追悼のことば

週刊『前進』02頁(3045号01面03)(2019/06/20)


追悼のことば

人間解放の未来を照らす
 全国再審連絡会議共同代表 狩野満男さん

 星野文昭さん。私たちはあなたを失って今、計り知れない失意の中にあります。深い深い悲しみは世界を駆け巡り人々に衝撃を与えています。本当に悔しくてなりません。あなたの命を奪い去ったすべてを私たちは絶対に許しません。そして、あなたを守りきり取り戻せなかったことをお許しください。本当に申し訳ありません。
 しかし今あなたの魂は私たち、そして私自身の中に宿り、火をともし、よみがえろうとしています。「沖縄への理不尽に黙することなく立ち上がったことで人間になれた」と星野さんが語ったように、私は「人間が人間らしく生きられる社会」の創造、構築をめざして、私自身が星野文昭となって闘うことを誓います。
 星野さん。あなたを取り戻す闘いの始まりは暁子さんとの出会いでした。そして、西荻窪での街頭宣伝を妻も含めて3人で始めたのが運動の始まりでした。便箋(びんせん)いっぱいに記されたあなたからの大切な手紙を、暁子さんはうれしそうに見せてくれました。これ以上ない愛情と社会変革への情熱がびっしりと記されていました。
 あなたの闘いと魂は階級闘争の歴史に刻印され、そしてここにとどまるものではありません。今、まさに全国全世界の労働者人民の魂を揺さぶり人間解放の希望と未来を照らし出しています。国内、世界各地からの弔意にはこの思いがあふれています。私たちはあなたを引き継ぎ、新たな闘いへと突き進みます。(6月7日)

沖縄を励まし闘った生涯
 沖縄万人の力で星野さんを取り戻す会 和田邦子さん

 44年も獄に入れ、命まで奪う。最愛の暁子さんと初めて手を握れたのは死の直前。この悔しさと怒りを晴らさずにいられようか!
 体調悪化を訴え続けたのに放置し獄死させた国のやり方を伝えようと、先日当会で緊急声明を作り、辺野古の土曜大集会で配布しました。多くの方が新聞報道で知っていて、声をかけてくれました。
 沖縄では先日、米兵に殺害された女性の追悼集会がありました。米軍ヘリがまた部品を落下させ、宮古・与那国では自衛隊が住民に隠しミサイル弾薬を保管。沖縄では軍隊による事件・事故、侵略戦争の最前線基地化が続いていますが、不屈の闘いも進んでいます。
 星野さんはこういう状況を見通し獄中で闘い続け、それゆえに権力の弾圧を一身に受けたのです。
 要望書や絵画展では「沖縄のために闘ってくれてありがとう」の声が今年は特に多く、辺野古工事を強行する国家権力への怒りと星野さん弾圧への怒りがぴったりと重なり、負けずに闘おうとの機運がみなぎっています。
 文昭さんと暁子さんは「私達の役割はみんなを励ますこと」と語りました。無実で獄中44年の夫婦がこんなことを語る、権力もびっくり仰天でしょう。そして、この言葉通り星野さんは誇り高い生き方を示し、優しさと希望の詰まった絵は、暁子さんが絵に付けたすばらしい詩と共に、私たちに生きる勇気と力を与え続けています。
 星野さんの無念さ・悔しさ・闘志を私たちは引き継ぎ、全国・世界の仲間と共にこれまで以上に闘います。獄死に至る権力犯罪を暴き、再審無罪を実現し、核も基地もない沖縄を、そして星野さんが常々言っていた「人間が人間らしく生きられる世の中」を目指します。(6月7日)

いつまでも私たちと共に
 全国再審連絡会議共同代表 戸村裕実さん

 星野文昭さんとの出会いは三里塚です。文昭さんは地域の反対同盟の皆さんから絶大な信頼と信望を得ていました。
 文昭さんは、国家による理不尽な攻撃を受ける人々、抑圧され虐げられる人々に心を注ぎ、寄り添い、彼らに立ちきる行動をする人でありました。権力の横暴を見過ごすことができない、見て見ぬ振りして通りすぎることができない人だと思います。無私で他人に思いをはせる、そういう方ですね。
 今、沖縄・三里塚を見てください。これでもか、これでもかと人々をたたきつける国の姿、容赦できませんよね。71年の三里塚・沖縄の激闘を率先して担い、その報復的弾圧を一身に受けた文昭さん。再審無罪を勝ち取らなければなりません。徳島刑務所、四国地方更生保護委員会の罪責を問わなければなりません。
 闇を照らす夜空の星は、やがて暁へと引き継がれていきます。まさに「ほしのふみあきこ」です。闇夜を照らす星となって、いつまでも私たちと共にあってください。
 私たちも天空の星を仰ぎます。再審無罪、そして、これからの課題と、あなたの闘いと共に私たちも一緒にあります。安らかに、安らかに。(6月8日)

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