改憲反対勢への脅しを狙い ファシスト=オウムを処刑

週刊『前進』04頁(2957号01面02)(2018/07/16)


改憲反対勢への脅しを狙い
 ファシスト=オウムを処刑


 7月6日、安倍政権はオウム真理教の麻原彰晃ら7人の死刑を同時執行した。地下鉄サリン事件などでのオウムの死刑確定者は13人だが、そのうち7人を東京(3人)、大阪(2人)、広島、福岡の4拘置所で一斉に処刑したのである。
 これほどの同時大量執行は戦後最大規模である。戦前においては、日露戦争後の労働運動、農民運動の高揚に脅威を感じた日帝政府が「大逆事件」(天皇暗殺計画)をでっち上げ、1911年1月24日に幸徳秋水ら11人を、翌日に菅野須賀子を処刑した例がある。
 今回の処刑は、安倍政権による改憲・戦争、強権支配、天皇制強化の攻撃と一体であり、内乱鎮圧型の大攻撃である。日帝は大恐慌と争闘戦、階級闘争の激化に追い詰められ、労働者階級の怒りと闘いがプロレタリア革命に向かうことに恐怖し、それを恫喝する狙いで大量処刑を強行したのだ。

権力が左翼襲撃のため育成した集団

 オウム真理教は宗教の形態をとった反革命ファシスト集団である。1980年代後半、修養を重ねれば「解脱」し「空中浮揚」などの「超能力」を持てるなどという非合理的・非科学的なイデオロギーを掲げて登場した。やがて教団全体が武装化して生物・化学兵器を開発し、「ハルマゲドン」(人類最終戦争)を自作自演して、「人類が全滅してもオウムだけは生き残れる」などという反動的・反人民的な虚妄で信者を増やした。
 こうした思想は帝国主義者の腐りきった考えそのものであり、オウムはそうしたイデオロギー攻撃の反革命突撃隊であった。
 オウム真理教は階級的労働運動、学生運動を圧殺する勢力として権力によって保護・育成された。新自由主義の時代の階級社会の深刻な疎外・抑圧、非人間性と真っ向から対決するのではなく、逆にマルクス主義や階級的なものの見方、プロレタリア革命の思想と運動から青年・学生、人民を遠ざける役割を与えられて活動した。それゆえ大学では当時、オウムや原理研=勝共連合を打倒・一掃する闘いが激しく闘われた。
 日帝権力は革命的左翼の闘いや階級的労働運動を激しく弾圧する一方で、オウムの生物・化学兵器製造、工場建設、薬品や製造機械の購入、拉致・監禁、自動小銃密造、金品強要に対しては、何一つ根本的対策をとらず黙認した。それどころか、坂本弁護士一家殺害(89年)、松本サリン事件(94年)、VXガスを使った襲撃・殺害(94〜95年)などがすべてオウムの仕業であることを知りながら免罪した。その結果、1995年3月、労働者人民を無差別に大量虐殺した地下鉄サリン事件が引き起こされたのだ。

危機と腐敗深める安倍政権を倒そう

 このようにオウム真理教の存在とその悪行は、腐りきった日帝自身が生み出したものである。オウムを先兵とした階級闘争圧殺と治安弾圧の強化(破防法団体適用など)は、人民の闘いですべて粉砕されてきた。追い詰められた日帝権力は今日、オウム大量処刑を見せしめ的に強行することで労働者階級の怒りと決起を抑え、あわせてオウムと権力のおぞましい癒着の真実(隠されている事実が山ほどある)を大量処刑によって闇に葬り去ろうとしている。さらに来年の天皇代替わりと絡めて、天皇制に人民を屈服させる攻撃として行っている。また6人が再審請求中であるにもかかわらず死刑を執行したことは、星野闘争に追い詰められたものである。
 労働者階級はこんな恫喝に絶対に屈しない。革共同はここに日帝・安倍政権の絶望的な危機と凶暴化を見てとり、これまで以上の怒りと不退転の決意、戦闘性をもって安倍打倒・改憲阻止の闘いに総決起する。
 労働者人民、青年・学生の皆さん! 改憲阻止決戦に総決起しましょう。革共同はその先頭で闘います。

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