新やぐら裁判 土地買収の違法追及 NAAは求釈明に答えろ

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週刊『前進』04頁(2957号03面04)(2018/07/16)


新やぐら裁判
 土地買収の違法追及
 NAAは求釈明に答えろ


 7月9日、新やぐら裁判が千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で開かれた。この裁判はNAAが反対同盟に対し、市東さんの天神峰農地に建つやぐら・看板などの四つの物件の収去と土地明け渡しを求めて提訴したものだ。
 弁護団は前回、NAAによる市東家の小作地の底地買収について、①転用目的と言いつつ具体的事業計画がなかった、②小作人の同意がない買収だった、③空港公団(NAAの前身)は都内に住所を置く不在地主だった----と農地法違反の罪状を列挙し、「買収は無効」と断じた。
 これに対しNAAは、5月末に書面を提出。「農地売却が明らかになると地主・岩澤が反対派からの攻撃を受ける恐れがあるから隠していた」と言い捨て、あとは一切認否しないという居直り文書だ。
 農地法では、農業委員会が「不在地主」の違法を認めたら、「国が強制的にその土地を買収し現耕作者に最優先で売り渡すこと」と規定されている。この指摘に対しNAA文書は、「本件では国が買収した事実はない」と、ふざけた一言で済ませている。「安倍内閣の国会答弁で有名な〈ご飯論法〉と同等のごまかしだ!」と弁護団は弾劾し、「事実について逐一認否せよ」と鋭く迫った。
 またNAAは、土地取得にあたって地主と交わした「覚書」を証拠提出したが、部分的に墨塗りがされており、弁護団は全面開示を強く要求した。
 次回期日を10月1日とし、この日は閉廷した。
 千葉県弁護士会館で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団は、千葉地裁民事第5部・高瀬順久裁判長との進行協議を報告した。請求異議裁判での7月17日結審強行のもくろみを打ち返し、もう1回の弁論期日として9月27日の開廷を高瀬に認めさせた。したがって7月17日には「補佐人」として石原健二さん(農業経済学者)、内藤光博さん(憲法学者)2人の陳述と弁護団の弁論が、9月27日には弁護団の最終弁論と市東さんの最終意見陳述が行われる。
 最後に太郎良陽一さんが、反対同盟主催の10・14全国総決起集会への大結集を呼びかけた。

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7・17請求異議裁判・千葉市内デモ
 7月17日(火)正午 千葉市中央公園集合
 午後2時開廷 千葉地裁

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