文昭さんは私たちの中に生き続ける 〈追悼〉トルコ国際労働者連帯協会女性委員会

週刊『前進』04頁(3046号04面01)(2019/06/24)


文昭さんは私たちの中に生き続ける
 〈追悼〉トルコ国際労働者連帯協会女性委員会


 星野文昭さんの逝去に接し、トルコ・UID―DER(国際労働者連帯協会)の女性委員会が暁子さんに寄せた追悼文を紹介します。エルドアン政権による過酷な弾圧と対決して闘いぬくUID―DERの仲間たちは星野さんの闘いに思いを寄せ、これまで積極的に要望書集めも担ってきてくれました。(編集局)


 親愛なる暁子さん。
 あなたの最愛の夫であり同志である星野文昭さんが亡くなられたとのとても悲しい知らせを受け取りました。この地では、友愛の真の絆はお互いの苦悩を心の内に共有できる時に生まれると言われています。数千マイル離れていようとも、私たちはあなたの悲しみを深く感じとり、真の友愛の気持ちを共にしています。UID―DER女性委員会として、私たちは暁子さん及び闘う兄弟姉妹の皆さんに心からの哀悼の意をお伝えします。
 文昭さんは、青年時代の闘いに生涯を掛けたがゆえに、44年間の長きにわたり獄中に囚(とら)われました。帝国主義は、階級も国境もない世界の創造を決意した人間を威嚇し続けました。しかし、文昭さんの抵抗と非妥協の精神は、奔流となって鉄格子と獄壁を突き破り、残虐な日本支配階級の意図を破綻させました。文昭さんは、獄中にあっても決して頭を垂れることなどありませんでした。
 文昭さんが平和と尊厳の中に人間が生きることが出来る社会を希求するがゆえに、あなたと手を握ることすらできませんでした。彼の手はこの至福を拒否されましたが、心の豊かさと生きる喜びを描き出しました。だから絵には「フミアキコ」のサインがされているのです。暁子さんが、この試練の年月、仲間として同志として共に闘ったがゆえに、文昭さんは希望と強健さを持ち続けました。
 偉大な共産主義者の詩人ナーズム・ヒクメットは、文昭さんがあなたへの気持ちを絵に託したように、獄中から彼の妻に詩を送りました。
 その詩は以下のように記しています。

最愛の人よ、奴(やつ)らは希望に対する敵であり、たわわに実る果実からあふれ出る水や花の咲き誇る命に対する敵だ
死は、奴らの額に刻印を押すだろう。「朽ちる歯、腐敗せる肉」と
奴らは消滅し消え去り、決して戻ることはない
そして最愛の人よ、確実に、間違いなく、この美しい地に、自由が闊歩(かっぽ)し、全労働者の最も壮大な部隊が立ち現れるだろう

 暁子さん。
 無益な苦悩はありません。希望に対する敵はいつか必ず洗い流されます。文昭さんは労働者階級の闘いの中に生きています。全ての労働者は、文昭さんの、そして亡くなった多くの革命家の生き方から、階級と国境の無い世界をつくり出す闘いにおいて示唆と鼓舞を受け取ることでしょう。
 文昭さんの思い出は、花咲き誇る命の中に、階級と搾取の無い世界への希望の煌(きら)めきと私たちの闘いの正当性の中に生き続けます。

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