星野さん、肝臓がん切除 容態急変し暁子さんが面会

週刊『前進』04頁(3040号04面01)(2019/06/03)


星野さん、肝臓がん切除
 容態急変し暁子さんが面会


 5月28日、星野文昭さんの肝臓がん切除が、東京・昭島市の東日本成人矯正医療センターで行われた。手術時、家族のセンター内での待機を要求したが、矯正医療センターはこれを認めず、暁子さんと支援はセンター門前の車で待機し続けた。途中から暁子さん、いとこの星野誉夫さんら家族はセンター内に入ることができた。5時間の大手術後、主治医は星野暁子さんに「手術は無事終わった。病巣は全部取った。現在、星野さんも意識が戻って病室にいる」と告げた。
 ところが翌朝8時前、矯正医療センターから暁子さんに「周術期出血に伴う急性肝不全で重症状態です。すぐ来てください」と電話が入り、暁子さんと誉夫さんが急きょセンターへ。再審弁護団の和久田修弁護士、全国再審連絡会議の狩野満男共同代表、三多摩・救う会、革共同も門前に駆けつけた。
 午前11時、暁子さんと誉夫さんが病室に入り、文昭さんと対面した。文昭さんは呼吸が荒く苦しそうだったが、しっかりと目を開き、暁子さんの呼びかけにうなずいた。2人が86年9月に結婚して33年、初めてのアクリル板なしの「会話」だった。
 その後、主治医と面談、「手術中に出血が多かったが止まった。しかし、午前5時に血圧が下がり、ショック状態に陥った。出血が続いていたということだろう。肝機能、腎機能が不全に向かっている。現在、輸血、輸液、昇圧剤で手当てしている」というのだ。血圧も100まで回復、文昭さんの生きるための闘いが続いた。「絶対に死なせるわけにはいかない。こんないい人がなぜこんな目に会うのか」と暁子さん。
 しかし夜になって、再び矯正医療センターから呼び出しがあり、暁子さんは文昭さんの元へ。暁子さんが手を握ると、文昭さんは最大の力を込めて強く握り返した。急を聞いた岩井信弁護士、杉井吉彦医師、三多摩・救う会、婦人民主クラブ全国協など30人が門前に駆けつけた。
 30日午前7時、センター内の待合室で文昭さんの回復を祈りながら一夜を明かした暁子さんが、文昭さんの元へ。暁子さんの手を握り返した手には、前夜ほどの力はなかった。しかし、文昭さんは必死に生きようとしている。暁子さんは声をかけ続け、身体をさすり、熱く抱きしめた。なんとしても文昭さんの命を守らなければならない。
 星野文昭さんはでっち上げ逮捕から44年、非人間的な拘禁状態にありながら誇り高く生きてきた。「誰もが人間らしく生きることができる社会を」と呼びかける星野さんの解放は、沖縄を始め全労働者民衆の声だ。
 星野さんの命を守ろう!
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