労働組合が闘って勝利した 東京で公務員賃金学習会

週刊『前進』04頁(3014号02面03)(2019/02/25)


労働組合が闘って勝利した
 東京で公務員賃金学習会

(写真 年表を使って戦後革命期以来の東京の自治体をめぐる攻防を振り返り、闘いへの確信を打ち固めた【2月8日 杉並区】)


 2月8日、東京労組交流センター自治体労働者部会の呼びかけで学習会を行った。昨秋、特区連と東京清掃労組は月1万〜2万円の大幅賃下げをさせない勝利をかちとった。しかし人事委員会の賃下げ勧告の「根拠」とされた昨年導入の新人事任用制度はまだ生きている。今年また同じことが起こる。新制度撤廃のために、23区の公務員賃金闘争がどう闘われてきたかを学習しようと開催された。
 北区職の大谷京子さんから提起がされた。「賃金と政治・社会情勢」として、戦後の都労連、都職労結成と戦後革命期以来の「動と反動のせめぎあい」「賃金闘争は階級闘争」であることが年表で示された。政府は都の行政を政府直轄で行おうとしたが、60年安保闘争以来の政治闘争の力関係の中で、首都東京の自治を明け渡さなかった。闘いの中で戦前以来の「吏・雇・傭員」制度を廃止させ、正規職員化をかちとった。当時の区職労機関紙には「同じ事務量をこなしているのに、給料・名称等に差別がつけられ身分差別があるのはおかしいではないか。労働組合に団結し解決していこうとする考えかたに自己を変えていく思想闘争として位置づけた」とある。
 82年には退職手当が月額賃金90カ月分から80カ月へ削減され、現在は49・55カ月というあまりの削減額に会場から怒りのため息がもれた。「賃金は支配のツール」として、評価制度による差別分配、JRなどで起きている賃金破壊を取り上げた。「賃金は生活給」という概念がなくなり、資本・当局のいう「労働の対価」とされていったことが示された。さらに「2018年総括と今後の闘い」が提案された。新制度導入で係長に手を上げなかった人は最下級の1級(係員)に落とされた。新制度は試験を受けなければ賃金が頭打ちになる、労働者を分断する制度だ。しかしあろうことか特区連と各区職労本部は「係長になろう」運動を始めた。現給保障はされるが、そのことをも使って人事委員会は1級職の賃金が民間より1万〜2万円高いと勧告してきた。
 これに対し、人事委員会への抗議署名や区長会への「人勧実施するな」という署名を組合員数を超えて集め、朝ビラに連日取り組んだ。私たちの仲間はストライキ要請署名を独自に集めて特区連に提出した。絶対負けられない闘いだった。
 秋闘で「労働組合が闘って勝利した」経験を得たことは大きい。学習会初参加の方は賃下げをさせなかった勝利感の中で「闘ってもいいんだ、闘えるんだと思った」と語り、別の参加者は「当局のしもべになっているような組合幹部もいる。組合を変えていく」と発言した。賃金は「労働の対価」ではない。「生活給」だ。「おこぼれをもらう」では闘えない。「民間準拠」ではなく私たち自治体労働者が賃金闘争の主体になって、労働者階級全体の賃金の底上げをやろうとまとめがされた。
(江東区職労・岸上真寿美)

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