「過労死」法案阻止を JR乗務員制度改悪阻止決戦へ、全国で改憲・戦争阻止!大行進を 6・3星野さん解放高松集会へ

週刊『前進』04頁(2943号01面01)(2018/05/28)


「過労死」法案阻止を
 JR乗務員制度改悪阻止決戦へ、全国で改憲・戦争阻止!大行進を
 6・3星野さん解放高松集会へ


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 「働き方改革法案は働く者の命と未来を奪うもの。これ以上、悲しい遺族をつくらないでください。法案を阻止してほしい!」。過労死させられた労働者の遺族の訴えは、全労働者の意思だ。「働き方改革」法案の採決強行は絶対に許されない。労働者の怒りを爆発させて徹底的に闘いぬこう。JRの乗務員勤務制度改悪をめぐる最大級の決戦が到来した。全労働者の怒りを組織し、7・1国鉄集会の成功をかちとろう。5月20日、四国新聞と朝日新聞大阪本社版に6・3星野文昭さん解放全国集会を呼びかける意見広告が掲載された。労働者民衆の力が根底から掘り起こされている。韓国・民主労総ハンサンギュン前委員長の解放に続いて、6月3日の高松集会・パレードへの1千人大結集で、星野さんの解放をなんとしても実現しよう。

働き方改革法案絶対反対

 過労死させられた労働者の遺族らでつくる「全国過労死を考える家族の会」は22日、働き方改革法案に絶対反対し、首相官邸前での座り込みを始めた。
 法案の重大な柱は、年収1075万円以上の一部専門職に適用される「残業代ゼロ」=高度プロフェッショナル制(高プロ制)導入と、「初の罰則付き残業上限規制」と称する月100時間残業の合法化だ。
 高プロ制は労働時間規制の撤廃である。年104日、4週のうち4日休みがあれば、毎日24時間連続で働かせても罪に問われない。16日の衆院厚生労働委員会で加藤勝信厚生労働相は、「月200時間残業は直ちに違法ということではない」と答弁した。
 2015年、経団連は年収400万円の労働者への拡大を要求し、当時の塩崎恭久厚労相は「小さく産んで大きく育てるので、ぐっと我慢してとりあえず通す」と公言していた。13年に過労死したNHK記者の母親は「労災申請もできなくなり、死人は増えても過労死は減るという事態が起こる。死んでも自己責任で片付けられ、苦しむのは残された遺族だ」「労働者派遣法がほぼ全職種に広がったように、対象年収や職種が拡大される」と批判した。「労働者の本人合意」が条件で「撤回も可能」とするが、闘う労働組合がない限り、拒否できる労働者がどれだけいるだろうか。
 15年にテレビ朝日のプロデューサーが心不全で死亡したのは、直前3カ月間の時間外労働が月70~130時間に及び、「過労死ライン」とされる80時間を超えていたからだと認定された。IT企業の青年労働者は17年、くも膜下出血で死亡し、直前2カ月間で月平均87時間45分の残業があったと労災認定された。月100時間残業の合法化はますます過労死を増やす。
 菅義偉官房長官は21日の会見で「違法残業を根絶する切り札で、待ったなしの法案だ」と強調した。長時間残業の根絶ではない。法律を作って長時間残業を合法化するということだ。

連合会長が裏切り

 連合会長の裏切りは産業報国会の先取りそのものである。神津里季生・連合会長は、法案に罰則付き残業規制などが含まれるとして「反対だけを唱えているだけでは得られるものは何もない。過労死問題が危機的状況にある中で、労働者のため少しでも多くの実を取らなければならない」と意欲を示し、17日に菅官房長官に会い、法案の早期実現を求めた。菅は「方向性についてはまったく同じであり、働き方改革の実現にしっかり対応していきたい」と応じた。この動きを受けて自民、公明両党と日本維新の会、希望の党が21日、法案修正で合意。安倍政権は一気に法案採決強行に動き出した。
 安倍が主犯の加計疑獄、森友疑獄の「物証」が次々に明るみに出ている。安倍政権は史上最悪の疑獄まみれの政権だ。連合がこれを全力で支えている。安倍と資本は戦後労働法制の解体を、大恐慌の爆発と破滅が迫る日本帝国主義の延命と改憲・戦争の土台にしようとしている。野党と連合を抱き込んで働き方改革法案を成立させ、9月UAゼンセン大会での改憲翼賛決議と臨時国会での改憲発議に向かって突進している。
 過労死遺族の闘いと結合し、改憲・戦争阻止の闘いとして働き方改革法案粉砕へ闘おう。

動労総連合に結集しよう

 国鉄決戦が第3の分割・民営化攻撃の「本丸」というべき乗務員勤務制度改悪との決戦に突入した。JR東日本は17日、「乗務員勤務制度の見直しについて」と題する提案を行った。ついにJR東資本は、国鉄分割・民営化後も手を付けられないできた乗務員勤務制度の歴史的な改悪攻撃に踏み出してきたのだ。
 提案は「多様な働き方と効率性の実現」を掲げる。運転士経験のある企画部門の労働者を朝夕のラッシュ時に短時間乗務させ、それ以外の時間は本来の企画業務に戻すという。技量を問われ緊張を強いられる運転業務とデスクワークの企画業務の両立など成り立たない。育児や介護のために希望する労働者も短時間乗務をできるようにする一方、これまで通りの勤務の乗務員は拘束時間と実乗務時間を延長する。JR資本はこれで乗務員を大幅に削減しようとしている。あらゆる意味でこれまで以上の安全崩壊は必至だ。さらに月5万円以上となる乗務手当の廃止が狙われている。
 この2月以降、JR東資本はJR東労組カクマルを「用済み」としてその解体に乗り出した。すでに組合員は1万人を切ったといわれる。動労千葉―動労総連合の闘いが、資本とカクマルの結託による労働者支配を危機に陥らせてきた。国鉄分割・民営化の大破産に追いつめられたJR東資本は、労働組合的団結を一掃して、全面分社化と労働者の転籍、ローカル線切り捨て、乗務員勤務制度の抜本改悪にかけようとしている。働き方改革の最先端の攻撃である。
 JRを先頭とする労働現場の攻防が労働者の未来を決める。東労組崩壊で支配のくびきは砕かれた。職場は一変し、「ともに闘おう」の呼びかけが心を捉え、動労総連合への結集が本格化しようとしている。連合東京をはじめ労働運動の大流動が始まった。東交(東京交通労組)・都労連で民営化反対、働き方改革粉砕の声が現場から上がっている。階級的労働運動が躍り出る時が来た。
 リーマンショックを超える大恐慌の切迫と世界戦争の危機の中で全世界でゼネストが闘われている。1930年代以来の革命的情勢だ。ゼネストで安倍を倒す歴史的決戦が始まった。5月28日、1047名解雇撤回・JR復帰を求める千葉県労働委員会闘争が新たに始まる。7・1国鉄闘争全国集会に大結集しよう。

大反響呼ぶ星野意見広告

 星野さんの解放へ、6・3高松集会への1千人を超す大結集を実現しよう。
 5月20日付の四国新聞と朝日新聞大阪本社版の1面分を使った「無実を訴え獄中43年/星野文昭さんを自由に」の意見広告が大反響を呼んでいる。全国からのカンパでこれが実現した。「初めて知りました」「カンパしたい」という電話が次々と寄せられている。人生を貫く星野文昭さんの存在と闘い、つれあいの暁子さんを先頭とした星野さん解放の闘いが労働者民衆の心を揺り動かしている。多くの人が組織者となり、更生保護委員会あての要望書を集めている。
 5月21日、韓国・民主労総のハンサンギュン前委員長が釈放された。この日本で星野さんの解放をかちとり、「安倍を監獄へ」の闘い、革命に至る改憲・戦争阻止!大行進運動の巨大な号砲としよう。

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