「働き方改革」法案を葬れ 今国会での成立強行狙う安倍

週刊『前進』04頁(2939号02面01)(2018/05/14)


「働き方改革」法案を葬れ
 今国会での成立強行狙う安倍


 安倍政権は4月27日に衆院で、野党6党が欠席する中で「働き方改革」関連法案の審議入りを強行した。決定的に危機を深める安倍政権だが、6月20日の会期末までに強硬な手段を使っても、なりふり構わず成立を狙っている。職場の闘いを基礎に5〜6月闘争で安倍を打倒し、改憲と法案成立を絶対に阻止しよう。

背景に資本の絶望的危機

 安倍は本会議の趣旨説明で「戦後70年ぶりの大改革を実現する。成立へ向けて全力を傾注する」と述べた。その凶悪さは改憲攻撃と一体であり、大恐慌下の日帝の深刻な危機に駆り立てられている。
 今年1月の日本経団連の「経労委報告」は「急速に進む人口減少」や「グローバル競争」に激しい危機感を表明し、「国を挙げて」労働者の生産性を高めよと絶叫している。これを受けた安倍の「働き方改革」は労働組合、集団的労資関係、労働基準法などの戦後労働法制を根本からひっくり返して、階級的力関係の転換を狙うものであり、9条改憲攻撃と並ぶ「もう一つの改憲攻撃」である。絶対に許せない。
 だが、こんな攻撃は絶対に粉砕できる。法改悪に先行して職場で進む雇い止め解雇や長時間労働、諸手当廃止の賃金削減に対して怒りが渦巻いている。働く者の誇りを踏みにじる資本の暴挙に、「社会を動かしているのは私たち労働者だ」という決起が広がっている。森友・加計疑獄など安倍政権のすさまじい腐敗と反動的居直りに「安倍を監獄へ!」「ゼネスト―革命で新しい社会を!」の声は日増しに高まっている。
 青年労働者を先頭に職場で団結をうち固め、安倍政権打倒、戦争・改憲粉砕、「働き方改革」法案粉砕へ総決起しよう!

過労死促進と労組の破壊

 「働き方改革」法案の主な内容は、❶高度プロフェッショナル制度の導入、❷残業時間の罰則付き上限規制、❸「同一労働同一賃金」の導入、❹雇用対策法の改悪、などである。
 ❶「高プロ」制度は、一部の労働者に労働基準法が定める労働時間、休憩、休日、深夜割増賃金などの規定を適用しない制度である。「労働を時間で測るのは時代遅れだ、成果で判断する」と称して労基法の根幹をなす8時間労働制を解体し、残業代ゼロ、長時間労働を強いる攻撃である。対象はさしあたり年収1075万円以上としているが、いったん導入されればやがて年収条件が引き下げられることは明らかだ。
 ❷「残業時間の上限規制」は、これまで上限がなかった残業時間に制限を設けるものだが、実際には長時間労働の合法化である。残業時間を年間720時間以内で、繁忙月の上限は100時間まで認める。これは過労死ラインの月80時間を超える上限である。まさに「過労死促進法」だ。改悪されれば、過労死裁判でもこの時間内であれば「適法」とされてしまう。
 ❸「同一労働同一賃金」は、「正規・非正規の待遇差の解消」の名のもとに、①労働者階級全体の賃金を非正規職並みに同一化するものであり、②評価制度を全面的に導入して労働者をばらばらに分断する攻撃である。集団的労資関係を解体し、労働者と資本家の関係を民法的な個別契約に解消しようとしている。
 しかも評価制度の全面的導入で「働き方が悪い」「成果が低い」と分断し、わずかの差をつけるだけで賃金を下げ、労働者を分断し競争させるものである。
 ❹雇用対策法の改悪は、法の基本理念をこれまでの「労働者の職業の安定」から「労働生産性の向上」「多様な就業形態の普及」にねじ曲げ、労働者としての保護を受けられない請負業務(フリーランス)やテレワーク(情報通信技術を使った在宅勤務など)を推進するものである。
 まったく許しがたいことに、連合は「時間外労働の上限100時間」「同一労働同一賃金」に全面的に賛成している。連合や全労連の屈服を粉砕し、「働き方改革法案」粉砕へ全力で闘おう。動労総連合の組織拡大を全国で推し進め、7・1国鉄集会へ結集しよう。

5・16Jアラート、戦争訓練粉砕を

 内閣官房は、自治体を動員して「全国瞬時警報システム (Jアラート)」の訓練を今年度4回、直近は5月16日(水)に実施しようとしている。これは、戦争への国民動員訓練であり、9条改憲、「働き方改革」と一体の重大攻撃である。絶対に許すな。全国で反撃に立とう。

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