団結ひろば 投稿コーナー

発行日:

週刊『前進』04頁(3058号04面06)(2019/08/05)


団結ひろば 投稿コーナー

ブラック教育現場変えよう
 広島大学 赤井 翼

 7月25日、広島大学キャンパスで「ブラック教育現場を変えよう」と題し「改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明」の先頭に立っている小学校現場教員の講演会を行いました。
 「日本の先生は世界一忙しい」(産経新聞7月18日付)。授業時間は世界的な平均と同程度でも、事務作業と授業計画準備に膨大な時間がとられ、週50時間を超える労働が普通という状況です。残業代さえ出ない。わずか月給の4%(約8時間の労働分)を支払えばいくらでも残業させられるという「給特法」には驚かされました。
 誤字脱字でも訂正を求められ、忙しい教務主任などを何度も通さなければ承認されない煩雑な書類事務。教育委員会や文科省へ出すいじめに関する報告数の数合わせなどを必死にさせられる現場。いじめを受けている子どもに直接対応すると上から怒られるめちゃくちゃさ。子どもと向き合うことよりも、書類や校長・文科省の顔色ばかりうかがうシステムなのです。
 こんな環境でも闘えるんだと、先生自身の闘いが報告されました。うまい話ができなくてもまず声を上げる、怒りや困っていることを率直にみんなに訴えるなど、とてもシンプルです。
 原発問題をなかったことにする放射線副読本の問題を訴えたら、子どもへの配布がとりやめになったことなどが紹介されました。
 闘いを始めれば必ず同僚たちは応えてくれる。かつて文科省から平和教育や人権教育への「是正指導」攻撃が激しく吹き荒れた広島で、「目立つな」「心の中だけで闘え」と組合本部は闘いを切り縮め、教員をバラバラにし、声を上げられなくなり、労働環境が破壊されていきました。この悔しさを乗り越えて100人声明運動が始まっているということです。
 質疑応答では学生から活発に質問が出され、講演会後の感想にも「ぐちが改善につながるという言葉が印象に残った」「今の日本の教育の問題が見えてきた」と書かれていました。

ブルジョア議会の欺瞞暴け
 北海道 雪村麻琴

 参議院選挙の結果は、自民・公明・日本維新の会などいわゆる改憲勢力が3分の2以上の議席は獲得できなかった。
 私が驚いたのは、れいわ新選組が2議席を獲得し、NHKから国民を守る党(以下、N国党)も1議席を獲得し、既成政党で「護憲」を自負する社民党と比例代表における票差はわずか55万票ほどであった。
 参議院選挙過程で私はツイッターなどSNSを見ていて、れいわ新選組に対する労働者人民の「幻想」があまりにも強いと感じた。山本太郎自身は「保守ど真ん中」を自負する人物であり、国政選挙初当選後には園遊会で「アキヒト」に手紙を渡したりした。れいわ新選組の政党名は「元号」と幕末の京都における幕府側弾圧組織の名称を合わせたものだ。名称からして明らかに反動政党だ。もちろん、階級的労働運動を否定していると思う。
 このような政党が2議席も獲得したのは、労働者が既成政党に未来は無いと感じた側面もあるが、極右政党が議席を獲得してしまうのは、ブルジョア議会で「社会は変えられる」的な意識、ブルジョア議会で改憲・戦争阻止が可能と考える労働者が多いことの表れだと思う。彼らにブルジョア議会の欺瞞(ぎまん)、階級的労働運動路線を説明し理解してもらい、最終的には革共同へ獲得しなければならない。
 参院選に立候補予定だった斎藤いくまさんがでっち上げ不当逮捕され、未だに勾留されている。杉並区議選では洞口朋子さんが上位当選した。今後も革共同は積極的に議会選挙に候補者を立てるべきだ。「野党共闘」や既成政党に幻想を抱く労働者のためにも。

入管の人権侵害に衝撃受け
 東京大学 松木 進

 7月24日、上智大学で開催された「入国管理センターのハンスト 一大事? いつものこと?」というイベントに参加しました。
 入管では、ひどいことが行われているというイメージこそありましたが、詳しい事情は知らず、支援者から次々と明らかにされる事実に衝撃を受けました。
 今、茨城県牛久市にある東日本入国管理センターでは約100人もの被収容者がハンガーストライキに突入しています。このハンストは、過去最大規模であり、水さえ飲もうとしない人もいるそうです。身体を危険にさらしてでも抗議に立ち上がるのは、先の見えない長期収容と劣悪な環境に抗議し、制限つきの一時的な収容停止=「仮放免」を得るためだといいます。
 被収容者の中には、戦争や迫害によって、国籍のある国に帰れない事情がある難民申請者や、日本で生まれ育った外国籍の人もいると知り、驚きました。長崎県の大村入管では死亡事故も発生しており、懲罰だと言わんばかりの人権侵害に言葉を失います。
 こうした状況の中でも、牛久入管収容所問題を考える会や難民支援を行う学生団体が被収容者との面会や情報提供などの支援を行っており、その地道な活動に頭が下がる思いです。
 一方で、まだまだ社会の認知度は低く、先の参院選でも争点にならなかったという声も聞きました。入管内外での闘いに連帯すると共に、分断と差別を乗り越え、人間が人間らしく生きられない社会を根本から覆す運動が求められていると感じます。脈々と活動を続けられてきた方々に敬意を表し、私もできることから始めようと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加