民主労総16万人がゼネスト 韓国 労働組合で闘う権利求め

週刊『前進』02頁(2994号01面03)(2018/11/29)


民主労総16万人がゼネスト
 韓国 労働組合で闘う権利求め

(写真 国会前の首都圏ゼネスト大会に1万人が結集【11月21日 ソウル】)

(写真 院長退陣を求め無期限ストで闘うソウル大学病院の労働者たちも首都圏大会の先頭に立った)

財閥の利害代弁する政権に怒り

 「労働組合のもと団結し、交渉やストライキをできる権利をすべての労働者に!」----11月21日、ソウルをはじめ韓国全域で民主労総の組合員16万人がゼネストに突入した。主な要求項目は、長時間労働と賃金削減をもたらす「弾力勤労制」(変形労働時間制)拡大阻止、労組活動の権利保障、非正規職労働者の正規職化、年金改革だ。
 ゼネストの主軸を担ったのは金属労組だ。現代自動車、起亜(キア)自動車、韓国GM、現代重工業、大宇(テウ)造船をはじめ100以上の事業場で約13万人ほどがストに入った。
 国会前で行われた首都圏大会には1万人が結集。全国14地域でも同時刻にゼネスト大会が開かれ、計5万人の労働者が参加した。
 ムンジェイン政権はこの間、財閥の要求に応える規制緩和政策を次々と打ち出し、年内にも長時間労働と搾取の強化を合法化する弾力勤労制の期間拡大を狙っている。さらに公共機関では、正規職転換を回避するために子会社化・解雇攻撃を激化させている。非正規職労働者を新たにつくった子会社の「正規職」とし、賃金や労働条件を変えずに働かせるというものだ。今回のゼネストは、ムンジェインの労働改悪に対する非正規職・低賃金労働者の怒りの深さを示した。
 金属労組のキムホギュ委員長は「リストラ、元下請けの不公正取引、長時間労働と違法派遣、雇用なき成長、無責任な世襲経営の中心に財閥がある。問題は財閥であり、解決法はゼネストだ」と訴えた。
 ゼネスト大会決議文は 「政府と国会は財閥のかいらいとなり、世の中を再び財閥共和国にしてしまっている」とし、財閥との癒着を再び強める政府と国会への反撃を宣言。民主労総は来年上半期まで総力闘争態勢を継続し、法改悪が強行された場合には2度、3度目のゼネストに突入する決意を明らかにした。

非正規職公務員が闘いの先頭に

 公共運輸労組は、雇用労働部傘下の公共機関である職業体験施設「韓国ジョブワールド」やソウル大学病院、国民年金などで約1万人がストに参加した。
 韓国ジョブワールドで働く正規職はたったの50人。残る非正規職は340人だ。この間、非正規職労働者たちが子会社転換による集団解雇に反対し、職場を占拠して闘ってきた。現在42人が大統領府前での無期限集団ハンストに突入している。また、ソウル大学病院でも院長の退陣を求めて無期限ストが続いている。
 首都圏ゼネスト大会で公共運輸労組のチェジュンシク委員長は、「韓国ジョブワールドの非正規職労働者たちは、非正規職だという理由で差別と苦痛を受ける人生のことを子どもたちに伝えることができない。子会社での間接雇用は、労働者だけでなく子どもと青少年の夢まで奪っている」と怒りをこめて訴えた。
 韓国の労働者が立ち向かっている攻撃は、安倍による「働き方改革」とまったく同じだ。韓国の仲間と固く連帯して闘おう。

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