改憲・戦争阻止! 教え子を再び戦場に送らない! 広島教職員100人声明

週刊『前進』04頁(3012号03面02)(2019/02/18)


改憲・戦争阻止! 教え子を再び戦場に送らない!
 広島教職員100人声明


◎私たち広島の教職員は、戦争と核の惨禍をくり返さないために、憲法9条への「自衛隊」明記と「緊急事態条項」新設に反対します。
◎私たちは、今こそ教職員として宣言します。教え子を再び戦場に送らない! 子どもたちに「国を守るために命を捨てよ」と教える戦争教育の復活を許さない。教育を国の戦争の道具にすることは絶対に許さない。
◎被爆地ヒロシマから全国の教職員の仲間に、改憲と戦争を許さない行動を呼びかけます。

 安倍首相は、昨年秋の自民党総裁選において、「いよいよ改憲に取り組むときがきた。自衛隊を憲法にしっかり書き込む」と宣言しました。9条に自衛隊を明記するということは、日本が本格的な武力行使と戦争に踏み込むことを阻んできた憲法9条を、逆に戦争を正当化する条項に一変させるということです。改憲とは、日本が「戦争をしない国」から「戦争をする国」へと転換することです。「戦争をしないという9条」が、「自衛」の名で「戦争をする9条」に変わるのです。
 改憲のもうひとつの焦点は「緊急事態条項」です。これを新設すれば、首相の宣言一つで「憲法停止」「戒厳令」がしかれ、一夜の内に社会全体が戦争体制に組み込まれてしまいます。
 一体、これまでの戦争で、「自衛のため」と言わなかった戦争があったでしょうか。「自衛」の名のもとに行われた侵略戦争に組み込まれ、原爆による被爆という人類史上かつてない惨劇を体験したヒロシマ。もう二度と戦争をさせないという思いが、私たちヒロシマの教職員の原点でした。
 このヒロシマの教職員の闘いと団結を破壊するために、文部省是正指導による「日の丸・君が代」強制と大量処分がありました。そして教職員の非正規職化や学校業務の民営化や外注化は、職場の分断、組合つぶし、団結破壊をもたらしてきました。
 しかし、私たちの戦争絶対反対の思い、「教え子を再び戦場に送るな!」の固い意志は決して押しつぶされてはいません。私たちは、二度と戦争を許しません。二度と子どもたちを戦場には送りません。国策に従い、「国・天皇のために命を捧げることが何にもまして尊い」「国を守れ」と子どもたちに教え込み、戦場に送り出してしまった痛苦の歴史を絶対に繰り返しません。
 9条に自衛隊が書き込まれたら、学校では、「自衛のための戦力保持、武力行使、戦争は正しい」 と教えなければならなくなります。改憲と戦争教育は一体です。戦争で殺し、殺されたのは誰だったでしょう。一握りの権力者・資本家のために、犠牲になるのはお互いの国の労働者です。私たち労働者は殺し合いたいわけではない、戦争なんていらないのです。
 「戦争だけは許さない」「教え子を再び戦場に送らない」。このことは、教職員である以上、絶対に譲れません。改憲と戦争は、子どもたちを教え育むことと相いれないのです。
 広島のすべての教職員のみなさん。今こそ職場の団結をとりもどし、戦争のための改憲を阻む声をあげましょう!
 2019年2月10日

このエントリーをはてなブックマークに追加