植木団地追い出し反対裁判が上告棄却 解放運動絶滅うち破るぞ 全国水平同盟が戦闘宣言

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週刊『前進』04頁(3034号04面01)(2019/05/13)


植木団地追い出し反対裁判が上告棄却
 解放運動絶滅うち破るぞ
 全国水平同盟が戦闘宣言


 大阪の高槻市富田(とんだ)園芸協同組合は同和対策事業として市に土地を提供させ造成させた植木団地で1975年以降園芸を営んできた。市は一方的に2014年12月以降の使用を不許可としたが、当該は自主管理闘争に突入。双方が「不許可取り消し」「明け渡し」を求めた両裁判で、最高裁は4月16日、18日に上告を棄却した。全国水平同盟の弾劾声明の要旨です。(編集局)

 最高裁第三小法廷(戸倉三郎裁判長)は「植木団地使用不許可決定取消訴訟」について4月16日に、第一小法廷(小池裕裁判長)は「植木団地明渡等請求訴訟」について4月18日に、植木団地側の上告を「上告できる事由に該当しない」として棄却決定を下しました。大阪高裁が関係書類を送付してから2カ月もたっていない、まともな検討すらしていない「棄却ありき」の超反動決定です。
 大阪高裁は「地対財特法は失効した」「植木団地の使用許可を続けたことが自立自営化を妨げた」と、「部落民は甘えるな」「お上に逆らうな」と言わんばかりの部落差別判決を下しました。これを認めた上告棄却は、部落差別をあおり、労働者を分断し、生存権を奪うという宣言です。
 全国水平同盟は3月22日、「大阪高裁の部落差別判決を取り消せ!」「『植木団地追い出し』『膨大な賠償金』で、植木・園芸労働者と家族の生活と命を奪うな!」と最高裁に対する第1波要請行動を取り組みました(写真)。早急な上告棄却は、労働者と団結する新たな部落解放運動体の全国水平同盟が本格的に登場することに追い詰められた国家権力の焦りです。
 追い出し絶対反対の植木団地闘争は、全国の闘う労働者と団結し支えられて、5年にわたり闘ってきました。小なりといえど労働者の「生きさせろ!」の闘いの砦(とりで)として立っています。革命情勢が切迫する中で、改憲と戦争衝動を強める国家権力は階級意思をむき出しにして、天皇代替わりの前に植木団地闘争のたたき潰しに踏み込んだのです。星野文昭さんへの仮釈放不許可決定、連帯労組関西地区生コン支部への共謀罪弾圧も同じです。
 植木団地闘争は、新たな闘いの出発点に立ちました。5年間に及ぶ闘いは、高槻市や部落解放同盟富田支部、大阪府警による団結破壊と闘争潰し、裁判所の反動判決にも負けずに団結を守り続けました。全国水平同盟の団結、労働者階級の団結の力があれば、勝利することができます。
 西郡住宅闘争に対する仮執行宣言付き判決による住宅明け渡し強制執行。京都の崇仁・東三条支部の実名国賠裁判の二審逆転敗訴。そして植木団地裁判の上告棄却。全国水平同盟の運動と組織を破壊しようとする激しい攻撃が加えられています。これは戦争に屈服した全国水平社の敗北を乗り越えようと奮闘する全国水平同盟の「勝利に向かっての試練」です。
 全国水平同盟は「絶対反対」「階級的団結」の闘いで組織を全国に拡大し、改憲と戦争に向けた部落解放運動根絶攻撃を打ち破ります。
 2019年4月20日
 全国水平同盟
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