入管は外国人を殺すな! 「詐病」を疑いカメラで監視

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週刊『前進』04頁(3052号04面01)(2019/07/15)


入管は外国人を殺すな!
 「詐病」を疑いカメラで監視


 長崎県の大村入国管理センターで6月24日、抗議のハンスト中だった40代のナイジェリア人男性が亡くなった。全国の入管収容施設には千数百人の外国人が収容されている。6カ月以上、2、3、5年をも超える長期収容、仮放免許可の激減、劣悪な食事、医療、施設環境など極度のストレスが彼らを日々、殺している! この現実に怒りを燃やし、改憲・戦争の安倍政権を倒そう!

「死にそうだ」と叫ぶが放置

 2014年3月30日、東日本入国管理センター(牛久入管)で収容中のカメルーン人男性(43)が亡くなった。これは男性が体調不良を訴えたのに放置されたためだとして17年9月、遺族が国と当時のセンター所長を相手取り、国家賠償訴訟を起こした。
 5月24日、水戸地裁(岡田伸太裁判長)で開かれた第6回口頭弁論で男性が亡くなる直前の監視カメラ映像が再生された。
 7月8日付毎日新聞によると「大型モニターの中で、その男性は床を転げ回ってもがき苦しんでいた。『アイム ダイイング(死にそうだ)、アイム ダイイングーー』。……うめき声が繰り返し廷内に響き渡る。この場面が撮影された約12時間後、男性は同じ部屋で心肺停止状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された」という。
 牛久入管で男性が監視カメラ付きの部屋に移されたのは14年3月27日、以来死亡した30日まで医師の診察もなく放置され、監視カメラがその死にゆくさまを写し撮っていたのだ。なんという残酷! このビデオは原告、被告双方から証拠申請されたものだが、このビデオでどうやって被告・国は「適正な措置を行った」「責任はない」と立証するつもりだろうか。
 東京入管でも殺される一歩手前までいったクルド人男性がいる。6月17日に仮放免となったMさんは24日、弁護士、家族と共に記者会見を行った。昨年1月から長期収容されていたMさんは、3月11日に体調不良となり、職員に診察を要求したが、医師の診察もなくビデオカメラのある単独室に移された。翌12日に面会した妻も診察を要求したが診察はなかった。Mさんから電話を受けた家族と支援者が夜を徹し入管前で抗議し、救急車を2度呼ぶが、入管が追い返してしまった。
 その夜、Mさんは激痛としびれで意識がもうろうとする中、インターホンで「痛い、死にそうだ。助けて」と訴えた。しかし、インターホンから聞こえてきたのは「カメラで見ている。まだ生きているじゃないか」という職員の声だった。Mさんが外部の病院に連れて行かれたのは翌13日。衰弱したMさんは歩けず、車イスだったが、そのMさんには診察中も手錠がかけられたままだった。
 カメラで監視し「まだ生きているじゃないか」とは! その結果、カメルーン人男性は死に、Mさんはかろうじて生き延びた。これが人間に対する扱いだろうか。外国人を人間と思わない、国家による殺人そのものだ!

安倍の戦争・改憲攻撃が元凶

 改憲と戦争に向かう安倍政権は、「働き方改革」の一環として就労資格「特定技能」を新設し、人手不足を補う単純労働力として外国人労働者導入を始めた。
 同時に出入国在留管理庁による外国人治安管理を強化し、失踪した技能実習生や学籍を失くした留学生など、法外滞在となった外国人の摘発・収容・強制送還に躍起となっている。初代長官・佐々木聖子は、長期収容に伴う被収容者の悲鳴を聞き流し、「収容期限に上限を設けることはしない」と言い放っている。
 牛久入管では7月10日現在60人以上がハンストを闘っている。この命がけの闘いが安倍政権と入管当局を震え上がらせている。
 「外国人を殺すな! 収容するな!」の怒りの声を上げ、戦争・改憲の安倍政権を打倒しよう!
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