死ぬまで働かせるな 「高プロ制」に過労死遺族の怒り

週刊『前進』04頁(2943号02面02)(2018/05/28)


死ぬまで働かせるな
 「高プロ制」に過労死遺族の怒り

(写真 過労死促進の「働き方改革」関連法案の廃案を求めてこぶしを上げる「全国過労死を考える家族の会」【5月23日 首相官邸前】)

 「働き方改革」関連法案をめぐる攻防は緊迫の度を加えている。
 衆院厚生労働委員会で、加藤勝信厚労相は、「高度プロフェッショナル制度が適用された労働者は、残業時間が月200時間で直ちに違法ではない」と平然と答弁した。これでは労働者は生きていけない。
 安倍政権は5月23日の衆院厚生労働委員会で同法案の強行採決を狙った。だが、野党が同委委員長の解任決議案を提出したことをきっかけに、この策動は阻まれた。その背後にあるのは、過労死遺族を始めとした「働き方改革」関連法案に対する激しい怒りだ。だが、安倍政権は今国会で成立させる強硬な構えを変えていない。攻防はまさに決戦の渦中にある。
 5月22、23日の両日、過労死遺族で組織された全国過労死を考える家族の会は、首相官邸前で座り込みを行った。愛する夫や子どもを過労死や過労自殺で突然に失った遺族の悲しみと怒りは深くて鋭い。
 23日の座り込みで、家族の会の寺西笑子代表は、遺族との面会も拒む安倍首相に怒りを示し、「あきらめずに行動を続ける」と述べた。夫を過労自殺で失った遺族は、「夫は会社に殺されるという言葉を残して投身自殺した。どんな気持ちだったか、安倍総理は分かりますか。高度プロフェッショナル制度は、労働者を馬車馬のように働かせ、もうかるのは企業だけ。労働者の未来をなくす働かせ方です」と訴えた。IT企業で働いていた息子を失った遺族は、「まじめに働いただけの息子を奪ったこの日本の社会を許せません。なのにもっと過労死が増える法律を通すのでしょうか」と切々と発言した。
 その痛切な叫びのすべてを安倍政権は踏みにじっている。ここまで人命をないがしろにして安倍政権がやろうとしているのは戦争と改憲だ。安倍政権もろとも「働き方改革」関連法案を葬り去ろう。
このエントリーをはてなブックマークに追加