各地で改憲阻止!大行進がスタート

週刊『前進』04頁(2967号02面01)(2018/08/27)


各地で改憲阻止!大行進がスタート

 安倍が改憲発議を宣言したことに怒りを燃やし、改憲・戦争阻止!大行進運動が関西、群馬、東京北部で意気高く結成されました。また、福島と東京西部でも大前進を開始しています。各地の取り組みを紹介します。(編集局)

関西
 港合同、動労西日本を軸に
 20団体が参加し結成大会

(写真 大行進・関西の結成大会を開き、地域丸ごとの決起をつくりだす挑戦にうって出ることを決意【8月19日 大阪市】)

 8月19日、改憲・戦争阻止!大行進・関西の結成大会が大阪市内で開催され、大行進運動が関西でもスタートしました。会場には、全国金属機械労働組合港合同と動労西日本を先頭に、日教組奈良市や高槻医療福祉労働組合など、関西一円から20団体が集まり大盛況となりました。
 「3・25大行進inHIBIYA」を受けて、関西では国鉄闘争全国運動・関西が中心となって、大行進運動の結成へ準備してきました。この会議で、改憲・戦争阻止!大行進は、国鉄闘争が守りぬいてきた階級的労働運動を土台に、全国にあふれる改憲・戦争への怒りを束ねていく運動であることをはっきりさせ、闘う仲間に8・19結成大会への参加を呼びかけました。
 結成大会では、まず冒頭に大行進・関西の代表代行として木下浩平・港合同執行委員があいさつしました。木下代表代行は「改憲・戦争は労働組合をめぐる問題だ。UAゼンセン大会が改憲推進の大会になろうとしているなど、秋に向けて労働運動が大きく揺れ動いていく。今こそ闘う労働組合が先頭に立って、改憲・戦争阻止の運動を立ち上げよう!」と力強くアピールしました。
 次に、動労西日本の橘日出夫・近畿支部副支部長が運動のイメージと方針について、「大行進運動は拠点を軸に地域全体を獲得していく闘い。労働組合や運動団体など、今ある運動の担い手が軸となって、各地域に実行委員会を立ち上げ、地域獲得にうって出よう」と鮮明に提起しました。
 討論では、会場から次々と手が挙がり、計16本もの発言がなされました。
 8月10日に「はだしのゲン」上映会を企画し、70人近くの参加をかちとった泉佐野からは、中川育子さんが「5月の泉佐野市議選から、7・8関空闘争、8・10上映会と一体で闘いぬくことができた。改憲・戦争阻止を据えた取り組みで、確実に地域の運動が前進している」と語られました。また、前日の8月18日に「つながって戦争も改憲もとめよう!八尾北夏祭り」を開催し、300人を超える参加者を集めた八尾北からの参加者が「若い親子連れなど、新しい人が多数参加してくれている。夏祭りに向けて4回も実行委員会を重ねてきた。ここで戦争情勢について真正面から議論したことが決定的に重要だった」と発言されました。さらに、全学連を含め参加者が次々と改憲・戦争阻止!大行進運動の具体的なイメージを話し、運動の展望を強く感じるものとなりました。
 結成大会は木下代表代行のまとめと団結ガンバローで締めくくられました。
 大行進・関西は、拠点を軸に地域丸ごとの決起をつくり出す挑戦にうって出ます。それは、地域ソビエト建設をも展望する取り組みといえます。
 安倍が8月12日に臨時国会での改憲発議を明言したように、この秋は戦争か革命かを決する大決戦です。全国に大行進運動を立ち上げ、安倍の改憲・戦争攻撃を革命に転化しましょう!
(大行進・関西事務局 冨山小太郎)

「大行進・ぐんま」が発足
 群馬合同労組、宗教者先頭に

(写真 大行進・ぐんまの発足集会の後、群馬合同労組と宗教者を先頭に高崎市内行進【8月19日 高崎市】)

 「戦争・改憲を考える8・19みんなで歌い、リレートーク集会」が、高崎労使会館に31人が集まって開催されました。
 司会の田島咲乃さんが「今日は少し硬いテーマなので、ほぐしてから始めましょう」と合唱をして、初めて顔を合わせる参加者の多い会場が和やかになる中で集会が始まりました。
 リレートークは反原発高崎駅金曜行動(タカキン)を主催する大塚正之さん、倉渕ダムを中止させた高階ミチさん、玉村町議の石川眞男さんに続き、在日の仲間が「戦後直後は『敗戦・終戦』ではなく『解放の日』でしたが、アメリカの介入・朝鮮戦争と続きました」と、昨年やっと祖父と会えた感動を語りました。
 九条の会の活動家、「九条を守る宗教者ネットをつくろう」という僧侶、入管体制と闘う方、群馬合同労組の副委員長が「ヘイトや差別は戦争への攻撃。これと労働者の団結で闘おう」と訴えました。まとめに、群馬合同労組の清水彰二委員長が「ゼネストのできる労働組合をつくり、国際連帯の力で勝利しよう」と呼びかけました。
 結成宣言(案)を拍手で確認し「改憲・戦争阻止!大行進・ぐんま」の発足を宣言して閉会しました。
 高崎城址公園に移り、「宗教者平和行進」の横断幕と群馬合同労組の宣伝カーを先頭に126人が高崎市内行進に出発しました。
 この日の結成に向かって一番重要だったのは、群馬合同労組が呼びかけをしたことでした。毎月の相談会と、資料の毎週発行を2カ月半積み重ねました。職場で闘う労働組合の存在が在日の仲間との信頼関係もつくりました。第二に、戦争への怒りに依拠したことです。出会った人が戦争の悲惨さを昨日のことのように語る場面が続き、結成にいたりました。第三に、青年・女性が全体をリードしたことが最後の動力になりました。
 安倍の改憲攻撃に先んじて、「大行進」をどんどん結成しましょう。
(大行進・ぐんま事務局)

福島
 根津公子さんを招き集会
 教育労働者の交流深める

(写真 根津公子さんが「闘いきれば、絶対に負けない」と自分の経験からつかんだ確信を話した【8月18日 郡山市】)

 8月18日、動労福島の橋本光一委員長らが呼びかけて、「教え子を再び戦場に送るな!改憲と戦争教育を許さない!根津公子さん講演集会」が郡山市内で開催され、40人が参加した。
 東京で「君が代」不起立を闘った根津公子さんは、「戦争は学校から始まる」として、「日の丸・君が代」の強制、オリンピック・パラリンピック教育や道徳の教科化、教員管理や評価制度、過労死ラインの長時間労働の現実などについて怒りを込めて批判し、「闘いきれば、絶対に負けない」と自身の経験からつかんだ確信を語った。
 会場からは、地元の教組の組合員が「病休・産休の補充もこない」「とにかく時間がない、休みもない、それで『目標貫徹』『成績上げよ』と言われる」とブラックな学校の実情を訴えた。3月に再任用を終えたばかりの神奈川の元教員が前日に郡山駅前でチラシを受け取り参加した。彼女は「隣の東京の根津さんの闘いは組合で話題になっていた。聴きに行かなくちゃと思って来た。侵略の歴史など本当のことを伝えたいと思って教員になった根津さんはすごい」と述べた。
 集会後の交流会でも話は尽きない。「教組の役員をやってるが、現場は忙しすぎて戦争や憲法の話なんてみんな考える余裕がない、心が折れそうになる。根津さんのようには闘えない」という組合員に、根津さんが「言い続ければ、今は見えなくても必ず響いている。信頼してあきらめないことだよ」と肩をたたく。すると「根津さんの話を聴いて、忘れかけていたものを取り戻した思いがする」と。そうしたやり取りに全体が力をもらう集会と交流会だった。
 集会の実行委員長の橋本光一さんは「改憲と戦争に突き進み、20㍉シーベルト基準で被曝と帰還を強制する安倍を倒すために、改憲・戦争阻止!大行進運動をともにつくりましょう」と呼びかけた。
 国鉄闘争とともに、教育労働者が改憲・戦争に絶対反対で闘う軸になる必要があることがあらためて鮮明になった。労働者が全力で教組をはじめ労組のオルグに入り、福島診療所建設委員会の佐藤幸子さんや椎名千恵子さんは、保養に参加しているお母さんたちを集会に組織しようと全力で取り組んだ。福島で改憲・戦争阻止!大行進運動の展望が開ける集会だった。
(福島・遠藤義人)

東京北部
 「君が代」被処分者迎え結成
 各区に実行委拡大へ

(写真 大行進東京北部実行委員会を結成。教育労働者とともに地域から改憲を阻止する行動が始まった【8月17日 練馬区】)

 8月17日、練馬駅前「ココネリ」に55人が集まり、改憲・戦争阻止!大行進東京北部実行委員会が結成されました。3カ月にわたる準備会での「労働組合を軸に地域でのつながりを」の論議と実践が、「君が代」不起立被処分者の根津公子さんと田中聡史さん(練馬区内の特別支援学校教員)を迎えての結成集会として結実しました。
 集会の冒頭に、実行委員会呼びかけ人で「君が代」被処分者の岡田英顯さんがあいさつ。
 「君が代」不起立で計10回の処分を受けている田中聡史さんは「校長のトップダウンの強化、防災訓練における自衛隊との連携など、学校現場が軍隊に近い組織に変えられている。小池都政の極右路線を許してはいけない」と不起立闘争支援を訴えました。根津公子さんは「道徳の授業とオリンピック・パラリンピックの授業が週2回もあり、学校が愛国心を持たせる場になっている。学校に声を届けてください」と教育労働者と地域の結合を訴えました。百万人署名運動東京北部連絡会の五條敦代表が「安倍は安保戦争法の時以上の強権でゴリ押ししてくる。『発議を許したら一巻の終わり』ぐらいの覚悟で闘おう」と気迫を込めて提起しました。
 練馬区内の陽和病院で、新賃金制度導入反対闘争の渦中の一陽会労組の坪井静委員長は「連日の闘争で、職場の雰囲気が変わった。労働者は必ず立ち上がると確信した」「『教え子を再び戦場に送るな』の闘いと『命を守る』先頭に立つ医療福祉労働者が階級として一つになり、絶対に戦争を止める」と宣言しました。
 集会の前段に、青年が沖縄・広島闘争と横田基地現地調査報告を行いました。
 結成宣言と方針提起を受け、8月29日実施のJアラート訓練に反対して22日に練馬区役所へ申し入れが行われるなど、各区地域ごとの実行委員会形成と実践が直ちにスタートしました。
(東京北部労組交流センター・川原成雄)

東京西部
 キャラバンで地域回ろう
 行動方針巡り討論会

 東京西部では、4月から改憲・戦争阻止!大行進を進めるための「改憲とめる波をここから」討論会と行動を毎月積み重ねてきた。8月18日、具体的な行動へ向けた討論会を行った。冒頭、東京西部ユニオン北島邦彦副委員長が「労働運動をはじめ、あらゆる運動、人びとを結集する大運動にしよう」と提起した。
 司会の青年が「仲間のため、自分のために共に生きられる社会をつくるのが闘う労働組合でありユニオンだ」と切り出した。学生時代に70年安保闘争・全共闘運動を経験した住民は「運動は強いインパクトがあればどんどん集まる。人間性を奪う戦争は決してしてはいけない」と応えた。
 医療労働者は、戦時医療に向け患者・高齢者を切り捨てる医療、金もうけ優先で医師や看護士がやめていく医療を変える闘いを始めていることを報告。自治体保育労働者は議員の杉田水脈(みお)が以前から「保育所は共産主義の洗脳教育の場だ。子育ては家族の責任だ」と言い、民営化推進の極右でもあると暴いた。星野暁子さんが「星野奪還闘争は改憲阻止!大行進と一体で闘って勝利できる」と訴えた。
 行動方針としてユニオンを先頭に改憲阻止キャラバンで、UAゼンセン傘下の職場・労組も含めて地域のすみずみまで回ろうと決めた。初参加の被爆2世の女性は「本当に切望してきたことが聞けた。ここで生き直すことができる」と語った。西部ユニオンが闘いの中心になろうと感じる討論会となった。(東京西部ユニオン・山本)

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