労働組合の決起で地域破壊阻め 阿佐ケ谷再開発に反対を 杉並・田中区政は安倍の先兵 沖縄県民投票に決起し辺野古基地建設阻止を

週刊『前進』02頁(3013号01面01)(2019/02/21)


労働組合の決起で地域破壊阻め
 阿佐ケ谷再開発に反対を
 杉並・田中区政は安倍の先兵
 沖縄県民投票に決起し辺野古基地建設阻止を

(写真 杉並区都市整備部が昨年11月に発表した「阿佐ケ谷駅北東地区まちづくり計画・中間まとめ」を元に作成した見取り図)

(写真 「社会を根本から変えたい!その熱意でみなさんと団結してがんばります」。ほらぐちさんの決意に大きな拍手【2月16日】)

 「地元を無視し、街を壊す阿佐ケ谷再開発計画は許せない!」----東京・杉並区(田中良区長)が進めるJR阿佐ケ谷駅周辺の再開発計画に対し、地域住民から続々と怒りの声が上がっている。2月9日、杉並区の産業商工会館で行われた「阿佐ケ谷再開発に異議あり!討論集会」(主催/改憲・戦争阻止!大行進東京西部)には50人が集まり、4月杉並区議選予定候補のほらぐちともこさんが計画の白紙撤回へ断固闘う決意を表明した(要旨別掲)。(本紙・水樹豊)

学校・病院移し商業ビル

 集会では、まず主催団体が作成した資料をスライド上映しながら、再開発計画の全体像を説明した。その内容は、下の地図にも示した通り、①河北総合病院を「けやき屋敷」と呼ばれる民有地に移転する、②駅前にある杉並第一小学校を河北病院跡地に移転する、③杉一小学校跡地(区の所有する一等地)を更地化して民間資本に売り渡し、高さ60㍍の巨大商業施設を建設する----というものだ。
 続いて、その問題点が3点にわたり指摘された。第一に、駅前の一等地に高層ショッピングセンターを建てることで、周辺の商店街で営業する個人経営の店舗を軒並み破綻させ、街並みや景観を一変させるということ。その影響は駅北側だけでなく、南側の地域の商店街にも及ぶ。
 第二には、小学校の移転先とされる河北病院跡地の土壌汚染問題。そこは戦前から病院として利用されてきた土地であり、医療廃棄物などによる深刻な土壌汚染が予想されるが、現在の病院施設が解体されないと土壌の調査もできない。そんな場所に小学生を通わせていいのか----問われているのは、築地市場の豊洲移転とまったく同じ問題だ。
 第三には、「防災のため」「駅前にふさわしいにぎわいの創出」などと称して、再開発地区周辺の道路(新進会通りなど)を拡幅し、商店や住宅を立ち退かせる計画が一体的に進められようとしていること。
 まさに安倍政権が進める地域社会の破壊、新自由主義の民営化・更地化攻撃の典型というべき計画だ。田中区長はこれまで七つの公立保育園に指定管理者制度を導入し、2024年までにさらに6園の民営化を予定、また児童館を廃止し学童クラブなど62事業を委託・民営化した。そして今回の再開発では大資本の利益のために学校用地を売り渡そうとしている。民営化推進の田中区長は完全に安倍政権の先兵だ。
 大資本のための再開発や住民追い出し・更地化攻撃は全国各地で吹き荒れている。地元を無視し、反対の声を踏みにじって強行するのは沖縄・辺野古への土砂投入と同じだ。阿佐ケ谷から怒りの声を上げ、再開発を絶対阻止しよう----提起者の力を込めた訴えに多くの参加者がうなずいた。

4月区議選で反対の声を

 計画の全容を知った参加者からは、驚きと怒りの声が次々と発せられた。
 元都議で杉並区議を5期務めた長谷川英憲さんは、「地元住民や商店街をこれほどないがしろにした計画は杉並区でも初めて。駅周辺の再開発計画は高円寺駅北口で失敗して以降ほとんど動かなかったが、今回の計画を起爆剤に高円寺、西荻へ一気に波及させようとしている。今、阿佐ケ谷が声を上げ、行動を起こすことが重要だ」と強調した。
 「長谷川さんの言う通りだ」と手を挙げたのは、阿佐ケ谷に住んで80年、戦前・戦後を通じてずっとこの街を見てきたという男性。「北口に西友ができた時も、商店街の個人経営の店はどんどんつぶされた。この上でかい商業ビルができたらどうなるんだ。阿佐ケ谷はめちゃくちゃにされる。こんなのは地元のための計画じゃない。みんなで反対しよう」
 また象徴的だったのは、河北病院に勤める男性の発言。病院を運営する河北医療財団は、移転費用を銀行から借り入れるため、病院で働く医療労働者への大幅賃下げを画策し、すでに退職金も大きく減額されたという。「金もうけを目的として、外科中心の病院への転換が狙われている。労働者への矛盾の押し付けを許さず、住民のための医療機関をめざして闘う」
 さらに参加者からは「金のある者が庶民を略奪するのが再開発の本質だ。『防災のため』なんて後付けにすぎない」「JR資本が行政と結託し、高架下の再開発と一体で推進している」「地元住民をあきらめさせて計画を進めるのが田中区長のやり口。今ここで絶対反対の声を上げれば阻止できる」と発言が続いた。ほらぐちともこさんが計画の白紙撤回を要求して区議選を闘う決意を表明し、会場が大きな拍手で応えた。
 地元住民を中心とした再開発阻止の闘い、そして安倍政権の改憲・新自由主義攻撃を打ち破る新たなうねりが杉並から始まった。

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ほらぐちともこさんが熱く訴え
 計画は白紙撤回しかない


ほらぐちともこ
1988年生まれ、宮城県仙台市出身。2008年に法政大学入学、全学連で活動。「前進チャンネル」キャスター

 住民のみなさんと共に、再開発計画を白紙撤回に追い込みたいと思います。この間、阿佐ケ谷駅前でリーフレットを配って街頭宣伝を行っていますが、すごい注目です。「えっ、こんな計画があるの!?」という反応がほとんどです。田中区長自身が「10年、15年越しの計画になる」と言うほど大規模な再開発なのに、地元にはほとんど知らされていないんです。
 土壌汚染の可能性がある土地への小学校移転は、子どもたちの安全が脅かされます。大企業や河北病院の経営者だけが潤う再開発計画は白紙撤回しかない。医療や教育といった領域は、その地域で生活する人にとって死活的に重要です。無関係な人はいません。住民や商店街の人たち、そして河北病院や小学校で働いている人たちと力を合わせて阻止したいと思います。
 すでに再開発の予定地区やその周辺では、住民への立ち退き要求が始まっています。ある住民の方は、絶対に立ち退かないと言って、来年分の家賃までもう払ったとおっしゃっていました。4月の区議会議員選挙に向かう中で、阿佐ケ谷再開発計画に絶対反対で闘う運動をみなさんとつくっていき、必ず当選をかちとる決意です。そして区議会の中からも闘っていきたいと思います。

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西荻で事務所開き 青年先頭にほらぐち必勝へ

 2月16日、西荻窪駅前に開設されたほらぐちともこ西荻事務所の事務所開きが行われ、支援者や地元住民が集まって区議選必勝へ気勢を上げた。
 元区議の北島邦彦さんが「ここを拠点にみんなの力でほらぐちさんの勝利をかちとろう」とあいさつし、続いて都政を革新する会の長谷川英憲代表が「ほらぐちさんは今、多くの杉並区民の注目を集めています」と手応えを語った。
 ほらぐちさんは、「区議選の告示まで残り56日。杉並の、そして全国のみなさんと力を合わせ、長谷川さん、北島さんの闘いを引き継ぐ〝3代目〟の候補者として全力で闘います!」と元気に決意表明。
 地元住民や支援に駆けつけた労働者、青年・学生も次々と発言。とりわけ青年からは「改憲や東京オリンピックへの怒りの声を全部ほらぐちさんに集めよう」「僕らの世代が中心となって、ここから新しい流れを生み出そう」とアピールが続き、区議選必勝への思いが熱烈に訴えられた。

(杉並区松庵3―39―10メイゾンオーク1階。JR西荻窪駅南口から徒歩2分)
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