改憲阻止の先頭に国鉄闘争の旗を 7・1国鉄全国集会 ストライキへ!1500人が団結

週刊『前進』04頁(2955号01面01)(2018/07/09)


改憲阻止の先頭に国鉄闘争の旗を
 7・1国鉄全国集会
 ストライキへ!1500人が団結


改憲阻止決戦と国鉄闘争の爆発で労組破壊攻撃を粉砕し安倍打倒へ
乗務員制度解体阻止・1047名解雇撤回を

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(写真 国鉄1047名解雇撤回と乗務員勤務制度解体粉砕、改憲・戦争阻止へ団結ガンバロー【7月1日 江戸川区総合文化センター】)

 国鉄闘争全国運動が呼びかけた全国集会が7月1日、東京・江戸川区総合文化センターで開かれ、1500人が結集した。集会は「国鉄1047名解雇撤回―労働委員会闘争へ」「乗務員勤務制度改悪阻止―第3の分割・民営化との闘い」「改憲阻止大行進の発展を」の3本の柱を掲げ、韓国・鉄道労組ソウル地方本部との国際連帯を発展させた。動労千葉は乗務員勤務制度解体攻撃と対決し「分割・民営化以来の決意で数波のストライキに立つ」と宣言した。国鉄闘争全国運動の発展と、18年後半を山場とする戦後最大の改憲阻止決戦への新たな出発点が築かれた。(2面に主な発言)

動労千葉がストへ

 国鉄闘争全国運動呼びかけ人の伊藤晃さんが主催者あいさつで、働き方改革法は改憲の一環だと指摘し、「すべての現場でこの法を押し返す闘争に入ろう。これを機にして労働者は改憲反対の主力として力を再結集できる」と訴えた。
 三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さん、北原健一さんが登壇し、伊藤さんが「軍事空港粉砕へ52年間の蓄積をかけて闘いぬく」とあいさつした。
 動労千葉の田中康宏委員長が働き方改革法の成立を弾劾し、「JR東日本の職場は戦後最大の労働運動解体の渦中にある。動労千葉は真正面から闘いぬく」と宣言した。1047名解雇撤回に向けた新たな労働委員会闘争を決断したことについて、「労働運動をつぶして憲法を改正するという中曽根の思惑を30年間打ち砕いてきたが、安倍政権のもとでもう一度改憲をめぐる攻防になっているからだ」と述べ、「改憲だけは絶対に許さない」「第3の分割・民営化攻撃に数波のストライキを配置し、労働運動再生の新しい1ページを開く」と力を込めた。
 全日本建設運輸連帯労組関西生コン支部の武谷新吾書記次長は、弾圧を打ち破り、現場でストライキを準備していると報告した。
 98人の解雇者の全員復職をかちとった韓国・鉄道労組ソウル地方本部のパクソンス本部長とイヒョンゴン組織局長が登壇し、パク本部長が動労千葉と国鉄闘争全国運動への限りない連帯を示した。

JR復職求め闘う

 1047名労働委員会闘争弁護団が闘いの勝利へ決意を表明した。全国運動呼びかけ人で動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士は「不採用自体がJRの不当労働行為であり無効」と述べ、団交を拒否するJRを断罪した。藤田正人弁護士、野村修一弁護士が意気込みを語った。
 解雇当該から動労千葉争議団の中村仁さん、動労総連合1047協議会代表の小玉忠憲さんが解雇撤回へ闘いぬく決意を熱烈に表明した。全国運動呼びかけ人で自交総連SKさくら交通労組の河野晃興委員長は、職場での24時間ストライキと、JR北海道の廃線反対の署名運動を展開していることを報告した。
 動労千葉の川崎昌浩書記長は、乗務員勤務制度解体の問題点を4点にわたり提起し、組織の総力を挙げたストライキに立つと表明。動労千葉貨物協議会の佐藤正和議長は貨物職場の怒りを結集し闘うと述べた。動労水戸の石井真一委員長は、いわき運輸区の労働者の怒りに火をつけ常磐線全線開通を阻止し、東海第2原発再稼働を阻む決意を語った。動労総連合の各単組が闘いの決意を述べた。
 カンパアピールを医療職場でストライキに立った高槻医療福祉労働組合の村山裕子委員長が行った。

職場から改憲阻む

 集会後半は「改憲阻止大行進の発展を」として、「君が代」処分と闘う根津公子さんを始め、教育労働者、自治体労働者、合同・一般労組全国協議会が職場から改憲阻止のうねりをつくると力強く表明した。
 元教育労働者でノンフィクション作家の野本三吉さんの連帯メッセージ、全国運動呼びかけ人の宮城盛光さんの「沖縄は、辺野古新基地建設を許さず改憲阻止の先頭に立つ」というメッセージが紹介された。
 全学連の斎藤郁真委員長が改憲阻止の主力を学生が担うと表明した。参加者は決戦突入の決意を固めた。
 全国金属機械労働組合港合同の中村吉政委員長が「安倍とJRを串刺しにする闘いに立とう」と集会をまとめた。

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闘う労働運動の再生へ
 動労千葉 田中康宏委員長

 安倍政権は働き方改革法案の採択を強行しました。労基法や労働基本権を最後的に解体する意図をもつ法案です。その強行は、憲法改悪攻撃がすでに始まったことを示しています。闘いはこれからです。
 鉄道労組ソウル本部のパクソンス本部長から、「日本でも必ず労働運動は復権すると信じている」と言われました。それを実現するのは私たちです。
 JRの職場は大変な攻撃の嵐のさなかにあります。JRは国鉄分割・民営化に次ぐような労働運動破壊攻撃を開始しました。国鉄分割・民営化に賛成し首切りに賛成した御用組合さえ許さないという攻撃です。労働組合が存在しない社会をつくるという、戦後最大の労働運動解体攻撃の渦中に私たちはあります。これは改憲攻撃そのものです。
 何のために御用組合までつぶすのか。JRという企業を何百もの会社に分社化し、そこに労働者を突き落とし、全部非正規職にしていくためです。これは働き方改革そのものです。
 だけど、どんな攻撃があろうと労働組合が消滅してしまうことはありえません。こういう攻撃がかけられているからこそ、職場には絶対に労働組合が必要だ、労働者には団結が必要だという原点がよみがえると思います。戦争か改憲か、労働者がこの社会の主人公として登場するのかどうかが問われています。
 5月28日、動労千葉は国鉄1047名解雇撤回を求める新しい労働委員会闘争を起こしました。なんで30年たって新しい労働委員会闘争なのか。30年にわたる闘いが、ようやく真犯人を突き止め、解雇の責任はJRにあり、それは不当労働行為だったことを突き止めたからです。
 しかし、理由はそれだけではありません。国鉄分割・民営化の時に「国鉄労働運動をつぶし、総評・社会党をつぶして憲法を改正する」と言った中曽根の思惑を、僕たちは30年打ち砕いてきました。そして今、安倍政権のもとでもう一度これをめぐる攻防になっているからです。
 戦後の労働運動の原点は、戦争だけは二度とさせてはならない、憲法だけは変えてはならないということでした。今問題になっているのは、僕らが本当に反撃に立って、日本に韓国の民主労総のような闘う労働組合を再建することです。
 動労千葉は、第3の分割・民営化攻撃に対し、この夏から来年3月のダイヤ改正時にかけて数波のストライキを配置して闘います。国鉄分割・民営化に対して首をかけてストライキに立った時と勝るとも劣らない決意で闘う方針を、先日の定期委員会で決定しました。
 国鉄闘争を先頭にして絶対に憲法改悪と戦争を阻止しましょう。闘う労働組合を再生させましょう。

現場でストライキ闘う
 全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部 武谷新吾書記次長

 今、経営側は威力業務妨害、強要未遂とレッテルを貼って関西生コン支部を攻撃していますが、ストライキというのは業務妨害でなかったら要求は貫徹しないでしょう。
 この6月、われわれに有利な仮処分が出ましたが、命令だけでは何もひっくり返りませんので、命令を根拠にすぐに行動に入りました。大きく潮目が変わりつつあります。
 働き方改革にも改憲にも現場で闘う。今、閉塞(へいそく)感を持っている若い人たちに希望を与えるためにも、ストライキを打ち抜いて、現場で闘うことが大事だと思います。
 早速明日から、ストライキに入る予定です。きょうもすぐに帰って準備をして、皆さんにいい報告ができるように頑張りたい。皆さんとともに闘います。

日本の闘いは実を結ぶ
 韓国・鉄道労働組合ソウル地方本部 パクソンス本部長

(写真 韓国・鉄道労組ソウル本部のパクソンス本部長【左】とイヒョンゴン組織局長【右】)

 日本の鉄道が民営化されて30年が過ぎました。長い歳月、民営化反対、解雇撤回闘争を強固に闘っている日本の鉄道労働者の皆さん、国鉄闘争全国運動の同志の皆さんに会えてうれしく思います。皆さんは、解雇された1047人の同僚たちのために、鉄道の公共性を守り民主労働組合を守るために険しい道をかけぬけ、今なお正しい道を進んでいます。
 私たち全国鉄道労働組合は今年、会社との交渉をとおして解雇者98人全員の復職をかちとりました。イミョンバク、パククネ政権の民営化政策で分離したスソ高速鉄道の統合についても大きな進展をつくりだしました。集団整理解雇されたKTX解雇乗務員も復職を目前に迎えています。KTX解雇乗務員はソウル駅でテント篭城(ろうじょう)をし、最高裁大法廷で篭城するなど強力な闘争を継続しています。鉄道非正規職労働者が正規職化を要求してソウル駅で篭城しています。全国鉄道労働組合は、こういうすべての闘争を支援し一緒に闘っています。
 私は韓国よりさらに困難な条件の中で民主労働組合を守った皆さんこそ、全世界の鉄道労働者の鏡だと思います。日本の労働運動を復活させることはできると信じます。
 私たち韓国鉄道労働運動も、30年前は少数の覚醒した先進的労働者から始まりました。労働組合指導部も御用指導部であり、政府鉄道庁、韓国労総の妨害と弾圧に屈せず闘争し、鉄道労働者の信頼と共通の意識を育んできました。労働組合を民主化した後には、継続したストライキ闘争で政権の民営化と公共性崩壊の試みを防いできました。
 ここにいる皆さんが日本の労働運動を強化するとき、種になってやがて実を結ぶと固く信じます。全国鉄道労働組合ソウル地方本部は、いつまでも動労千葉、国鉄闘争全国運動の同志たちと連帯して闘います。誇らしい鉄道労働者国際連帯の精神を継承していきましょう。闘争!

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