地域分断に住民の怒り 三里塚で第73回一斉行動

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週刊『前進』04頁(3038号03面03)(2019/05/27)


地域分断に住民の怒り
 三里塚で第73回一斉行動


 5月19日、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援連絡会議は、73回目の空港周辺一斉行動に立ち上がった。
 午前8時半、成田市天神峰の市東孝雄さん宅離れに集まり、朝の打ち合わせを行った(写真)。
 司会は東峰の萩原富夫さん。冒頭、事務局の伊藤信晴さんがこの間の空港周辺の動きを紹介した。国交省はNAA(成田空港会社)の環境影響評価準備書への意見として、「環境影響を最大限、回避及び低減する検討をしろ」「住民の納得を取れ」と言うが、部落分断への怒りは深く、納得など取れるはずもないと弾劾した。
 今回用意された反対同盟ニュース68号は、1面で第3回天神峰・樫の木まつりへの参加を、2面で要望書への協力を呼びかける内容だ。3面では、成田空港内で「3日に1回」と事故が続発していることを報道。4面の「地域住民の声」では、5年以内に達成することが求められている航空機騒音の環境基準の達成状況が40年経っても6割にとどまっている現状を弾劾し、「NAAは機能強化を撤回し基準を守れ」と求める怒りの訴えを掲載している。A滑走路運用の深夜1時間延長に合わせて住民の健康調査を実施するというNAAに、「住民を実験台にするな」という怒りの声も紹介している。
 一同、同盟ニュースを手にそれぞれの担当地域へと繰り出した。
 芝山町では、移転補償戸数が217戸と発表され、部落が分断される地域住民から強い怒りの声が上がっている。さらに、機能強化と一体で進められる圏央道建設での土地ブローカーの動きや防音工事の実態の暴露、空港で輸入品の仕分けを担当する非正規職労働者の劣悪な労働条件など、様々な反応が寄せられた。
 午後4時半、再び離れに集まり、一日の集約を行った。この日集まった市東さんの農地強奪に反対する要望書は27通。芝山町のある農家は、「一生涯の糧としてきた慣れ親しんだ耕作地を強制的に取り上げることは、同じ農民として許すことは絶対にできない」とメッセージを寄せた。多くの住民が反対同盟の闘いに注目し、市東さんの農地を守る闘いに共感し、支持を表明している。
 市東さんは、「粘り強くこちらの説明をしていこう。空港会社に任せては何を言い出すかわからない」と一同を激励した。決戦本部長の太郎良陽一さんは、「9月24日の第1回請求異議裁判控訴審に向けて、まず6・30樫の木まつりを成功させよう」と語った。
 次回を6月16日と確認し一日の行動を終えた。
 同日、午後から開かれた天神峰カフェには周辺地域の住民らが参加。手料理と動労千葉から差し入れられたお菓子を囲み、決戦のただ中だが楽しいひと時を過ごした。

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