間に合わないというわけです。安倍政権は追いつめられています。
 安倍政権は改憲に延命を賭けています。その柱は9条改憲です。それは自衛隊を憲法に明記することで9条を解体するとともに、何よりも「二度と戦争を繰り返さない」という日本の労働者民衆の意識と闘いを全面的に解体することに最大の狙いがあります。
 憲法9条には、あまりに悲惨な戦争の現実から出発し、今日に至るまで労働者民衆の内部に蓄積されてきた戦争への深く激しい怒りが込められています。第2次世界大戦では、2千万人と言われるアジアの労働者、農民、女性、子どもたちが日本の軍隊に殺されました。日本の死者310万人のうち140万人が日本軍の無謀で無責任な戦争遂行のために、餓死・戦病死させられました。天皇の捨て石とされた沖縄、広島・長崎への原爆投下。皇居の倉庫には有り余る食糧がありながら、労働者農民は飢えに苦しみました。他国民を犠牲にした侵略戦争は、自国民をも徹底的に犠牲にしたのです。「1%」の財界や権力者の利益を守るための戦争をもう二度と繰り返さないという固い決意を力とするために、労働者は戦後の焼け野原の中から労働組合を結成し、団結した闘いで国家権力や資本家に憲法9条を強制してきたのです。

労働者の誇りを奪う現実

 改憲をめぐる闘いは、労働運動をめぐる闘いです。1980年代、自民党・中曽根政権が国鉄の分割・民営化を強行しました。後に中曽根は「国労をつぶし、総評・社会党をつぶすことを明確に意識してやった」「お座敷をきれいにして、立派な憲法を床の間に安置する」と言い、国鉄分割・民営化の目的が労働運動解体と改憲にあったことを語りました。以来30年、労働運動は後退を強いられてきましたが、それでも今日まで改憲を貫徹させてはいません。労働運動の現実を変革し、労働組合が本来の力を取り戻すことの中にだけ、改憲・戦争の野望もろとも安倍政権を打ち倒す最大の力があります。
 労働者一人ひとりの中にその力はあります。いつの時代も社会をつくり、歴史を動かしてきたのは労働者だからです。しかし現実には、労働者がそういう誇り高い存在であるということが奪われているのです。
 ある20代の青年が「自分たちは憲法に守られていると感じたことなど一度もない」と言いました。最低賃金ギリギリの時給でひと月の手取りは十数万円。生活するためにダブルジョブをして深夜まで働き、一日の平均睡眠時間は4時間程度。それでも年度末には「無期雇用転換」もされず、一体何人の非正規労働者がクビを切られたか。これが青年の置かれた現実です。「ふざけるんじゃない! 人間扱いもしないで安い賃金でこき使いやがって」という怒りが湧き上がってきませんか? 戦争に反対する闘いと労働者の権利を守る闘いはひとつです。
 そしてどんなに安い賃金でこき使われようと、労働者には誇りがあります。医療の現場では経営側も「もうかれば患者なんか死んでもいい」とは絶対に言えません。しかし、日々の合理化や利潤追求がすべてに優先されるような現実になっています。教育現場でも「子どもたちを金もうけの道具にしていい」とは言えない。だけど現実は民営化の中で学校や教育が崩壊しようとしています。個人では解決がつかないことを背負わされ、精神疾患や自殺に追い詰められる先生が急増しています。
 団結が奪われ、果てしない競争にさらされながらも現場で責任を取っているのは労働者ではないですか。個々の限界を超え、仲間と共に、命を守りあい、安全を守り、患者を守り、子どもたちを守ることができ、自分のことだけでなく、社会全体の利益のために闘えるのが労働組合です。その力こそが戦争や改憲を止める力です。

労組めぐる決戦に勝利を

 安倍政権のもとで労働運動の大再編が始まっています。最大の焦点は、日本の労働組合を最も組織している連合内に9条改憲と自民党を公然と支持する勢力をつくり出すことにあります。
 9月に開催されるUAゼンセンの定期大会で、執行部が憲法9条の「戦力不保持」「交戦権否認」の削除、「自衛戦力の明記」などを示した方針を組合決定しようとしています。連合内最大の労働組合であるUAゼンセンに改憲支持を打ち出させ、戦争反対・改憲反対を闘ってきた日教組や自治労を孤立させることが狙いです。
 これと一体で、JR東日本が東労組の解体に踏み出し、2カ月余りの間に4万6千人の組合員のうち、約3万人が脱退したと言われています。東労組の幹部は、この30年、民営化・外注化、首切り、非正規職化に協力してきました。それでも会社は使い捨てることに踏み切りました。
 改憲を許してはならない。そのことが今、労働運動に問われています。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合港合同、国鉄千葉動力車労働組合などの呼びかけで、「改憲・戦争阻止!大行進」運動が力強く始まりました。安倍が戦争をするために労働組合の力をそぎ、労働組合を破壊しようとするなら、私たちはもう一度労働者の団結を取り戻す決意です。
 5月1日には新宿メーデーが開催されます。メーデーは1886年5月1日、アメリカ・シカゴの労働者が8時間労働制を要求してストライキを闘った、その闘いを引き継いで毎年全世界でストライキやデモが闘われています。労働者を犠牲にし、戦争までして生き延びようとする資本と政府に対して立ち向かう闘いの日です。来年の5・1新天皇即位によるメーデー圧殺を許さず、首都を赤旗で埋めつくそう。労働者の闘いこそが法であり正義です、今こそ安倍を倒しましょう。

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闘う労働組合をよみがえらせよう
5・1新宿メーデー
 5月1日(火)午後1時30分
 四谷区民ホール(四谷区民センター9階)
 (新宿区内藤町87 メトロ「新宿御苑前」2番出口より徒歩5分)
 午後3時30分 デモ出発
 主催/5・1新宿メーデー実行委員会

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