韓国・全国期間制教師労働組合慶尚支部長 ソブンスクさんが熱弁 核も戦争も非正規職もなくそう

週刊『前進』02頁(2968号02面02)(2018/08/30)


韓国・全国期間制教師労働組合慶尚支部長
 ソブンスクさんが熱弁
 核も戦争も非正規職もなくそう

 韓国の全国期間制教師労働組合慶尚(キョンサン)支部長でルポライターのソブンスクさんが、8・9長崎反戦反核集会(主催/NAZENナガサキ。本紙2964号で既報)で行った発言を紹介します。(編集局)
 聞け、韓国の民衆の声を!  戦争に反対する!
 核に反対する! 非正規職労働に反対する!
 非正規職労働の問題、原発が起こす核爆発の問題、米国と北朝鮮、韓国の保守政権が引き起こす戦争の問題が、韓国社会では別々ではなく、総体的に同じ問題として論議されています。
 これらの問題に対する激しい抵抗こそが、2年前のパククネ弾劾へと発展したろうそく集会です。
 当時、野党・民主党の国会議員だったムンジェイン大統領は、最初はパククネ大統領弾劾に反対しました。民衆たちの抵抗が激しくなるや、ようやく弾劾に加わり、ついに大統領の座に就きました。
 彼は、最初は民衆の要求に敏感でした。彼は非正規職労働者を正規職化し、古里(コリ)原発5、6号機の建設を全面的に見直すと宣言していました。慶尚北道星州市韶成里(キョンサンブクト・ソンジュシ・ソソンリ)へのサード配備も見直すと言っていました。

サード配備と闘う

 南北の平和と統一を期待していた住民たちは、実は南北首脳会談が行われた瞬間、誰よりも喜んで拍手をしました。サード基地には、この村の人々の墓があります。先祖代々、祭祀を執り行ってきた伝統的風習が、昨年から禁止されました。南北首脳会談が行われ、サード問題が解決されれば真っ先に両親の墓参りをしたいと言っていた人々は、そこに行くことができないのです。
 私たちは今、サード配備と南北首脳会談の目的を疑っています。米国が韓半島に永久駐留するための大義名分だと考えられます。サード配備のために、韓国政府が米国に無償で提供した土地は数十万坪です。これで米国は、京畿道平沢(キョンギド・ピョンテク)、済州道江汀(チェジュド・カンジョン)基地まで含めて、アジアを占領する陸軍、海軍、空軍の軍事基地を確保しました。
 今日もソンジュと金泉(キムチョン)では「サードを撤去して平和を植えよう」「北朝鮮の核の脅威は消えた。ムンジェインは直ちにサードを撤去せよ」というスローガンを住民は叫んでいます。

古里原発の閉鎖を

 古里原発地域は、世界的に原発が密集しています。古里5、6号機が建設されたなら10基の施設が存在することになります。
 さらに近隣の月城(ウォルソン)原発には、6基の原発施設があります。2016年に起きた震度5・8の強震の影響が直接及んだ地域です。地質研究者によると、月城とその周りの原発は活断層の上に建設されているため、震度7・0以上の地震も発生しうる地域であり、非常に危険だと言われています。
 古里原発の近くには300万人以上の人々が住んでいます。地域住民の80%以上が原発の閉鎖を望んでいます。その願いは、韓国民衆のろうそく集会にもそのまま込められています。
 しかし、ムンジェイン大統領は、建設計画の白紙化という公約を履行しませんでした。建設公論化委員会という機構を作って、なんと住民自らに建設計画を決定させたのです。
 しかし、韓国の民衆たちは、原発全廃への希望を捨ててはいません。

労働に国境はない

 福島原発事故で復旧に従事した労働者の多くが非正規職労働者だということを韓国人は知っています。
 韓国では現代(ヒョンデ)自動車のような製造業だけではなく、教育、鉄道、航空などに携わる非正規職労働者がたくさんいます。
 ある教員は、次のように語っています。韓国社会の民主化運動は、1970〜80年代の韓国の大学生を軸とする学生運動の影響を多く受けました。政権には、教育を掌握しようという意図があります。中学校、高校、そして大学の教員たちの中で非正規職教員が増える傾向があります。
 教員を選ぶ権利の大部分が学校長にあるため、非正規職教員が社会や学校を批判したり、信念ある行動をした時は、彼らの生計が脅かされることになります。
 これが工場だけではなく、韓国社会全般で非正規職労働をなくし、正規職に転換しなければならない理由です。それは、反戦や反核の悲願を達成しなければならない韓国社会の要請でもあります。
 平和には国境がない。
 韓日民衆は連帯して、戦争なき平和な世界を!
 原発には国境がない。
 韓日民衆は連帯して、核施設を撤去して、平和な土地を建設しよう!
 労働には国境がない。
 韓日民衆は連帯して、非正規職の撤廃と雇用安定を勝ち取ろう!

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