コンビニを階級的労働運動の拠点へ 生きるための大反乱が始まった 革共同合同・一般労組委員会

週刊『前進』04頁(3054号02面01)(2019/07/22)


コンビニを階級的労働運動の拠点へ
 生きるための大反乱が始まった
 革共同合同・一般労組委員会

(写真 コンビニストを決行しセブン本社に社長面談を要求するコンビニ関連ユニオン【7月11日 東京・千代田区】)

「労働組合なき経営」が全面破綻

 コンビニ関連ユニオンが呼びかけた7・11ストは、本部社員、オーナー、従業員が決起して大勝利した。背後には、新自由主義の破綻としてのコンビニモデルの崩壊的危機がある。
 コンビニエンスストアは、1974〜75年恐慌として露呈した戦後成長の行き詰まりによる新自由主義政策への転換として始まった。「流通革命」と称してスーパーマーケットの創設に乗り出すが、自民党の政治基盤の一つでもあった中小商店からの反撃(大店法〔大規模小売店舗法〕をめぐる攻防)に直面した。こうしたなかで中小商店の怒りを取り込みつつ急増した。当初、「中小商店の活性化」をうたっていたが、数年後には脱サラからの転職組など小資本を収奪しながら店舗数を拡大し、巨大商業独占資本に発展した。
 セブン―イレブンの発足(第1号店開店は1974年)が、74〜75年恐慌と同時期なことは偶然ではない。コンビニの拡大は新自由主義政策の柱としてある規制緩和や労働組合のない経営として進んだ。セブン―イレブンが労組結成を敵視してきたのは、24時間365日営業、トラックによる小口配送方式などの新モデルが8時間労働制のもとにあった戦後的労資関係や問屋を軸にした流通体系を破壊しない限り成り立たないからだ。

奴隷契約、外注化で本部が支配

 コンビニ本部は「250万円から300万円の出資金を支払うことで自営業者になれる」といううたい文句のもとに退職金などなけなしの貯金を収奪し、契約タイプによって異なるが、800万円程度の開業資金を店舗オーナーに貸しつける。出資金と利子収入だけで、本部は新規出店すればするほど利益が上がる。
 だが店舗オーナーは、「独立経営者」とは名ばかりで、裁量権は全くない。毎日の売り上げは、すべて本部口座にコンビニの銀行を通じて送金することが義務付けられ、契約タイプによって複雑に異なるが、売り上げから平均50%程度の本部取り分(「チャージ」という)が収奪される。そこから従業員人件費、廃棄商品分などを引いて、残りがようやく店舗の利益になる構造だ。このチャージ率は、そもそもオーナー経営として成り立たない配分率である。しかも、仕入れも価格設定もすべて本部の支配下にあり、契約に違反すれば多額の違約金を取られ、契約更新を一方的に拒否されかねない。本部は仕入れと販売の価格差からも利益を上げながら、その内実は公表しない。
 さらに、委託した工場や配送業者などの下請け企業は、意識的に地域の弱小資本が取引相手として選ばれ、圧倒的な力量差をもとに専制的に支配される。契約解除で脅され、投下した資本すら取り戻せなくても取り引きを続けざるを得ない。そのしわ寄せは、下請け労働者の低賃金、過酷な労働条件として押し付けられる。にも関わらず、本当のボス=コンビニ本部は使用者責任を逃れ、一切責任を負わない。コンビニは、アウトソーシングで成り立っている業態だ。

「過労死社会」を生んだ根本要因

 コンビニの成長は、流通規制の緩和と一体で進んだ。90年代から本格的に始まる米穀類、酒類小売販売の規制緩和(直近の酒販店の間に距離を置く「距離基準」や、地域の人口に応じて酒販免許枠が制限される「人口基準」の廃止)、これが今日「ドミナント」として問題になっている大量出店を可能にした。
 それだけでなく、コンビニの急成長は、労働基準法をはじめとした労働者保護規制のあいつぐ緩和と相互一体的に進み、「24時間365日の過労死社会」をつくり出した。製造現場の2交替、3交替制が常態化するには、国鉄分割・民営化をめぐる労資関係の激変を待たなければならなかった。この攻防を経て、総評主導の戦後労働運動を解体した資本家階級は、労働者派遣法の施行(86年)、裁量労働制の導入(87年)、深夜労働を規制した「女子保護」規定の撤廃(99年)を通して、「24時間操業」体制を整えていった。
 それは、工場労働者の過半を占める派遣労働者が出退勤時にコンビニ弁当を買って飢えをしのぐという生活スタイルと一体だった。また、変形労働時間制の導入で深夜の配送が可能になったこととも一体だ。さらに、おにぎり製造大手でセブン―イレブン向けに弁当などを製造販売している「わらべや日洋」が急成長し、大量の日雇い派遣労働者を酷使するようになったのも、コンビニと一体だった。

コンビニ関連ユニオンに入ろう

 フランチャイズ契約の核心は、「『独立経営者』との契約」とすることで、労基法、労働組合法を適応除外にし、労働組合的団結を排除することにある。まさに「工場法以前」である。店舗オーナーの子どもの高校生までもが店舗に駆り出され通学できず自殺した例もある。「児童労働の禁止」すら侵害されるところまできた。しかし、こうしたフランチャイズ契約は、飲食、介護、薬局、理容などあらゆる業界に広がっている。
 しかし、コンビニも総計5万店舗を超えるなかで、ついに破綻局面をドラスティックに露呈した。これは日帝の新自由主義的延命の破綻、崩壊にほかならない。資本の利潤は長時間、強労働で搾取することでしか生み出されない。死ぬまで働かせるしかないのだ。だが、労働者はいつの時代も生きるための反乱に立ち上がってきた。それが今起きている事態だ。資本主義の最後を告げる鐘が鳴っているのだ。
 本部正社員は店舗を支配統制するための「先兵」ともいうべき位置にあるが、それゆえに、過労死、うつ病が慢性的に発生する職場で働かされ、徹底的に反労組、売上至上主義があおられてきた。だが、オーナーの決起、先進的社員の決起は本部社員をついに大流動にたたき込んだ。低成長への転換は当然にも社員のリストラとなり、オーナーの直訴は社員を直撃する。しかし、経営幹部は逃げまくっている。本部正社員の決起が鍵だ。それが今、コンビニ資本の支配の堤防決壊を生み出しかねないところまできた。
 重要なことは、コンビニ関連のすべての労働者が分断を乗り越えてひとつに団結することだ。ほぼ100万人とも推計されるコンビニ関連労働者が、ひとつに団結して立ち上がれば、この現実は絶対に変えられるし、それは「過労死のない社会」「非正規のない社会」を奪い返す歴史的な転機となるであろう。

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ドミナント 地域を特定し集中的に出店することで市場占有率を拡大し、独占展開をめざす経営戦略。近隣への出店でフランチャイズ加盟店の利益は下がるが、本部の利益は上がる。ドミナントで経営が悪化し、オーナーが多額の借金を抱えたり、自死に追い込まれる例もあり、社会問題になっている。

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