焦点 日帝・自衛隊が戦争訓練を激化 9条改憲先取りする暴挙

週刊『前進』02頁(2982号02面03)(2018/10/18)


焦点
 日帝・自衛隊が戦争訓練を激化
 9条改憲先取りする暴挙


 9月30日の沖縄県知事選での惨敗を受け、「今秋臨時国会での改憲発議」という安倍の改憲プランの達成は絶望的となった。だがそれは、安倍の改憲攻撃が後退したことを意味するものではない。極右・日本会議メンバーで固めた第4次安倍改造内閣と自民党新役員体制のもと、公明党との与党協議もせず自民党単独で改憲案を国会に出すという、一層クーデター的なやり方へと方針をエスカレートさせてきたのだ。
 何より重大なのは、この動きと並行して、9条改悪の先取りというべき実質的な改憲攻撃=自衛隊の侵略軍隊化が急ピッチで進められていることである。
●日本版海兵隊が実動訓練
 安倍政権は、対潜水艦戦を想定した海上自衛隊の極秘訓練を9月17日に初めて南中国海で実施したのに続き、27日には航空自衛隊の戦闘機16機を東中国海や日本海に投入し、米空軍のB52戦略爆撃機と共同訓練を行った。これほど広域かつ大規模な訓練は異例だ。
 またフィリピンで9月8日〜10月23日の予定で行われている米比両海兵隊の共同訓練に、陸上自衛隊の水陸機動団(日本版海兵隊、今年3月に新設)が参加して初の実動訓練が行われた。隊員約80人と水陸両用車(AAV7)5台が派遣され本格的な上陸訓練などが実施されたが、この過程で10月2日、陸自隊員が乗った車両が道路で大型車と衝突し、隊員2人が死亡した。陸自の海外訓練中の死亡事故は初めてである。
 さらに水陸機動団は5日、日本国内で初となる水陸両用車を使った米海兵隊との共同訓練を鹿児島県種子島などで開始した。13日からは旧種子島飛行場跡地(同県中種子町)で、やはり国内初となる民間地を使った訓練を実施、これに対して地元の住民による抗議デモが闘われている。
 9月30日〜10月12日には、イギリス軍と自衛隊の共同訓練が北富士演習場(山梨県富士吉田市、山中湖村)や陸自富士駐屯地(静岡県小山町)で実施されたが、これも国内初だ。陸自幹部はこの訓練について「親善目的ではない。本格的な戦闘訓練だ」と公言してはばからない(10月3日付読売新聞)。
●旭日旗は侵略戦争の象徴
 こうした中で、11日に韓国の済州島で行われた国際観艦式に参加予定だった海上自衛隊が、韓国政府から旭日(きょくじつ)旗の掲揚自粛を求められたことに反発し、参加を中止するという事態が起こった。
 白地の中心に赤い丸と放射状の帯を描いた旭日旗は、1870年に旧日本陸軍が初めて使用して以来、1945年の敗戦に至るまで日帝の侵略戦争と植民地支配、そしてそれに伴うあらゆる残虐行為の象徴となってきた。韓国に限らず、日帝から侵略されたアジア諸国の人民はそれを決して忘れてはいない。
 こんな旗を戦後も自衛隊が使用していること自体が侵略戦争の居直り以外のなにものでもない。安倍政権が旭日旗に固執するのは、戦前と同じ侵略軍隊を再び朝鮮半島に上陸させようとする日帝の帝国主義的野心をあらわにしたものだ。
 済州島では、観艦式の開催に抗議する韓国民衆の反戦闘争が激しく闘われた。観艦式の関連行事に学校の教職員や生徒を参加させるよう要請した海軍や済州道教育庁に対し、全教組済州支部は抗議声明を発表。民主労総を始めとする諸団体は式当日に済州海軍基地前で糾弾デモを闘った。
 ムンジェイン政権が日本に旭日旗自粛を要請したのは、こうした労働者民衆の怒りがさらに際限なく爆発していくことを恐れたからだ。韓国民衆の闘いと固く連帯し、11・4労働者集会と改憲阻止!1万人大行進で安倍を倒そう。

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