職場からの通信 かんぽ不正 責任は会社 郵政 静岡

週刊『前進』04頁(3054号03面05)(2019/07/22)


職場からの通信
 かんぽ不正 責任は会社
 郵政 静岡


 私は郵便局に就職し26年目に入りました。
 現在、テレビのニュースや新聞で話題となっている「かんぽ生命保険」のことを述べたいと思います。私は約20年前に簡保(かんぽ=簡易生命保険)のセールスマンをしていたこともあり、その経験も踏まえ、今の簡保の知られざる裏面を述べることにします。
■朝礼で「必ず一件とれ」
 今と昔の差をいえば扱う保険の多さです。昔はメインは簡保のセールスでしたが、今はさらに、がん保険、自動車保険などが加わり、それぞれに目標があります。しかも昔と違い今は、それぞれ取り扱うために免許をとらなければならない。もちろん簡保のセールスにも免許が必要です。
 毎日のように朝礼で「今日は必ず一件とってこい」と言われるのは昔も今も変わらない。昔は訪問用の資料などもあり、またその時のキャンペーンで保険に入ると無料で旅行に招待されたり、企業や地域などである程度の人数(団体)となると団体割引などがあり、お客さんにとってもメリットが大きい時代でした。
■使い捨て、退職に
 今は、逆に資料もろくにありません。新規採用で入ると、最初の1年は研修生のため、会社も数字は求めてきませんが、2年目になると配属局が決まり、いきなり月に10万円とってこいなどと言われます。とれないと管理者に呼ばれて恫喝され、さらにとれないと、支社に呼ばれて恫喝研修。
 それで私は、夜、保険のことが夢に出てくるようになってしまいました。今もそうだろうと思います。
 昔は同じ郵政の職場なので異動できましたが、今はそれもできません。結局は使い捨てにされ、退職せざるをえないのです。到底、許すことはできません。
■労働者の力復活させよう
 今回の「かんぽ」の一連のニュースを見ますと、不正な乗り換え契約とかいろいろ書いてありますが、これは郵政3事業(郵便・貯金・保険)に共通して言えることですが、やった本人に責任はないと思います。むしろ、その原因を作ったのは管理者・会社であり、そして何も闘わず、会社を擁護しているJP労組中央に責任があります。
 郵政3事業で働く仲間の皆さん、おかしいことは「おかしい」と言える職場に変えていこうではありませんか。労働者がスクラムを組んで、かつて組合が全逓であった時代に「権利の全逓」と言われたような力を復活させていこうではありませんか。ともにがんばりましょう。
(由利徹)

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