尼崎事故を繰り返すな JR弾劾し現地で集会・デモ

週刊『前進』04頁(3032号04面03)(2019/04/29)


尼崎事故を繰り返すな
 JR弾劾し現地で集会・デモ

(写真 JR西日本は、運転士と乗客を合わせ107人の命を奪った2005年4月25日のJR福知山線での尼崎事故をなかったものにするため、事故現場をドームで覆った【後方】。これを目の当たりにして、デモ隊の怒りはさらに高まった【4月21日 兵庫県尼崎市】)


 尼崎事故を繰り返すな!尼崎事故14カ年弾劾!全国総決起集会が4月21日、JR尼崎駅北口広場で開かれた。集会は動労千葉と国鉄闘争全国運動・関西が主催し、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部や全国金属機械労組港合同などが加わる集会実行委が呼びかけ、185人が参加した。
 JR東日本が運転士・車掌の廃止を打ち出す中での集会はダイヤ改定阻止闘争と19春闘を引き継ぎ闘われた。また、杉並区議選の投票日と重なったこの日の闘争は、ほらぐちともこさん必勝の闘いと連帯し、安倍の改憲・戦争の攻撃を打ち砕くものになった。
 主催者としてあいさつした動労千葉の川崎昌浩書記長は「第2の尼崎事故が目の前に迫っている。労働組合を解体し安全を破壊する攻撃と対決する」と宣言した。港合同の中村吉政委員長は「福島原発事故の時、労働者・労働組合は何をしていたのかが問われた。尼崎事故を弾劾しJR西日本を追及し続けてきたこの闘いは重要だ」と訴えた。
 さらに、関西生コン支部の武谷新吾書記次長は、4月11日の武建一委員長の再々逮捕を弾劾し、滋賀県警組織犯罪対策部による非道きわまる弾圧と家族へのいやがらせを怒りを込めて暴露した。参加者は、労働運動の命運をかけ、この弾圧を全労働者の団結で粉砕する決意を固めた。
 基調報告を動労西日本の山田和広書記長が行った。JR東の運転士・車掌の廃止提案は、安全運行に責任をとってきた誇りを現場労働者から奪い、「会社の利益をまず考えよ」と意識改革を迫るものだ。そのために労働組合を解体し、改憲に向けて「労組のない社会」をつくろうとする攻撃だ。尼崎事故の本質的な原因は、国鉄分割・民営化によって国鉄労働運動が解体されたことにある。JR西日本は「稼ぐ!」というスローガンを詰所に堂々と貼り、運転士には「日勤教育」と称する締め付けを日常的に行った。これと労働組合が闘いきれなかったことによって尼崎事故は起きた。尼崎事故弾劾の現地闘争は、その痛苦な反省から開始され、14年間、続けられてきた。「二度と尼崎事故を許すな!」の闘いは今こそ必要だ。それは、闘う労働運動をよみがえらせることとひとつでもある。
 全国から結集した動労総連合が発言した。「ダイ改以降、現場はフラフラでオーバーランが多発し、再び尼崎事故が起きても不思議ではない状況だ」と弾劾した動労水戸の石井真一委員長をはじめ、動労総連合・九州、動労北陸、動労福島、動労西日本が決意を表明した。神戸市職の労働者、広島連帯ユニオンの発言が続いた。
 集会には、天皇即位によるメーデー圧殺への激しい怒りと、これと対決してメーデーに決起する熱意がみなぎった。動労千葉の川崎書記長は「赤旗を林立させてデモをやろう」と訴え、港合同の中村委員長は「関生弾圧粉砕を掲げて闘う」と表明し、動労西日本の大江照己委員長は「戦争の波が押し寄せている。断固闘おう」と呼びかけた。
 集会後、事故現場までのデモに出た。現場は「祈りの杜(もり)」と名付けられたドームに覆われている。尼崎事故をなかったことにして外注化に突き進むJR西日本の凶悪な意志が、そこには表れている。
 国鉄闘争が改憲・戦争阻止!大行進の責任をとり、メーデーの先頭に立とうと参加者は誓った。
(国鉄闘争全国運動・関西 T)

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