8・6ヒロシマ大集会の発言から

週刊『前進』04頁(2963号02面01)(2018/08/13)


8・6ヒロシマ大集会の発言から

(写真 8・6ヒロシマ大集会の全参加者が、改憲・核戦争阻止へ団結ガンバロー【8月6日 広島市】)

開会あいさつ

ノーモア安倍!終わらせよう
 8・6ヒロシマ大行動共同代表/被爆者/キリスト者 吉原美玲子さん

 今年は8・6ヒロシマ大行動が始まって20年となります。被爆者の平均年齢も82歳を超えました。毎年ここに立ってこられた被爆者の下田礼子さんの思いを引き継いで、少しでも多く被爆体験を語り、核兵器禁止条約に日本が一刻も早く加盟するように訴え続けたいと思います。福島第一原発事故から7年半が経過しましたが、政府は原発事故などなかったかのように扱い、今回の西日本豪雨災害でも住民の命をないがしろにして改憲・戦争に精を出しています。安倍政権に対して憤懣(ふんまん)やる方ない思いです。今日、私は憲法9条のTシャツを着てきました。ノーモアヒロシマ、ノーモア安倍政権。思い上がった自民党政治を終わりにさせましょう。

基調提起

改憲・戦争阻止の結集軸になろう
 8・6ヒロシマ大行動事務局長/広島連帯ユニオン 宮原亮さん

 西日本大水害で200人を超える人命が奪われました。新自由主義による地方切り捨て、公務員削減の結果です。国家による犯罪です。改憲とは軍事優先の国家への転換であり、今まで以上に労働者民衆の生活や安全に直結する予算は削られるのです。一日も早く安倍政権を打倒しましょう。
 安倍は臨時国会で改憲発議を狙っています。憲法に自衛隊を明記し、「自衛」の名のもとに侵略戦争をやる。「緊急事態」の項目であらゆる反戦運動、労働運動、学生運動を暴力でたたきつぶす。こういう改憲案を出そうとしています。
 世界戦争・核戦争の危機が迫っています。朝鮮半島も「和平プロセスの開始」などではなく、トランプ政権はいつでも先制核攻撃に突っ込む選択肢を捨てていません。この情勢の中で、安倍政権は「核を持ち、戦争ができる国家にしなければ延命できない」と改憲へ激しく動いているのです。
 8・6に取り組む団体の中で、改憲絶対阻止を正面から掲げているのはヒロシマ大行動だけです。今日をスタートに改憲・戦争絶対阻止の旗を全国に打ち立て、あらゆる人びとの結集軸になって闘いましょう。
 昨日、私たちは国際反戦反核集会を開催しました。労働者階級が軸となった国際的な団結をつくりだす第一歩を踏み出しました。ムンジェイン政権下で真の社会変革に向かって闘う韓国の仲間から徹底的に学び、国際連帯をさらに強化していきましょう。
 改憲とは国のあり方の全面的転換です。外に向かって戦争をやると同時に、国内の労働者民衆の権利を奪い、労働者を死ぬまで低賃金で働かせるものです。職場やキャンパスにあふれる怒りを一つにして、団結をつくりだしましょう。

国際連帯アピール

サード配備撤回を必ず実現する
 韓国/サード配備撤回ソンジュ住民対策委員会ソソンリ対策本部長 パクチョルジュさん

 光化門ろうそく国民によって不正と腐敗の大統領・パククネが弾劾されましたが、パククネは弾劾の渦中にもサード(高高度迎撃ミサイルシステム)を配備しました。これはムンジェイン政府でも同じでした。「一から再検討する」と公言しましたが、サード1基の発射台の「臨時」配備完了を指示しました。
 私たちの闘争は一瞬も止まらなかったので、韓・米当局が終わらせようとしていた完全配備と稼働を不可能にさせました。私たちは大韓民国、さらには東アジアと世界の平和を揺るがすサードを、無用化させる闘いをやめませんでした。
 国家の不法と暴力の前に平和な身一つで闘ってきた「サードは必ず撤回される」という信念が、まもなく実現されそうです。「いかなる武器でも平和を成し遂げることはできない」という真理に基づいて闘っているからです。戦争と核兵器の悲劇を誰よりも痛切に記憶する隣国日本の、平和を愛する多くの応援に感謝を申し上げ、世界の完全な平和のため、その日まで手を握って共に闘っていきましょう。(8・5広島国際反戦反核集会での発言)

帝国主義を倒し人民に権力を!
 アメリカ シンディ・シーハンさん

 2016年、アメリカの前大統領であるオバマが、広島にやってきました。この日、オバマは「核のない世界」ということを言ったわけです。にもかかわらず、1兆㌦の予算をつぎ込んで、保有する核兵器とか大量破壊兵器をより高性能にするということを認めたのです。
 私はペンタゴンへの女性たちのマーチを組織している約1千人のアメリカの女性を代表して参加しています。誓いたいことがあります。それは原子力も核兵器もない世界、そしてアメリカ帝国主義をはじめとした帝国主義からの全世界の解放、資源を独占し人びとを食いものにしている「命よりカネ」の資本主義からの解放をかちとるために活動しているすべての人びとと連帯することです。
 1945年以降、原爆が使われていないのはなぜか。「核抑止力」などではない、広島で何が起こったのか、この記憶こそが原爆使用を止めてきたのです。
 帝国主義を倒しましょう。アメリカ帝国主義を倒しましょう。日本帝国主義も倒しましょう。そして人民に権力を!(8・6ヒロシマ大集会での発言)

改憲と核戦争とめよう

無実の星野文昭さんの解放を
 婦人民主クラブ全国協広島支部 宗藤信江さん

 シンディ・シーハンさんをアメリカの次期大統領に推薦したいと思いました。私は1933年生まれで、戦争の悲しい思い出は一晩中話せるほどたくさんあります。一昨年亡くなった夫は、広島原爆の爆心地から1・2㌔の自宅で被爆しました。左手は5カ所の大きな傷ができ、頭と背中はガラスが刺さり、血だらけで似島まで逃げたそうです。それと今日は沖縄のことを話したいと思います。核抜き・本土並みが沖縄返還の条件でしたが、すでにアメリカは沖縄に核兵器を配備していました。その時の渋谷デモで、無実の星野文昭さんは43年も監獄に入れられてます。私たちの団体は星野さん解放を訴えて運動しています。星野さんの一日も早い解放へ、みなさんのご理解をお願いします。

全世界と連帯し核のない世界を
 広島の弁護士 新川登茂宣さん

 ここに結集されているみなさんは、安倍内閣の打倒とか人類の歴史を前進させるといった思いを実際に行動に出しており、私にとって非常に大切な存在です。今、北朝鮮の核・ミサイル開発が非難されますが、最も核軍縮をしなければならないアメリカは放置され、安倍内閣はトランプと一緒に武力による威嚇と経済制裁をわめきちらしています。峠三吉さんの詩にある「この閃光(せんこう)をけっして忘れ得ない」という言葉を肝に銘じなければならない。全世界の労働者人民と連帯して核のない世界をかちとりましょう。

(写真 左から日教組奈良市、広島の教育労働者、神奈川県三浦半島地区の教育労働者が登壇)

教育労働者の存在をかけた闘い
 広島の教育労働者 平野綾子さん

 先日、研修の帰りに、新規採用3年目の青年労働者が言いました。「市教委が原点回帰を言うけれど、僕らだって子どもとかかわりたいけれど、時間がないじゃないですか」「それを言うなら社会人としての原点をどうにかしてほしいですよ。手当もなしにサービス残業させて、この超勤なんとかしろよ、と言いたい」
 青年労働者は純粋に、新自由主義の教育なんかいやだ、やらされる教育はもう我慢がならないと思っています。そういうやらされる教育の最大のものは戦争教育です。戦争・改憲阻止は教育労働者の存在そのものをかけた闘いだと思います。改憲・戦争阻止!大行進に、すべての教育労働者が立ち上がることを確信し、一緒に闘います。

(写真 左から自治労倉敷の百本副委員長、自治労広島市労組の福井委員長、愛媛県職労の宇都宮理委員長が登壇)

「二度と赤紙は配らない」が原点
 自治労広島市労働組合委員長 福井利明さん

 まず、朝の原爆ドームでの攻防ですね。原爆ドームには多くの被爆者が眠っている。ああいう核武装を推進する右翼を実力でたたき出して平和をかちとっていくんだと思います。
 私どもの組合では、核実験が行われるたびに原爆慰霊碑の前で抗議をやってまいりました。多くの被爆者の犠牲の上にある平和憲法を破壊しようとする安倍に対して、全身の怒りで打倒しなければいけない。自治労は「二度と赤紙は配らない」が、戦後の労働運動の原点だった。反戦平和、これが闘える労働組合をもう一度つくっていきたい。

被災地・真備町から

51人亡くなった豪雨災害は人災
 自治労倉敷市職員組合副委員長 百本敏昭さん

 先月の大豪雨に対する全国からのご支援、本当にありがとうございます。
 あの災害ははっきりと人災です。小田川は管理が非常に不行き届きで、中小河川は20年以上管理がされず、1990年と比べて河川予算は3分の1です。
 13年前に市町村合併して、真備町は倉敷市になりました。旧真備町ならすべての河川に職員が行って、水位の状態を把握し避難勧告や避難指示を出していました。しかし、合併後は河川管理をすべき二つの課にはそれぞれ12人しかいません。正規職は9人で当日に集まったのはそれぞれ3人でした。
 51人の人命が失われました。死ななくても良かった人間です。許せません。
 組合員は通常の仕事プラス避難対応の仕事をやっています。組合の団結を固め、この世の中を変革する力にしたいと思います。

高陽は今も生きるための拠点
 高陽第一診療所労組委員長 森末一義さん

 7月8日、私たちの組合はふくしま共同診療所の杉井先生を招いて「止めよう改憲!戦争と被ばくを許さない!高陽集会」を45人の結集でかちとりました。高陽第一診療所は被爆者・被爆2世が国の切り捨てに絶対反対で闘うために、労働者のカンパで建てられました。労働者が生きるための拠点として今も存在しています。
 核と人類は相いれない。ヒロシマ・ナガサキを絶対に繰り返すな。反戦反核闘争が本当に必要な時代が来ています。高陽の地区で改憲・戦争阻止!大行進の実行委員会をつくる決断をしたい。職場やキャンパスで闘いを拡大しましょう。

総力で芸備線を守る闘いに立つ
 動労西日本委員長 大江照己さん

 今年の春、広島県から島根県の三江線100㌔以上の営業路線が廃止されました。さらに水害で芸備線が廃止の危機にさらされています。芸備線の鉄橋が流されたのは、JRが鉄道の安全や車両の老朽化に対する保守・メンテナンスを手抜きしているからです。組合の総力で芸備線を守る闘いに立ち上がりたい。JRは貨物列車の山陰線へのうかいを検討していますが乗務員の教育もゼロからです。
 動労西日本は三つの大きな闘いを行っております。広島印刷事業所廃止に対する裁判闘争。メンテックというJR関連職場の組合員が入社1カ月で解雇されたことへの労働委員会闘争。駅の職場での時間外サービス労働の拒否闘争。闘って鉄道の安全を守ることが動労西日本の使命です。

ストで第3の分割・民営化粉砕へ
 動労千葉副委員長 繁沢敬一さん

 被爆73周年。あらためて改憲と核戦争をとめるためにこの秋と11月の労働者集会、改憲阻止大行進を1万人をこえる闘いでつくって安倍政権打倒へ突き進んでいきたいと思います。
 JRでは、乗務員勤務制度の改悪が提案され、来年3月にも実行されて殺人的な労働強化がされようとしています。鉄道会社としてのあり方を根本から変える攻撃です。地方ではワンマン運転を推進して分社化や第3セクター、廃線化の攻撃です。ストライキでこの第3の分割・民営化攻撃を粉砕するために闘います。

閉会あいさつ

私たちこそ社会を変える存在
 8・6ヒロシマ大行動共同代表/安芸太田町議会議員 大江厚子さん

 結集されたみなさん、2日間の闘いおつかれさまでした。私は安倍・トランプなど権力への怒りはますますつのりましたが、すがすがしい気持ちです。ストレートに大胆に、一途にまったく妥協のない私たち労働者民衆の闘い、被爆者の闘いこそがいま核戦争の危機を前にして絶対的な力を持つと確信できたからです。
 資本主義体制維持のためにつくり出された国際機関や議員や議会ではだめです。私たちこそがこの社会を変えることのできる唯一の存在です。今から熱いデモに出たいと思います。
 ヒロシマの闘いの高揚をもって長崎へ。さらに改憲・戦争阻止!大行進へ向かっていきましょう。

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