関生支部への弾圧を許さない 闘う労組再生へ10・14東京集会

週刊『前進』04頁(3078号01面02)(2019/10/21)


関生支部への弾圧を許さない
 闘う労組再生へ10・14東京集会

(写真 関生支部の西山直洋執行委員が弾圧の実態を報告し、参加者は怒りを新たにした【10月14日 東京・墨田区】)

西山執行委員が弾圧の実態報告

 「関西地区生コン支部への弾圧を許さない!10・14東京集会」が10月14日、東京・曳舟文化センターで開催された。当たり前の労働組合運動を「犯罪」とする弾圧に怒る250人の労働者が結集し、会場満杯の大盛況となった。
 関西で生コン産業の労働者を組織する全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン(関生)支部に対して、昨年7月以来、資本と国家権力が総がかりとなった労働組合つぶしの大弾圧がしかけられている。輸送運賃値上げなどを求めたストライキや企業のコンプライアンス(法令順守)違反を摘発する活動などの正当な労働組合運動に「恐喝未遂」「威力業務妨害」とレッテルをはって執拗(しつよう)な弾圧が続いている。弾圧は滋賀、大阪、京都、和歌山に及び、逮捕者はのべ87人、起訴者は65人に上る。この弾圧を全労働者、労働組合の団結した力ではね返す運動を東京で大きくつくり出すことが求められている。
 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長が開会あいさつに立ち、「関生支部への攻撃は全労働者、労働組合にかけられた攻撃だ。権力や資本に絶対に負けない労働者の団結を見せつけよう」と明るく口火を切った。
 拍手の中、関生支部の西山直洋執行委員が訴えに立った。大阪府警と滋賀県警によって2度不当逮捕・勾留され9月に保釈された西山さんは、警察・検察・裁判所がつるんで国家的な不当労働行為を行っている実態を生々しく報告し、「権力弾圧をはね返す運動を今後も力強く進める」「憲法28条を死守しなければならない」と労働三権を守る決意を示した。さらに、組合運動を制限する不当な保釈条件に言及すると、会場の全員が怒りの声を上げた。最後に西山さんは、改憲をもくろむ安倍政権に対し、11月16日、大阪・西梅田公園での全国集会で団結の力を示そうと訴えた。
 労働社会学者で元昭和女子大学教授の木下武男さんが「関西生コン支部の運動と弾圧の背景」と題して50分の講演を行った。木下さんは、戦後労働運動において産業別労組に発展する可能性を持っていた労組に経営側と政府が激しい解体攻撃をしかけた歴史を解説し、産業別労組である関生支部をつぶすことに弾圧の意図がある、と指摘した。さらに、関生支部が業種別・職種別賃金を確立していることなどの重要な教訓を挙げて、関生支部の運動は労働者が企業ごとに競争させられるあり方をのりこえた「本当の労働組合」であると強調し、これを全産業化・全国化することが労働運動再生への大きなインパクトになると力説した。

安倍の改憲攻撃と弾圧は一体だ

 続いて、憲法と人権の日弁連をめざす会代表の武内更一弁護士が「労働組合の正当な目的に沿った活動は刑事免責・民事免責される。弾圧は労働組合法違反だ」と述べ、安倍の改憲策動と弾圧との一体性を明らかにした。
 武建一委員長の半生を描き、生まれ故郷の鹿児島県徳之島で撮影された映画「『棘(とげ)』~ひとの痛みは己の痛み。武建一」の完成を映画製作者が報告、大きな拍手が送られた。
 スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合、動労千葉、日本機械工業労働組合が、関生支部と連帯し全力で弾圧粉砕へ闘う決意を表明した。動労千葉の仲間は、「JRは分割・民営化で裏切った労働組合をも潰して労組なき企業(社会)をつくろうとしている」と述べ、全労働者の未来をかけてJRと関生への攻撃と闘うことを訴えた。東京西部ユニオンの青年労働者が仲間の青年労働者と共に登壇し、関生支部と共に職場で闘う意欲を示した。
 集会実行委が、関生支部を恒常的に支援し連帯する「東京の会」の発足に向かって準備会を開く方針を提起した。
 世田谷地区労顧問で鈴コン闘争支援・連帯共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さんが、「きょうだい組合への弾圧に黙っていられない。絶対に勝つ!」と力強く集会をまとめ、団結ガンバローを三唱した。
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