築地仲卸 大盛況で営業継続 都の違法な市場解体許さず

週刊『前進』02頁(2982号01面02)(2018/10/18)


築地仲卸 大盛況で営業継続
 都の違法な市場解体許さず

(写真 築地「閉場」は打ち破られた 仲卸の仲間は大盛況のもとに築地市場での営業を継続し、場内の店舗で干物などを販売。多数の人が買い物に訪れた【10月11日 東京・築地市場】)

(写真 築地での営業を継続する仲卸と連帯し、「営業権を奪うな」と訴え【10月13日 築地市場正門前】)

店舗で熱い交歓

 10月11日の豊洲市場開場後も、東京都による築地市場解体の既成事実化を許さず、豊洲に渋々行った仲間も築地に戻ってこられるように、仲卸と関連業者が築地市場での営業を継続している。大勢の人々が連日買い物に訪れ、店舗で感動的な交歓を行っている。
 このまったく正当な、憲法29条「財産権」に基づく営業に対して東京都はなんと「豊洲での営業許可を取り消す」と何の根拠にも基づかない脅しと分断攻撃をかけてきている。18日以降入場禁止、ライフラインストップも一切理由がない。都による築地の仲間への団結破壊と築地つぶしへの怒りを爆発させて立ち上がろう。都労連・都庁職こそが先頭で決起しよう。
 11日、築地での営業を大盛況のうちに終えた仲卸・明藤(あかとう)商店の宮原洋志さんは集まった約80人のお客さんを前に「築地でこれからもがんばると宣言した。他の業者も戻ってこられるようにする」と堂々と語った。東京労働組合交流センターは築地正門前で「営業権は誰にも奪うことはできない」と訴えて街宣を行い注目が集まった。この日の闘いで都による築地「閉場」は完全に打ち破られた。
 豊洲への市場移転に伴って仲卸が被った損失に対し、東京都はなんら損失補償をしていない。損失は「受忍限度内」だと加害者が一方的に決め付けることがどうしてできるのか。損失補償を行わず財産権を奪うことは違法である。すでに100近くの業者が「残置物の権利放棄」の撤回書を提出した。残置物を都や工事業者が勝手に処分することは違法だ。
 そもそも築地市場は「廃止」されていない。卸売市場法14条では「一般消費者および関連事業者の利益が害されるおそれがないと認めるときでなければ」市場廃止の認可をできない、と定められている。だから東京都は「廃止」ではなく「業務規定(位置および面積の変更)」の認可申請をした。農林水産省が9月10日に中央卸売市場整備計画で行った変更でも「必要に応じ施設の改善を図ることができる中央卸売市場」から築地市場を削っただけだ。つまり都が強行する「築地市場廃止」は法的根拠のない違法事業だ。「東京五輪の輸送拠点確保のため」ならばどんな違法無法も許されるというのか!

豊洲で怒り爆発

 豊洲市場では開場初日から大混乱と大渋滞に怒りが爆発した。メディアには報道管制が敷かれたが、現場の労働者や出入りの業者から怒りが噴出している。引っ越しの負担に耐えられず廃業・失業に追い込まれた仲間も多い。耐震偽装や杭打ちの偽装、汚染地下水の噴出、かびの発生などは一切解決されていない。小池や利権屋はまともな市場などつくろうとしていない。
 豊洲移転は巨額の赤字を口実に公設市場を民営化することが目的だ。物流の全面支配を狙う巨大資本にとって食の安全と価格の安定、生産者保護を担ってきた築地が邪魔だった。築地解体は安倍の改憲攻撃とも一体だ。築地で営業を継続してがんばりぬく仲卸の仲間への分断攻撃を絶対にはね返し、築地を守りぬこう。11・4労働者集会で築地と全国全世界の労働者の不抜の団結を固めよう。

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