星野文昭さんの死を悼む 世界の闘う仲間がメッセージ

週刊『前進』02頁(3041号02面03)(2019/06/05)


星野文昭さんの死を悼む
 世界の闘う仲間がメッセージ


 5月30日の星野文昭同志の逝去に接し、国内外から寄せられた追悼文の要旨を紹介します。(編集局)

虐殺の下手人に復讐を誓う
 全日本学生自治会総連合委員長 髙原恭平さん

 「星野さん、遺志は絶対に引き継ぎます」----今にも起き上がって、全学連の学生に優しい応援の声をかけてくれそうな、そんな安らかな顔で眠る星野さんのご遺体に面会したとき伝えることができたのは、この一言だけでした。
 星野さんは自分にとって人生の指針となる北極星のような存在でした。未熟な共産主義者として革命運動の荒波を帆走する自分に、生き方の指針を与えてくれる。直接会うことはかなわないけれど、遠くから私たちに進むべき行き先を教えてくれる----それが星野さんでした。
 高崎経済大での学生自治会運動、全学連現闘本部長として身を投じた三里塚闘争、そして沖縄のために渋谷暴動闘争に決起し、無実で獄中44年間を闘った人生。どこまでも労働者階級の運動を信頼し、沖縄の闘いと連帯し闘った星野さんの後半生。何よりも、「権力に屈服して出獄する」という手段が疑いもなくあったにもかかわらず、仲間を信頼して非転向を貫き、革命のために人生をかけることを辞さなかった。共産主義者である以前に、一人の人間として尊敬せずにはいられない人生でした。
 星野さんを虐殺した国家権力、とりわけ徳島刑務所と四国地方更生保護委員会への怒りが腹の底から湧き上がってきます。無念と悔恨と、何より星野さんへの申し訳なさがこみ上げてきます。星野さんを解放し、ゆっくりと余生を楽しんでほしかった。直接お会いして、星野さんの時代から半世紀経った今も全学連は不屈に闘っていると報告したかった。星野さんの解放のためにもっと全力を尽くしていれば違う未来が待っていたのではないか......
 しかし階級闘争における多くの課題を前に、私たちはいつまでも悔悟に留まることはできません。虐殺者ども、国家権力は、その血塗られた刃(やいば)で、いまこの瞬間も労働者・学生に襲いかかってきています。われわれが悲嘆に留まるのであれば、星野さんの闘いは無意味なものとなってしまいます。一切の怒りと痛惜とを革命運動に転じ、星野さんを虐殺した下手人どもに血をもって償わせること----これが私たちにできる唯一のことであり、私たちに課せられた義務だと信じます。
 だから私は改めて星野さんにこう伝えたいのです。「遺志は絶対に引き継ぎます」と。
 星野文昭さん! 共産主義者として、いや一人の人間として仰望せずにはいられぬ星野文昭さん! 私たちは必ず復讐(ふくしゅう)を果たします。労働者階級が権力を奪取し、虐殺者どもに血の債務を完済させるまで、星野さんのように闘い続けます。星野さんに向けられた理不尽や困難が我が身を襲おうとも、星野さんのように闘い続けます。半世紀の時を隔てようとも、私たち全学連の後進は精一杯闘っています。どうか、全学連の後輩に後は委ねてください。どうか私たちを信じ、安らかにお眠りください。

安倍と政府に責任とらせる
 米・運輸労働者連帯委員会 スティーブ・ゼルツァーさん

 星野さんが亡くなられたことを聞きました。
 これは日本政府による殺人であり、彼を永久に沈黙させることを狙ったものです。私は、彼らが星野さんを殺したことに怒っています。彼を失った暁子さんのたいへんなつらさに対して、妻の和美とともにお悔やみを申し上げます。
 これは、すべての政治犯に共通した問題です。この間、ジュリアン・アサンジュを衰弱させるために彼に毒物を与えたということが発覚しました。ムミア・アブ=ジャマルの命を救う薬剤投与のためには、ペンシルベニア州の刑務所当局と闘わねばなりませんでした。
 星野さんの命を適時に守ることを妨害するために、刑務所当局が病状を隠蔽(いんぺい)したというのは、私も、みなさんが言われている通りだと考えます。
 われわれは、安倍と日本政府に彼を殺害した責任を取らせるために、国際的なキャンペーンを行わねばなりません。国家による殺人と隠蔽に対する証拠を突きつけ、訴訟をせねばなりません。
 アメリカでの集会への暁子さんの参加を政府が拒否したことは、この政治弾圧と星野文昭さんへの支持への妨害と結びついています。
 ほとんどの日本人が、われわれが国際的に発言する民主的権利を妨害するために政府がこのESTA(アメリカ電子渡航認証システム)申請手続きを使っていることを知りません。このことは国会で取り上げる必要があります。私は、この問題が、他の政治活動家にも起こっていることだと確信しています。
 おそらく、記者クラブでも、この問題と暁子さんのアメリカに旅行する権利のための国際キャンペーンを結びつける記者会見を開けるだろうと思います。

一度お会いしたかったのに
 韓国・拘束労働者後援会事務局長 ペミヨンさん

 星野先生が亡くなられたことを知り、心が本当に痛みます。
 無念にもぬれぎぬを着せられ、生涯刑務所で過ごされましたが、病気にかかって適切な治療も受けられずに亡くなるなんて本当にひどいと思います。
 韓国は死刑制度がある国です。死刑の次が無期懲役ですが、模範囚の場合、通常は25年から27年たてば出所します。
 しかし、なぜ「先進国」である日本に終身刑という制度があるのか......
 星野先生に必ず一度はお会いしたかったのに、忙しいという理由で、遠いという言い訳で今日明日と引き伸ばしているうちに、もうお会いすることができなくなってしまいました。
 申し訳ありません。
 星野先生の永眠を祈ります。

何という悲報 悔しいです
 韓国・テグでの詩画展主催者  イドクチェさん

 悔しいです 残念です
 帝国主義者どもと資本家どもはどこでも同じなのか
 人を殺し
 ここでもそこでも
 いまも昔も
 これも同じなのか
 殺しておいて平然と生きているものども
 なんという悲報だろうか
 天気までも陰気です
 西に向かって焼酎を一杯掲げました
 帝国主義者どもと資本家ども
 人の命を奪っていったものども
 5月の最後の日
 無念です
 5月の最後の日に

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