改憲絶対阻止に立とう 安倍の狙いは独裁と戦争だ 労働組合軸に今こそ反撃を

週刊『前進』02頁(3075号01面01)(2019/10/10)


改憲絶対阻止に立とう
 安倍の狙いは独裁と戦争だ
 労働組合軸に今こそ反撃を

(写真 11・3集会に向け秋葉原駅前で街宣 労働問題のシール投票も行い多くの労働者と交流【10月5日】)


 10月4日に開会した臨時国会の所信表明演説で、安倍は与野党をあげて改憲に取り組むことを首相の立場から強く要求した。自ら掲げた「2020年までに新憲法を施行」という目標に執着し、遅くとも自身の自民党総裁任期中の21年9月までには何が何でも改憲を成し遂げようと必死になっているのだ。だが、このように安倍が改憲に前のめりになるほど、労働者民衆の怒りと行動もますます広がる。すべての人が改憲への賛否を問われ、誰一人政治に無関心ではいられなくなる中で、かつてない激動情勢が始まることは不可避だ。今こそ改憲阻止・安倍打倒の歴史的決戦へ立ち上がろう。そしてその力で社会を根本から変革しよう。

最大の眼目は9条の破壊

 「令和の時代に日本がどのような国をめざすのか。その理想を議論すべき場こそ憲法審査会」「国民への(国会議員としての)責任を果たそうではありませんか」----安倍は所信表明演説の最後でこのように強調した。演説では、特に「令和の時代の新しい国創りを」といったフレーズを多用し(短い演説の中で「令和」を9回も連呼)、改元と天皇代替わりを最大限利用して改憲への世論をあおり立てようというもくろみをにじませた。すでに自民党は「改憲は他のいかなる法案よりも重要」(幹事長・二階俊博)として今国会の提出法案を15本まで絞り込み、まずもって改憲国民投票法の改定に野党を引き込もうとしている。
 本紙でも繰り返し明らかにしてきた通り、安倍・自民党が狙う改憲の最大の眼目は、「必要な自衛の措置をとる......そのための実力組織」として「自衛隊」を憲法に明記することにある。これにより、「戦争放棄」をうたった現行憲法9条はまったくの有名無実と化し、「自衛の措置」と称したあらゆる戦争行為=武力行使が合憲化される。さらに「必要な実力組織」の保持が憲法で義務付けられ、軍事力の果てしない増強が何の制約もなく進められることになる。軍事費も青天井で膨れ上がり、さらなる大増税と社会保障の大幅削減は不可避となる。そして兵員確保のために学校や自治体に自衛隊への協力が義務付けられ、やがては徴兵制の導入へと必然的に行き着く。真っ先にそのターゲットにされるのは未来のある青年世代だ。
 「戦争する国」への転換は、とりわけ日米安保体制の再編・強化という形で具体的に推進されている。すでに米トランプ政権は、8月にロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約が失効したことを受け、同条約で製造を禁止されていた新型中距離弾道ミサイルを新たに開発し、今後2年以内に沖縄など日本各地に大量配備することを計画している。こんな計画が強行されれば沖縄と本土は核先制攻撃の出撃基地となり、東アジアに恐るべき軍事的緊張と核戦争危機がもたらされる。地元住民は基地負担の大幅増加はもとより、実際に戦争になれば真っ先に攻撃を受けることになる。
 安倍が改憲の口実として掲げる「自衛のため」「国民の命を守るため」などといった言葉がまったくの虚言であることは、この一点だけでも明らかだ。

怒りの声を11・3日比谷へ

 臨時国会開会と同じ10月4日、香港では、林鄭月娥(りんていげつが)行政長官が「緊急状況規則条例(緊急法)」の発動に踏み切り、デモの参加者がマスクなどで顔を覆うことを禁止する「覆面禁止法」を成立させた。緊急法の発動は実に52年ぶりで、香港返還後初となる。行政長官に強大な権限を集中し、立法会(議会)の審議を経ずにどんな法令も制定できるようにするもので、香港市民のあらゆる権利の制限、交通・通信の遮断、デモ・集会の禁止、財産の没収なども可能となる。
 安倍が9条破壊と並んで最も強くこだわる「緊急事態条項」の導入も、これとまったく同じものだ。だが香港では、青年をはじめとするデモ隊は緊急法発動後もマスクを着けて実力デモを敢行し、行政府をますます追い詰めている。その不屈の闘いを支えているのはストライキで闘う労働組合(香港職工会連盟)の存在だ。労働者階級の団結した闘いがある限り、どんな弾圧も闘いをおしつぶすことはできないのである。
 だからこそ、安倍政権は改憲への策動と並行して労働組合破壊を狙い、日本を「労働組合のない社会」に変えようとしている。全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への史上空前の大弾圧は、9月までに逮捕者87人、起訴者67人に達しているが、そもそも関西生コン支部の活動で「犯罪」とされるべきものなど一つもない。本来なら労働組合法の刑事免責の対象となるはずの正当な組合活動ばかりだ。これと並んで、JR職場では会社が独自に社員を囲い込んだ「社友会」が組織され、労働組合を無視して社友会との合意だけで賃金・雇用などの労働条件を改悪できる仕組みがつくられようとしている。
 改憲阻止の闘いの勝敗を決するのは、何よりも労働組合をめぐる攻防だ。安倍の労働組合つぶしの攻撃を現場から打ち破り、闘う労働組合をあらゆる職場によみがえらせよう。11・3全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人行進はそのための総決起の場であり、韓国で「ろうそく革命」を実現した民主労総ソウル地域本部と共に開催する国際連帯集会だ。政府・マスコミが一体となった韓国バッシングを打ち破り、日韓民衆の熱い国際連帯のきずなをうち固めよう。
 安倍は7月参院選で「改憲を議論すべきと国民の審判が下った」などと息巻いたが、全民衆の怒りによって「審判」を下されるのは安倍の方だということを、私たちの団結した闘いで思い知らせよう!

このエントリーをはてなブックマークに追加