2019年夏季アピール 戦争と貧困に立ち向かい改憲阻止へ11・3大結集を 関生弾圧粉砕、安倍政権打倒 日韓労働者の国際連帯を貫き、闘う労働組合を全国に作ろう

週刊『前進』04頁(3058号02面01)(2019/08/05)


2019年夏季アピール
 戦争と貧困に立ち向かい改憲阻止へ11・3大結集を
 関生弾圧粉砕、安倍政権打倒
 日韓労働者の国際連帯を貫き、闘う労働組合を全国に作ろう


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(写真 天皇代替わりによる5・1メーデー圧殺攻撃と対決し、改憲・戦争阻止を掲げ銀座デモ)

(写真 「星野さん獄死の責任をとれ!」----星野文昭さんの遺影を掲げ、暁子さん【中央】を先頭に法務省包囲デモを闘った【7月5日 東京・霞が関】)

―1―ブルジョア議会支配が破綻し、安倍は改憲クーデターに突進

 安倍首相は7月22日、参議院選挙後の記者会見で、「(改憲を)議論すべきだというのが国民の審判だ」「与野党の枠を超えて3分の2の賛同を得られる案を練り上げたい」とあくまで9条改憲に突き進むことを宣言した。
 しかし、参院選挙で示されたのは安倍政権の生活破壊、貧困、戦争への怒り、それに全く対決できない国会そのものへの怒りだ。投票率は48・80%と5割を割り、自民党の比例代表の得票数は前回2016年参院選より240万票も減らしている。自民党の選挙区での絶対得票率(全有権者に占める得票割合)はわずか18・9%。マスコミは「若者は自民党支持」とさかんに宣伝するが、10代の投票率は31・33%で、圧倒的多数は棄権している。
 そのうえで、この参院選では、社会の根底からの変革を求める若者の怒りと大流動が、「野党共闘」をのりこえて登場している。4月杉並区議選での洞口朋子議員当選の勝利は、その出発点であった。革共同は青年・学生の新たな決起に真に応える革命党、労働者階級の党として、今こそ根本的な大変革と飛躍への全力を挙げた挑戦を開始しなくてはならない。
 重大なことは日帝・安倍が、改憲攻撃への突進と一体で、韓国に対する全面的な貿易戦争を開始したことである。これは米帝・トランプに続いて日帝自身が戦後的秩序を自ら破壊し、経済と軍事をリンクさせたむきだしの戦争外交にうって出たことを示している。
 安倍は参院選公示と同時に、韓国への半導体材料3品目の輸出規制に踏み込んだ。徴用工訴訟での日本企業の敗訴と損害賠償要求への報復だが、「軍事転用の恐れのある品目の貿易管理」すなわち安全保障を口実とした輸出規制は、日帝の戦後的あり方を根本から転換する。安倍は、「公正かつ無差別な貿易を実現する」というG20首脳宣言を議長国としてまとめた2日後に、それを自ら踏みにじったのだ。韓国への帝国主義的民族排外主義をあおり、それが生み出す軍事的緊張をもてこに、改憲と「戦争のできる国」への転換を一挙に推し進めようとしている。
 これに対し、韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟)は7月16日、「安倍政権の朝鮮半島への21世紀版侵略政策を労働者・民衆の闘いで必ず粉砕する」との戦闘宣言を発した。「日本の経済報復措置は、新たな歴史戦争の宣戦布告だ」と断罪し、「帝国主義列強のあらゆる侵略を防ぎ、克服してきたのは、無力な高官ではなく、血と汗を流して生きてきた民衆だ。労働者民衆が先頭に立ち、イミョンバク・パククネ歴史回帰勢力(軍事独裁政権の復活をたくらむ勢力)を引きずり下ろしたろうそく抗争の力を再び組織し、日本安倍政権の現代版侵略政策を必ず粉砕するだろう」と、日本の労働者階級への連帯を呼びかけている。
 さらに、ホルムズ海峡防衛を口実とした「有志連合」結成を求めるボルトン米大統領補佐官の訪日、訪韓を牽制(けんせい)するように、中国、ロシアの爆撃機、空中警戒管制機が「共同警戒監視活動」を実施。7月23日には独島(トクト、日本名竹島)周辺で韓国軍戦闘機18機がロシア機に360発もの「威嚇射撃」を行い、日本の航空自衛隊機10機も緊急発進して対峙(たいじ)した。7月25日には北朝鮮が新型の短距離弾道ミサイル2発を発射。朝鮮半島をめぐる情勢が再び「一触即発」の状況にたたき込まれた。
 6月28、29日の大阪G20サミット最中の米中首脳会談、直後の電撃的な板門店での米朝首脳会談にみられるように、米中貿易戦争が朝鮮半島、核問題とリンクして軍事的緊張を高めている。この戦争危機こそが安倍と日帝を改憲に突き動かしており、逆に安倍の突出した行動が朝鮮半島と東アジアでの軍事衝突の危険を高めている。今や9条改憲で「戦争ができる国」になる以外に、さらには改憲を待たずしてアジア・中東への自衛隊派兵と実際の戦争に突入する以外に、日帝が帝国主義として生きる道はない。
 労働者階級の回答は一つだ。各国の労働者階級による自国政府打倒の闘い、民族・国籍・国境を越えた階級的団結の形成こそ、帝国主義の侵略戦争、世界戦争を実際に阻止し、プロレタリア世界革命を実現する唯一最大の力である。
 全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧は、この改憲・戦争攻撃を押し通すために、労働組合活動を「犯罪」とする大弾圧だ。弾圧粉砕、関生支部支援の運動を全国各地でさらに押し広げ、11・3労働者集会へ改憲・戦争阻止、関生支部弾圧粉砕、非正規職撤廃、国際連帯の大きな運動をつくり出そう。
 「人間が人間として当たり前に生きられる社会」を求め、獄中44年を闘い抜いた星野文昭同志の革命家魂を引き継ぎ、帝国主義打倒、スターリン主義打倒、プロレタリア世界革命に突き進もう。

―2―世界戦争への道に火をつけた日帝の韓国への貿易戦争突入

 米帝・トランプは「安全保障」の名の下に、IT・ハイテク産業、金融、エネルギー分野で米中貿易戦争にのめり込み、さらに軍事力による戦争重圧を加えている。1990年代の「IT革命」「金融革命」の時と比べ、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの巨大なIT企業、ヘッジファンドなどの米企業が世界中で稼ぎ出す利益は455%も増大した。米企業は世界の上場企業の生み出す利益の3分の1を独占している。そして、トランプの金持ち優先の大幅減税と株価つり上げ政策で米国内は「好景気」を持続している。
 世界の富を独り占めしているような米帝にどうして「アメリカ・ファースト」「アメリカを再び偉大に」を叫ぶトランプが登場したのか。世界に貿易戦争と戦争をまき散らしているのはどうしてなのか。
 アメリカでは、労働組合を徹底的に弾圧して社会を崩壊させるほどの規制緩和が強行され、自動車産業を典型とする国内製造業の崩壊が進み、その上にGAFAやヘッジファンドが利益を独り占めにする構造がつくられてきた。2008年リーマン・ショックでは、米政府と連邦準備制度理事会(FRB)が不良債権を買いあさって金融資本を救済した。その結果、1%の富裕層が米国家計資産の32%を占め、下層50%の資産は数%にも満たない恐るべき格差がつくられた。中間層の没落と社会の崩壊だ。
 トランプが語るような「アメリカ製造業の復活」など絶対にありえない。「世界の警察官」としての力もない。だからこそ、米帝が生き残るためには、自らと対立する中国、日本、ドイツなどの生産構造を破壊するしかない。中国を「世界の工場」として成立している国際生産構造=サプライチェーンそのものを粉砕し、再びアメリカの覇権を打ち立てようとするものだ。

大恐慌の再爆発

 トランプの貿易戦争は、08年リーマン・ショックをも超える世界大恐慌を再爆発させる。これは、世界の帝国主義・大国を軍事経済へと追い立て、市場と資源の分割、再分割戦としての侵略戦争、世界戦争を必ず引き起こす。
 第一に、米中貿易戦争が世界経済にもたらす影響の大きさだ。世界の名目GDP(国内総生産)は18年に約86兆7583億㌦、米はその23・6%の約20兆4941億㌦、中国は15・5%、約13兆4074億㌦、米中で世界全体の40%を占める。
 しかもそれは、国際的な生産構造で結びついているからこそ、貿易問題となる。米GDPの7割近くが個人消費で、例えば米国内で販売されているスマートフォンの8割、ノートパソコンの9割が中国でつくられている。しかも一つの製品の生産工程を複数の国が受け持つ分業体制、つまり、日本、韓国、台湾、東南アジアから部品を輸入して中国で組み立てるという構造だ。米国内市場から中国製品を閉め出すことは、このサプライチェーンを破壊し、世界経済を分断、分裂させる。帝国主義・大国が対抗的なブロックを形成し、軍事経済に突入する。
 しかし、華為技術(ファーウェイ)やトヨタ、BMWなど米国市場に参入する他国企業を排除すれば米の国内製造業が復活するのか、そんなことは絶対にありえない。クアルコムなどの電子機器の中枢を担う米半導体企業も、製品製造は台湾企業に委託するファブレス(工場を持たない)企業になっている。「軍需産業でさえも外国の部品がないと成り立たない米国の脆弱(ぜいじゃく)性」(2月24日付朝日新聞)からは逃れようがないのだ。
 第二に、今日の米国の「好景気」はトランプの大幅減税と低金利による株高、シェールガスによる原油安に支えられたバブルでしかない。すでにバブル崩壊の兆候が見られる。
 昨年の米国の証券化市場の規模は1・6兆㌦、リーマン・ショック直前の2兆㌦に迫る。そのうち格付けの低い企業への融資をまとめたローン担保証券(CLO)が6100億㌦に達する。リーマン・ショックは住宅のサブプライムローンが引き金となったが、CLOが破綻すれは企業倒産と金融恐慌が完全に連動する。
 第三に、主要国の中央銀行には、金融恐慌に対応できる体力がすでになくなっている。
 リーマン・ショックの時は、FRBが不良債権を大量に買い入れた。その結果が米政府債務の22兆㌦への膨張だ。リーマン・ショック後、中国の4兆元(約66兆円)の公共投資など、各国の政府、中央銀行が公的資金を投入して企業を救った。その結果が各国の巨額の財政赤字だ。
 中国でも国内の債務残高はGDP比で250%と過去最高になり、工場閉鎖やベトナムなどへの移転が進んでいる。英国のEU(欧州連合)離脱問題など、貿易戦争が金融恐慌を引き起こす危機が迫っている。
 昨年3月の日銀の総資産が約528兆円、FRB約482兆円、ECB(欧州中央銀行)が約581兆円。金融恐慌で株価、国債が暴落したら日銀が真っ先に破綻する。企業救済に財政が出動する余力はない。何よりも世界的な低金利で、金融恐慌が実体経済に波及することを防ぐいかなる手だてもない。

軍事衝突の切迫

 米中貿易戦争、イラン核合意離脱と原油禁輸、ロシアや北朝鮮への経済制裁など、トランプは核戦争も辞さない軍事的重圧で相手国の屈服を引き出そうとしている。国家の存亡をかけた攻防は、世界経済の破壊とともに、軍事的衝突と戦争の拡大、世界戦争を不可避とする。米中貿易戦争は中国への事実上の国家解体要求であり、それが北朝鮮の核問題と絡み合い、朝鮮半島から台湾海峡、南中国海、そして中東ホルムズ海峡まで、全世界を巻き込む争闘戦と軍事的緊張を激化させている。
 そして今、トランプに続いて日帝・安倍が対韓国の貿易戦争に踏み込んでいる。安倍政権は貿易上の優遇措置を適用する安保上の友好国「ホワイト国」リストから韓国を除外することで、1100品目の工作機械、電子部品などへの輸出規制に8月中にも踏み切ろうとしている。
 日帝は日米貿易交渉で自動車の数量規制とともに、円安誘導を禁じる「為替条項」を突きつけられ、国際争闘戦での敗勢にあえいでいる。米帝からはさらに、ホルムズ海峡への有志連合参加と自衛隊派兵、在日米軍駐留費負担の大幅引き上げ(5倍化)などが突きつけられている。中東石油の確保は日帝にとっては死活問題であり、そこをにらんだ米帝の対日争闘戦だ。
 追いつめられた日帝の大資本と安倍政権は、もはや自前の軍事力と軍事大国化・核武装化をもってアジアと世界への帝国主義侵略戦争に踏み出していく以外にないと決断し、なりふり構わずその道を突っ走り始めたのだ。安倍による韓国敵視政策とすさまじい排外主義・国家主義の満展開の背後には、この日帝の絶望的危機がある。
 だが、この世界戦争危機と真っ向から対決して、国際労働運動と国際階級闘争の新たな発展が全世界で始まっている。韓国で、香港で、中国で、アメリカで、フランスをはじめ欧州各地、トルコ・中東、中南米、ロシア、アフリカでも、全世界いたるところで労働者階級のストライキや大デモが起きている。
 本質的に世界単一の階級である労働者階級の国際的に連帯した決起の中にこそ、戦争を止め、資本家階級の支配を全世界的に打ち倒し、社会を変革する力があることを確信しよう。日本での安倍政権打倒の闘いがますます決定的だ。全力で今秋決戦に突き進もう。

―3―非正規だけの社会にさせない、大運動を総力でつくり出そう

 自衛隊の海外派兵、9条改憲と戦争は、日帝・安倍が世界大恐慌と世界戦争の時代に帝国主義として生き残る唯一の道だ。今秋決戦は歴史を分かつ分岐点となった。「改憲・戦争阻止!大行進」運動を労働者民衆、若者、女性の新たな政治行動として押し広げ、11・3全国労働者総決起集会への大結集運動をつくろう。改憲・戦争阻止!大行進運動と「非正規職だけの社会をつくらせない」運動を2本柱として、安倍政権打倒へすべての闘う労働者人民の力を結集する大運動を職場、学園、地域でつくり出そう。
 8月広島・長崎反戦反核闘争はその突破口だ。8月6日、原爆投下のその時に核反対・戦争反対の声を上げさせないという安倍の意を受けた広島市による弾圧をはねのけ、怒りのヒロシマ大行動をかちとろう。ここから今秋決戦の火ぶたを切ろう。

⑴労働組合の全面解体狙う関生支部への大弾圧許すな

 関西生コン支部への弾圧、労働組合つぶしを絶対に許さない。昨年7月の滋賀県警組織犯罪対策課による「恐喝未遂」のでっち上げ逮捕から、この1年間に15波の弾圧で延べ84人の組合員などが不当逮捕、59人が起訴(7月22日現在)というすさまじい攻撃がかけられている。
 第一に、労働組合が行う団体交渉、ビラまき、工事現場での違法行為を指摘する活動、ストライキが「恐喝未遂」「威力業務妨害」とされ、まったく正当で合法的な組合活動それ自体が「犯罪」とされている。京都府ではトラック運転手が関生支部を通して正社員にするように求め、あるいは保育所に子どもを預けるために就労証明書を求めたことが「強要未遂」という犯罪にされて不当逮捕されているのだ。
 そこでは、運転手は「請負(自営)」だから会社に団交に応じる義務はないとされている。しかし実体は会社専属の運転手でタイムカードで管理され、作業服なども供与されていた。労働者性は明らかであり、労働三権は保障されなくてはならない。すなわちこの弾圧は、憲法28条の団結権、団交権、争議権を否定して、労働組合活動そのものを非合法とする攻撃なのだ。
 第二に、武建一委員長の度重なる逮捕、武谷新吾書記次長の逮捕をはじめ労組執行部と活動家を獄に奪い、関生支部を壊滅しようとする弾圧だ。「共謀罪」=現代の治安維持法の先取りとして、現場行動に参加していない執行部が逮捕・起訴されている。再逮捕・再々逮捕、長期勾留、1人最高1千万円もの高額の保釈金、組合員との接触禁止など組合活動を禁止する保釈条件、さらに家族への嫌がらせ、解雇や仕事はずし。そしてマスコミは、執拗(しつよう)に関生支部を犯罪者集団、反社会的集団のように宣伝する。
 第三に、だが関生支部はこの大弾圧に対し、団結を武器に不屈に闘い抜いている。関生支部は、低賃金、非正規、日々雇用など無権利の状態に置かれた生コンクリート輸送のミキサー車運転手の団結を軸に結成され、労働条件と運賃の改善、中小零細の生コン製造業者の協同組合への組織化などを取り組んできた。「フリーランスは労働者ではない」とする「働き方改革」攻撃を現場から打ち砕く労働組合運動として、関生支部の不屈の闘いと団結がある。
 第四に、関生支部弾圧は国鉄分割・民営化以来最大の労働組合つぶしの攻撃であり、「労働組合のない社会をつくる」攻撃だ。労働組合の団結がある限り、9条改憲も戦争も貫徹できない。9条改憲は資本家階級によるクーデターであり、安倍はそれが労働者階級の広範な怒りの反撃を生み出し、政府打倒の闘いに発展することを心底恐れているのだ。
 改憲阻止決戦は関生支部弾圧との闘いとしてすでに激しく開始され、全国の多くの労働組合、民衆が関生支部支援の運動を開始している。関生支部を守り、弾圧粉砕の声を全国で組織しよう。関生支部と全国金属機械労働組合港合同、動労千葉の3労組が共闘して呼びかけ推進してきた11月労働者集会を、関生支部弾圧粉砕の大集会としてかちとろう。

⑵「労組なき社会」をつくるJRの攻撃に総反撃しよう

 この関生弾圧粉砕を先頭に、「労働組合のない社会をつくる」資本攻勢と対決し、闘う労働組合を職場の仲間とともにつくり出そう。その軸は国鉄労働運動だ。
 JR東日本は「変革2027」の下で、運転士・車掌の廃止、検修業務や駅業務の外注化などの大合理化をしかけている。鉄道業務を全面的に分社化し、そこに労働者を転籍させようとしているのだ。国鉄分割・民営化を超える大攻撃が始まった。来年度の社員募集要項では、運転士・車掌は「事務職」とされている。事務をしながら運転業務ができるとでも言うのか。「社員の働きがいの創出」という聞こえの良い言葉とは裏腹に、鉄道の安全を破壊して極限的な労働強化ですべての矛盾を労働者に押しつけようというのだ。
 そして、労働組合に代わって職場を支配するのが「社友会」だ。社友会の規約には、労働組合員には入会資格がないことが明記され、「効率的で働きがいのある職場づくり」が目的とされている。これはJRだけの問題ではない。「働き方改革」で雇用を破壊した上での労働者支配のモデルケースとして、JR東の労働組合つぶしと社友会がある。国鉄分割・民営化から雇用破壊が始まり、非正規職化が全社会的に進行したように、新たな労働者支配を全社会に広げようとしているのだ。
 動労千葉はこの攻撃の本質をとらえ、職場から団結をつくる新たな闘いを生み出している。乗務員勤務制度改悪=ジョブローテーション攻撃に対し、JR職場に渦巻く不安と怒りの先頭に立ち、職場代表選挙をとおして、JRによる社友会づくりをJR資本の最大の破綻点に変えて闘い抜いている。
 動労千葉の関道利副委員長は昨年に続き、JRグループ会社の千葉鉄道サービス(CTS)の最大職場、幕張事業所の職場代表選挙でCTS労組委員長に大差で勝利した。昨年の選挙で職場代表となった関副委員長は検修、清掃などの各職場を回って問題点を集め、毎月の労働安全衛生委員会で交渉して、その中身を「安衛だより」をつうじて職場全体に知らせてきた。具体的な改善も数多くかちとられ、職場代表者が労働者の立場に立つことで、労働者が団結すれば職場を変えられるということが示された。
 雇用形態で分断する労働者支配をいかにのりこえ団結の力に転じていくか、全国の職場、産別での格闘が日々闘われている。その大きな教訓が動労千葉の職場での闘いにある。「働き方改革」を職場から打ち砕く新たな労働組合運動を、動労千葉に学んでともにつくり出していこう。
 6・9コンビニ関連ユニオンの結成と7・11ストは、新自由主義の典型的な職場であったコンビニを逆に階級的労働運動の拠点に変えていく新たな闘いの始まりだ。「過労死社会」「総非正規職化」を根底から打ち砕く闘いに全労働者が立ち上がる時だ。JRでの闘いと並び、合同・一般労組全国協議会の闘い、自治体での会計年度任用職員制度絶対反対の闘い、労働条件の極限的な劣悪化に対する郵政労働者の決起をはじめ、全国・全産別で労働者の生きるための総反乱をつくり出そう。

⑶被曝強いる常磐線の全線開通許さず9・22水戸集会へ

 「高線量地帯に向かって列車を走らせるな!9・22水戸集会」が呼びかけられている。福島県内の小児甲状腺がんは疑いを含めて、県の発表でも218人だ。本当に多くの子どもたち、青年の生活と未来が脅かされているときに、政府と県は「現時点で甲状腺がんと放射線被曝との間に関連は認められない」という結論を出そうとしている。すべては安倍の(福島第一原発事故をめぐり)「状況はコントロールされている」というウソを押し通すための国家犯罪だ。
 その先頭に立つのがJR東日本だ。JR東日本水戸支社は2020年3月末までに常磐線富岡―浪江間の運転を再開し、東京(品川)―仙台間で特急列車を運行すると発表した。常磐線全線開通で、原発事故による被曝と健康被害を覆い隠そうとしている。福島の怒りとともに真実を暴くのが9・22集会だ。
 常磐線は住民が帰還できない帰還困難区域を通過し、事故を起こした福島第一原発の直近を運行する。乗務員・乗客を被曝させ、危険にさらすような運行再開など絶対に認められない。そして放射性物質で汚染された電車の清掃、検修が勝田車両センターの労働者に押しつけられる。動労水戸は、原発事故で被災・被曝したK544車両の検修、清掃を許さない闘いを職場で闘い抜き、反原発、合理化反対闘争を全労働者階級の立場に立って闘う、労働組合の真価を発揮した。
 JR東水戸支社は被曝労働をさせるために、20人を超える運転士・車掌を原ノ町運輸区に転勤させようとしている。労働組合つぶし、「社友会」づくりの目的がここにもはっきりと示されている。「労働組合のない社会」が意味するのは、労働者民衆に被曝を強制し、子どもたちの未来を奪うことなのだ。
 常磐線開通反対は、東海第二原発再稼働を許さない運動とも一つの闘いだ。東海村など茨城県北部も福島第一原発事故で被曝している。避難計画など絶対に成り立たないことは、すでに明らかだ。
 安倍は福島の怒りの爆発を心底恐れている。「復興オリンピック」など粉砕あるのみだ。ふくしま共同診療所と動労水戸・動労福島が両輪となって、地の底から噴き出すマグマのような福島の怒りを解き放とう。放射能汚染地域への帰還強制と闘い、原発再稼働阻止を闘うすべての住民とつながろう。
 広島教職員100人声明運動が始めた、放射線安全神話をふりまく文科省「放射線副読本」の回収を求める闘いを、戦争教育反対と一体の新たな教育労働者運動として闘おう。

⑷改憲発議と天皇制反革命に対決する11・3労働者集会

 11月労働者集会は、改憲のための国民投票法の改定、自民党改憲案の提示と改憲発議を狙う臨時国会と対決する闘いだ。ホルムズ海峡への自衛隊派兵や朝鮮半島への軍事介入・再侵略を狙った安倍政権の戦争策動を、闘う労働者階級の総決起で実力阻止する反戦闘争でもある。
 そして、関生弾圧をはじめとする労働組合つぶしと対決し、国鉄決戦を軸に「非正規職だけの社会」をつくらせない闘いだ。
 この闘いは同時に、沖縄の怒りを無視・圧殺して辺野古新基地建設をあくまで強行し続ける日帝・安倍政権との全面対決である。また、成田空港の軍事空港としての建設と機能拡張を狙う日帝の前に不屈に立ちはだかってきた三里塚闘争の、新たな発展をつくり出す闘いでもある。さらに、「改憲・戦争反対」の声をことごとく圧殺することを狙ってしかけられている10〜11月の天皇ナルヒト即位儀式との大激突であり、天皇制イデオロギー、天皇制右翼との激しい闘いとなる。
 「国民統合の象徴」としての天皇制の役割とは何か。若者たちを帝国主義戦争に動員して他国の労働者と殺し合いをさせることだ。天皇制とはブルジョアジーとその国家への怒りをそらし、ねじ曲げて、日本の労働者人民を帝国主義戦争に動員するためのものだ。国家権力に逆らう者を天皇制に従わない者、「非国民」として、反革命テロルの対象として襲いかかる。労働者階級の階級性への憎悪、暴力と差別主義による分断だ。沖縄・辺野古の闘いや8・6ヒロシマ闘争への天皇制右翼の執拗な攻撃こそが、天皇制の本性だ。
 今年の5・1メーデーを「令和誕生の日」として、メーデーを粉砕しようとしたことはその典型だ。関生支部、動労千葉を先頭に改憲・戦争阻止!大行進として、首都厳戒態勢をぶち破る実力闘争としてメーデーを闘い抜いたことは決定的だった。
 天皇制打倒が労働運動、階級闘争の課題となった時に、日本帝国主義の脆弱な本性もまたあらわとなる。政府と資本が労働者階級を食わせていくことすらできなくなっているから、天皇制が登場しているのだ。天皇制に絶対反対で闘う労働者階級の団結が貫かれる時、資本と国家の本性も暴かれ、天皇制イデオロギーの虚構も暴かれる。
 日本共産党の天皇制への早々とした屈服、現天皇ナルヒト即位に対する「賀詞」への賛成は本当に許せない。天皇制打倒、東京オリンピック粉砕を沖縄、福島、広島、三里塚の怒りとともに闘おう。天皇即位儀式との全面対決を、改憲・戦争阻止決戦をプロレタリア革命に転化する飛躍点として闘い抜こう。その一切を改憲・戦争阻止!大行進運動の一大発展としてかちとろう。

9月全学連大会へ

 学生戦線は今こそ全労働者人民の最先頭で改憲発議阻止、安倍政権打倒の闘いに総決起しよう。9月全学連大会への大結集をかちとり、新自由主義大学下でのキャンパスをめぐる攻防に勝ち抜き、臨時国会闘争から10〜11月天皇即位儀式粉砕の闘いに攻め上ろう。京大弾圧で不当逮捕され獄中にある斎藤郁真・前全学連委員長の早期奪還を実現し、全学連運動の本格的復権へ突き進もう。

⑸杉並選挙の勝利ひきつぎ若者と女性の力引き出そう

 7月参院選の結果は、4月杉並区議選での洞口朋子議員の勝利に続いて、若者や女性の中に現在の社会と政治に対する根源的な怒りが渦巻いていることを示した。
 杉並区議選では、「選挙に行きたくとも行けない若者の思いとともに闘いたい」「若者の力で未来を変えよう」という洞口さんの訴えが大きな感動を生み、青年たちの本当に主体的、自主的、創意的な選挙運動、政治行動への決起をつくり出して勝利した。
 麻生副総理兼財務相は、「(10代から30代は)一番新聞を読まない世代だ。新聞読まない人は、全部自民党なんだ」(6月24日)などと言い放っている。若者は自民党支持なのか? それは違う。多くの若者は現在の生活を、社会を、根本から変えたいと思っている。だが、死ぬほど働いても食べていけない生活の中で政治を奪われ、「自己責任論」で追いつめられるとともに、闘う政党を見いだせない。自民党とともに資本主義を守り、貧困と非正規職化を進めている日本共産党や野党、連合などの体制内勢力に若者は絶望し、怒っているのだ。
 職場で、駅頭で、ネットで、青年労働者や女性労働者との具体的な結びつきを生み出していくなかで、本当に生きていくための団結、労働組合をつくり出していく闘いが始まった。それはまだ出発点だが、巨大な可能性を持っている。
 さらに、杉並区議選の渦中で始まった阿佐ケ谷地区北部再開発の白紙撤回を求める署名運動は、住民の生活破壊・地域破壊を絶対に許さない杉並区民自身の運動へと発展した。7月17日、区民の要求によって開催された公聴会では、田中区長による住民無視と利権まみれの再開発計画にあらためて怒りが爆発した。
 再開発とは行政と大資本が結託して学校、病院、商店街などを徹底的に破壊し、資本の金もうけに変えてしまう攻撃だ。そして、資本の論理で教育や医療や社会を支配して職場や地域の団結を解体し、「戦争のできる国」をつくっていく改憲攻撃でもあるのだ。だからこそ、労働組合が軸となって地域と社会全体を闘いに組織した時に、あらゆる分断と攻撃を打ち砕くことができる。阿佐ケ谷再開発白紙撤回の闘いはこれからだ。洞口区議を先頭に闘おう。
 この闘いは、小池百合子東京都知事による築地市場解体・豊洲移転強行、市場民営化の策動に対する不屈の闘いの継続とも結合して、首都における小池打倒、新自由主義粉砕の闘いに必ず発展する。2020年東京オリンピック粉砕の闘いとも一体だ。東交をはじめとする都労連労働者の決起をテコに、首都東京での民衆の大反乱をつくり出そう。

⑹星野さんの精神を継承し国家権力追いつめる闘いへ

 星野文昭同志を生きて取り戻すことができなかったことは本当に痛恨の極みだ。星野同志を獄死に追い込んだ国家犯罪への怒りを抑えることは絶対にできない。星野暁子さんが「文昭が生涯かけたすべてを引き継ぐ」と、ご家族のみなさんとともに第3次再審請求裁判など、星野精神継承の先頭に立っている。ともに団結して闘い抜こう。
 星野さんを直ちに取り戻す闘いはこの2年間、2万人の要望書、全国約200カ所での絵画展、計3回・5紙への新聞意見広告掲載など、かつてない大衆運動として闘われた。最高検察庁は「マル特無期」という無期懲役の終身刑化を超法規的につくり上げた。戦争への治安弾圧、厳罰化だ。星野さん奪還の闘いは、星野さんの無実・無罪とともに獄中44年の闘いの正義性と国家の暴力性を訴え、階級的な怒りで更生保護委員会を包囲する階級決戦として闘い抜かれ、完全に国家を追いつめた。
 法務省と徳島刑務所の最後のあがき、許しがたい攻撃が肝臓がんの隠蔽(いんぺい)と医療放棄、獄死攻撃である。星野さんは最後まで誇り高く、未来を信じて闘い抜いた。星野精神を継承し、人間解放をめざしてともに闘い抜こう。「星野文昭さん追悼 獄死・国家犯罪を許すな7・26全国集会」は、新たな星野闘争の思いと決意をひとつにした。
 法務省、徳島刑務所、東日本成人矯正医療センターなどの医療放棄、獄死攻撃の責任を徹底追及し、真実を暴く国家賠償請求訴訟に絶対勝利しよう。星野暁子さん、ご家族とともに、この2年間の力をさらに倍する力で第3次再審請求裁判闘争をかちとろう。
 そして、星野さんの再審・無罪をかちとる闘いと一体の新たな星野闘争として、大坂正明同志の無実を明らかにし、その奪還をかちとることだ。大坂さんへのでっち上げの構図は星野さんと全く同じで、証拠は「共犯者」のでっち上げ供述のみだ。検察と警視庁が隠しているすべての証拠が開示されれば、大坂さんと星野さんの無実はすぐに明らかになる。それを恐れる東京地裁は、裁判員裁判にして拙速な審理で事実を隠蔽しようとしている。この策動を打ち破ることが現下の最大の攻防だ。大坂さんの無罪・釈放をかちとる大運動をつくり出そう。

結語 本物の労働者党への革共同の大変革かちとろう

 今や、新たな革命の時代に対応した革共同の大変革が求められている。それは、革命をめざす労働者階級の党としての根底からの変革だ。革共同綱領草案第1項の冒頭に掲げた「労働者階級の解放は労働者自身の事業である」というマルクス主義の原則に立ち切ること。これまで党の内部にも生まれてきた、この原則からの逸脱や、現場での格闘の激しさと困難さを避けて通ろうとする傾向を、自らの内側から徹底的にたたき出すこと。そしてロシア革命に勝利したボリシェビキのような、本物の革命的労働者党に生まれ変わることである。
 革共同は、1962年の第三回全国委員会総会(三全総)で、スターリン主義によるマルクス主義の歪曲(わいきょく)を突破し、スターリン主義と決別した自らの党を党として本格的に確立した。そして労働者階級の中に広く深く分け入り、対資本、対権力の闘いを現場労働者とともに闘い抜くことをとおして職場に階級的団結を築き、発展させ、プロレタリア革命を準備する闘いを開始した。この三全総の原点に立ち返り、何よりも、労働組合と労働運動をこの日本の地に本格的によみがえらせる闘いに、指導部を先頭に全党員が本気で、火の玉となって突入することだ。
 さらに、新自由主義・資本主義の打倒と「誰もが人間らしく生きられる社会」を求めて歴史的な行動に立ち上がり始めた若者や女性と真剣に向き合い、結びつき、彼らの闘いと力を党の力に変えて、ともに革命勝利に向かって進むことである。革共同を「青年・学生の党」に、今こそ本当に生まれ変わらせよう。
 政治警察との闘いに勝ち抜くことは、ここにおいてますます決定的な重要性、死活性をもっている。党の非合法・非公然体制の建設が一切の土台だ。党活動の根幹がブルジョア国家権力に対して秘匿(ひとく)され、権力による襲撃や破壊から守られていてこそ、党は思い切って広範な労働者人民大衆とより深く結びついていくことが可能になる。非・非党建設の闘いをさらに強化しよう。
 労働者階級と深く結びついた日常的な実践をとおして党の革命的規律と細胞性を確立・再確立し、強化しよう。機関紙「前進」を闘う労働者の新聞として飛躍的に拡大し発展させよう。財政活動は党建設の基礎であり、最大の土台だ。ここでの大前進を変革的にかちとろう。

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