闘いは進む 青年の職場から 雇い止めされても闘いは終わらず 自治体 宮城 村岡靖昭

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週刊『前進』04頁(3076号03面05)(2019/10/14)


闘いは進む 青年の職場から
 雇い止めされても闘いは終わらず
 自治体 宮城 村岡靖昭


 私は仙台市社会福祉協議会(仙台市社協)という仙台市の外郭団体で働いていましたが、昨年3月末に雇い止めを受けました。現在、労働組合の仲間たちと雇い止め撤回闘争に立っています。
 雇い止めの理由は労働契約法改正による「無期転換ルール」です。有期雇用労働者が5年以上働くと、期限のない雇用へ切り替えることができるようになったこのルールは、昨年4月1日に適用されました。ところが仙台市社協当局は、雇用の安定を図るためのこのルールから逃れるために、5年を超えないように雇い止めにしたのです。
 仙台市社協は職員の半分がこの「5年で雇い止め」の雇用形態であり、昨年は29人が、今年3月も11人が雇い止めにされました。このような雇い止めを許していては、労働者の生活は成り立ちませんし、福祉事業を担う十分な体制もとれません。絶対に雇い止めを撤回させたいと思います。
●執行部として団体交渉
 労働組合として雇い止め撤回に向けてたたかっていくことを決めるまでは、正直なところ簡単ではありませんでした。雇い止めを許せないという思いと、雇い止め撤回の取り組みをやっていけるのかという大きな不安と葛藤がありました。
 その中で話し合いを重ね、「やっぱり雇い止めはおかしい。これまでの取り組みを無駄にしたくない」という共通した思いがあると確信したことで、決めることができたと思います。そうして当該の私が雇い止め撤回の裁判を行い、現在さまざまな方々から支援をいただいています。
 雇い止めされた後も私は職場を回り、組合ニュースを配っています。「部外者」にされましたが、組合であれば堂々と中に入り、職場の様子を聞いて回ることができます。また雇い止めされた者が執行部を務め、当局とも団体交渉を行っています。労働組合があれば、雇い止めで終わりじゃないのだと、強く実感しています。
●泣き寝入りせずたたかおう
 全国の非正規労働者は2千万人にまでのぼっています。非正規職化とたたかいきれず、むしろ容認するにまで至った労働組合のあり方を変えなければいけないと思います。
 無期転換逃れの雇い止めは昨年が始まりであり、これから雇用5年目を迎える有期雇用労働者が、必ず直面する問題です。泣き寝入りせず、雇い止めに対するたたかいの火の手を上げれば、必ずひっくり返せると思います。
 雇い止めとたたかう労働組合運動をつくりましょう。

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