乗務員勤務制度解体許すな 8・25動労総連合総決起集会へ

週刊『前進』02頁(2966号02面03)(2018/08/23)


乗務員勤務制度解体許すな
 8・25動労総連合総決起集会へ


 動労総連合は8月25日、乗務員勤務制度改悪阻止を掲げて総決起集会を開く。この集会に結集し、改憲阻止の9月大決戦へ、団結と態勢を固めよう。

労働者と乗客の命奪う「片手間乗務」

 JR東日本がたくらむ乗務員勤務制度の改悪は、朝夕のラッシュ時間帯に短時間行路を設定し、支社課員や育児・介護のために短時間勤務を希望する社員に、その行路を割り当てるというものだ。支社課員らに運転士の仕事を「片手間」でやらせたら、鉄道の安全は根本から破壊される。これは、乗務員勤務制度自体を解体する攻撃だ。
 国鉄分割・民営化直後の1988年12月、東中野駅に停車していた電車に後続の電車が追突し、運転士と乗客の計2人が死亡する大事故が起きた。国鉄分割・民営化の直前、国鉄当局は動労千葉の組織破壊を目的に、津田沼電車区の業務を三鷹電車区に移管する攻撃を進めた。その結果、線区に習熟していない三鷹電車区の運転士が総武緩行線を運転することになった。JRが強行したスピードアップと重なって、この事故は起きた。
 支社課員に運転もやらせるという今回の提案は、東中野駅事故を上回る大事故をもたらすものになる。
 この攻撃はまた、乗務員を大幅に削減し、とてつもない労働強化を強いるものだ。JRは「本線乗務員が標準数を下回っても、支社課員などが乗務すれば業務運営できる」「これからは標準数100に対して90人でいい」と公言している。
 これまでどおり乗務割り交番に従って勤務する労働者に対しては、拘束時間が延長される。他方で折り返し待ち合わせ時間などは短縮され、往路を運転してきた運転士は、あわただしく復路に乗務しなければならなくなる。それをJRは「実ハンドル率を上げる効率化」と唱えている。
 今でもすでに運転士の労働は過酷だ。運転士が乗務中に倒れる事態が頻発している。これ以上の労働強化は、まさに乗務員の命を奪うものになる。

「労組のない社会」などつくらせない

 JR東日本が7月に打ち出した経営計画「グループ経営ビジョン『変革2027』」は、「ドライバレス運転の実現」を公然と掲げた。列車を無人運転化し、運転士や車掌を単なる「輸送スタッフ」にするというのだ。乗務員制度の解体は、無謀きわまる無人運転への本格的な踏み込みだ。
 この攻撃を最悪の形で促進しているのがJR東労組だ。東労組は、7月に出した職場討議資料で「8月に本社・本部間で妥結」というスケジュールを公表し、8月10日に最終の申し入れをJRに提出した。その中身は、支社課員による「片手間乗務」も含め、資本の提案の全面的な受け入れを前提にしたものだ。
 資本によって解体の対象とされているからこそ、東労組幹部は「会社の施策に正面から向き合う」とJRに泣きついている。東労組の8月裏切り妥結を断じて許してはならない。
 JR資本は、国鉄分割・民営化に協力し、JRの外注化・合理化の手先になってきた東労組さえつぶして、JRを「労働組合のない会社」にしようとしている。JRでこの攻撃がまかり通れば、それは全社会に拡大される。
 東労組の解体をJR資本に指示したのは首相官邸だ。これはまさに改憲攻撃だ。戦争を遂行できる国家体制は、労働者の団結と抵抗力を根こそぎ奪うことによって初めて成り立つ。3万人以上の労働者が労組未加入となっているJR東日本の現状は、それが現実化されつつあることを意味する。だから、この状態を覆す闘いが絶対に必要だ。
 一見、諦めが労働者を支配しているように見えても、労働者の資本への怒りが消え去ることなどありえない。乗務員制度解体阻止の闘いは、その怒りを掘り起こし、職場に団結をよみがえらせる闘いだ。それは改憲阻止闘争そのものでもある。
 8・25動労総連合総決起集会に集まろう。

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乗務員勤務制度改悪阻止!
動労総連合総決起集会
 8月25日(土)午後5時30分
 千葉商工会議所14階 第1ホール(千葉市中央区中央2―5―1)
 主催 国鉄動力車労働組合総連合

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