9月全学連大会の成功かちとり、自民党改憲案発議阻止の決戦へ 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』04頁(3056号03面01)(2019/07/29)


9月全学連大会の成功かちとり、自民党改憲案発議阻止の決戦へ
 革共同中央学生組織委員会


 参院選投票日前日に全学連が呼びかけた7・20銀座デモは、多くの青年労働者・学生の結集で高揚した。改憲・戦争・「働き方改革」を進める安倍政権への怒りに加え、「若者の力で未来つくろう」の積極的訴えがデモへの求心力を生んだ。自民党改憲案発議策動との全面対決となるこの秋(臨時国会攻防)、全国学生は9月全学連大会への大結集からキャンパスでの団結の再生、全学連運動の復権へ突き進もう。

青年の胎動示した参院選結果

 参院選結果の本質は、マスコミが報じる「与党勝利 改選過半数」(22日付読売新聞)でもなければ、安倍の言う「国民は安定した基盤の下に政策を進め、国益を守るよう判断した」でもない。参院選結果が示すのは一方で、安倍政権が7年近くも進めてきた戦争と貧困を象徴とする新自由主義への怒りであり、他方で、それが階級主体の未形成と既成政党の裏切り・屈服の中で「政治への絶望」へ転化していることだ。
 参院選結果の特徴は一つに、歴史的な低投票率だ。安倍政権下の国政選挙での投票率は、13年参院選(52・61%)→14年衆院選(52・66%)→16年参院選(54・70%)→17年衆院選(53・68%)と低く推移してきたが、今回は48・80%でついに5割を割り込み、史上2番目の低投票率となった。自民党の選挙区得票数(2003万票)が全有権者に占める絶対得票率は18・9%で、安倍政権下で初めて2割を切った。与野党を含めたブルジョア議会が「おしゃべり小屋」であることへの怒りがたたきつけられた。18〜19歳に限れば投票率は31・33%だ。
 いま一つに、山本太郎氏の率いる新党・れいわ新選組が比例区で2議席(228万票)を獲得したことに、青年・学生との政治的結合という観点から注目したい。比例区獲得票の内訳で言えば、れいわは40歳以下が6割を占めた。同層からの獲得割合が共産党で25%、社民党で22%であるのと比べればその特異性はよりはっきりする。40歳以下の獲得票数ではれいわ(137万票)は共産党(112万票)より多い。これを「左派ポピュリズム」などと軽薄に論評はできない。
 われわれが4月杉並区議選の勝利で確信したように、若者は現行の政治総体に絶望しつつも決して保守化していない。息も詰まるほどに閉塞した既存の体制・社会を根本的に変革しうる政治勢力と運動を求めている。青年・学生は胎動し始めている。その怒りと結合しうる組織と運動と展望を示せるかどうか----真の革新派=革命派を希求する若者と結びつく言葉と論理を持つこと、これが300万学生の団結をつくり出そうとする全学連運動に問われている。

秋の臨時国会が最初の激突点

 安倍は参院選中に「(改憲)議論を進める候補者か、議論しない候補者かを選ぶ選挙だ」と叫び、開票直後には「私の使命として、残された任期の中で当然(改憲に)挑んでいきたい」と宣言した。21年9月の自民党総裁任期切れまで約2年間、自民党改憲案発議―国民投票勝利へあらゆる政策を動員して攻撃をかけるということだ。臨時国会が最初の激突点だ。
 しかし、改憲は簡単にはいかない。国際的争闘戦が軍事衝突含みで激化する中、日本帝国主義は一刻も早く改憲で「実際に戦争のできる国」に飛躍しなければならないにもかかわらず、参院選結果で改憲賛成派は3分の2を割り込み、労働者民衆の「戦争絶対反対」の怒りと行動が安倍の前に立ちはだかっている。国民民主党を抱き込む策動も一筋縄ではいかない。それを見据え、参院選直後に自民党幹事長・二階俊博は早くも「安倍4選(24年9月まで自民党総裁任期を延長する)」に言及した。
 夏秋の闘いの構造は鮮明だ。改憲案発議阻止を最大課題に臨時国会弾劾闘争を波状的に闘い、11・3労働者集会への職場とキャンパスからの全力結集をかちとろう。そのただ中での天皇即位祝賀キャンペーンとの対決が重要だ。10・22即位礼正殿の儀、11・14〜15大嘗祭(だいじょうさい)を粉砕する闘いを構想しよう。

斎藤同志を早期に取り戻そう

 9月全学連大会への大結集が秋の闘いの出発点となる。それと一体で、京都拘置所にとらわれ続けている斎藤郁真・前全学連委員長の早期釈放を実現しよう。
 斎藤同志の初公判が9月24日(火)午後2時から京都地裁で行われる。5月7日の逮捕―17日の起訴から2カ月半。第1回公判は前例のないほどに先に延ばされた。これ自身が許しがたい学生運動(指導部)破壊攻撃だ。斎藤同志が京都大学全学自治会同学会のビラ配布を手伝っただけで長期に投獄されていることは、警察権力と結託する京大・山極壽一総長体制の反動性を表している。学生運動復権への国家権力・大学当局の恐怖を示している。
 全日建運輸連帯労組関西生コン支部への史上空前の大弾圧への反撃を先端に、労働運動・学生運動・市民運動破壊の弾圧をはね返そう。そして、京大を軸にした新自由主義大学下での攻防に勝ち抜き、300万学生の自己解放的な団結体として全学連運動を復権させよう。
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全学連第80回定期全国大会
 9月14日(土)〜15日(日)
 14日午前10時開始、15日午後5時終了予定
 東京・文京区民センター

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