全国学生は立ち上がろう 9・1〜2全学連大会へ

週刊『前進』02頁(2958号01面01)(2018/07/19)


全国学生は立ち上がろう
 9・1〜2全学連大会へ

(写真 昨年の全学連大会)

 9月1、2日、東京都内で全学連の第79回定期全国大会が開催されます(本紙2955号に招請状)。安倍政権がこの9月に始まる臨時国会で改憲の国会発議へと踏み込もうとする中、全国の学生が一堂に会して議論し、団結し、改憲阻止の行動を開始する出発点として、全学連大会へのみなさんの参加を呼びかけます。

改憲阻止し社会を変える闘いを
 全学連委員長(法政大学) 斎藤郁真さん

 全学連大会の大テーマは改憲阻止です。多くの学生に参加を呼びかけます。
 憲法が変わる----そう聞いてみなさんは何を思うでしょうか。不安を感じる人もいるでしょうし、何か新しい時代が始まるかのような気分になる人もいるでしょう。しかし最も多いのは、「それで?」という率直な疑問ではないでしょうか。今を生きる若者にとって、憲法が無意味なものに感じられることも多いでしょう。「最低限度の生活を保障」してほしければ、「言論の自由」がほしければ、一言でいって人権がほしければ私たちは自分が属している社会の中で何かしらの実力を示さなければいけない。学力か、体力か、財力か、ともかく力を見せる必要がある。それは多くの学生にとって紛れもなく人生における当然の教訓であったでしょう。理不尽な目にあったとき、周りで理不尽なことがあったとき、憲法が助けになったでしょうか。
 それでも憲法が現れる瞬間がある。それは大きな力を持った理不尽に対して私たちが立ち上がったときです。労働三権は闘いに立った労働者の武器であり、憲法9条は戦争にメリットを見出す連中との闘いの結集軸となってきました。憲法に意義を与えてきたのは結局、人間自身の力なのです。希望は武器にあるのではなく、それを使う人間の姿にいつもありました。私たちは今こそ権利の原点に、より良い世界を求めて生きる荒々しい人間の行動に光を当てるべきです。
 政権与党をはじめ改憲派は憲法を変える理由として何と言っているか。いわく「押しつけ憲法」「日本人の価値観に合わない」「時代に合わない」と。では問いましょう。今の日本に、今の時代に合うものとは何でしょうか。横行する政治家の腐敗、子どもを育てることすらできない社会環境、まともに生きていけない労働条件、生まれた瞬間のスタートラインの圧倒的格差......これらは合わせるべきものではなく、壊すべきものです。
 私は、現憲法が理想を体現したものだとは思いません。9条は「戦争放棄」をうたっていますが、本当に戦争をなくすためには、戦争を必要とするような社会そのものを変えなければならないのです。
 それとは逆に、安倍政権が狙う改憲は戦争するためのものであり、まったく容認できません。
 必要なのは憲法を変えることではなく、私たち自身が社会を変えるために闘う方法を学ぶことです。共にその道をつかみとろう、全学連大会で!

学問と大学を学生の実力で守る
 東京大学 高原恭平さん

 私は東京大学の教養学部学生自治会で活動したことがあり、副自治会長も務めました。その数年間の経験を踏まえ、全国の学生に全学連大会への参加を呼びかけます。
 いま、日本の大学が危機に直面しています。特に2004年の国立大学法人化以降、大学運営のあらゆる面で政府の干渉が強化され、大学の政府への従属が強まっています。国立大学の運営には「経営協議会」という形で堂々と大企業役員や天下り官僚が関与し、15年度からは軍事研究制度が公然と始められました。学問・真理を探求する場としてあった大学が、改憲・戦争扇動や排外主義扇動と軌を一にして、国策遂行・戦争協力のための場へと根本的に転換しています。そして、学生も学問の担い手という主体的存在から、企業や国家に従順な存在へとおとしめられています。大学の転換の中で、サークル活動への規制、カリキュラムの締め付け強化など、学生の管理教育も復活しつつあるのです。
 どうすれば、学問・大学の変質を止められるのか? それは、学生が実力闘争に立ち上がる以外にありません。50年前、ベトナム反戦闘争と学生の運動とが結びついたとき、日大・東大闘争を先頭に闘いは爆発し、管理教育を粉砕しました。サークル棟の存在、自由なサークル活動や宣伝活動など、学生の権利の陰にはどこの大学でも先輩たちの実力闘争があります。学生と大学当局との間の対話や交渉とは、圧倒的権力を持つ大学当局を対話に応じさせる学生の実力闘争あってのものです。
 政府に抗して学問を取り戻す----これは非常に困難な事業に見えるかもしれません。しかし、人間の歴史とは困難を乗り越える闘いの蓄積です。いまの社会も学問も、先人たちの困難な挑戦の上にあります。
 あなたが全学連大会に参加すること、それは小さな一歩です。しかし、その一歩は全国の学生と結びつく中で、大きな飛躍へと変わります。処分・弾圧を恐れ本音も言えずに一生を終えるのか、それとも志を共にする仲間と団結して社会を変える歴史的闘いに参加するのか。あなたが小さな一歩を踏み出すことを望みます。

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