改憲阻止へ労働者の団結を 全世界で巻き起こる闘いに続け 資本家のための戦争許さない職場・学園から運動つくろう

週刊『前進』04頁(3082号01面01)(2019/11/04)


改憲阻止へ労働者の団結を
 全世界で巻き起こる闘いに続け
 資本家のための戦争許さない職場・学園から運動つくろう


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 労働者・学生のみなさん。職場・学園から、すべてをかけて改憲阻止決戦に立ち上がろう。安倍政権は中東への自衛隊増派に向けて具体的に検討を進め、国会で改憲論議を始めようとしている。一握りの支配者のために労働者民衆を殺し合わせる帝国主義戦争のためだ。しかしすでに、「こんな社会では生きていけない」と、全世界で青年・学生を先頭とする歴史的な闘いが始まっている。この闘いに続こう。戦争のための労組破壊攻撃である全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を許さず、11・16全国集会に結集しよう。全国で「改憲・戦争阻止!大行進」運動を発展させよう。

歴史の分岐点が目の前に

 労働者民衆の怒りは世界中の国々に満ち、あふれ出している。チリでは首都の地下鉄運賃値上げをきっかけに新自由主義下での格差拡大への怒りが燃え広がり、10月25日にはチリ史上最大規模といわれる約100万人のデモが巻き起こった。イラクでも汚職や劣悪な公共サービスに対して1週間にわたる抗議行動が広く巻き起こり、200人を超える死者が出るほどの治安部隊との衝突に発展した。深く広く持続する香港民衆の、自由と民主主義を求める勇敢な行動の背景にも格差の拡大がある。腐った中国共産党政府すら香港デモの原因として認めざるをえない周知の事実だ。
 現れ方にはそれぞれの国の事情の違いはあれ、危機に陥り、もはや安定的な成長など望めない資本主義・新自由主義のつぶしあいの競争戦は恐るべき困難を民衆に強いている。私たちの眼前で起こっているのは、この現実に対する民衆の根源的な怒りの爆発だ。
 マルクスは「資本論」で「問題はもはや利潤の分配ではなく損失の分配だということになれば......(資本家階級の間の)競争は敵対する兄弟の戦いに転化する」と述べている。この支配階級間の覇権争いは支配者たちの圧倒的な社会的影響力をもって被支配階級を巻き込む。その中で支配階級は、軍事への社会資源の集中と福祉やインフラの切り捨てを進めている。
 いま日本において再び天皇制が前面に出てきているように、「国民統合」が強調されて排外主義と愛国主義があおられ、横行するようにもなる。トランプの「米国第一」主義も「大衆迎合主義」と訳されるポピュリズムの世界的隆盛も、虐げられ無視されてきた「大衆」の、資本家階級をはじめとする既存支配層への怒りをペテン的に糾合している点において共通している。資本主義の危機は革命的な激動と破滅的な世界戦争の危機を引き起こし、私たちに選択を迫っている。歴史の巨大な分岐点が私たちの前にある。
 資本家階級の争いに私たちの運命を託すことはできない。法人税率を下げながら消費税を増税する彼らを信じられるのか。治水予算や地方自治体の人員を減らし続けて災害を激化させておきながらボランティアを呼びかけ、天皇の代替わり儀式に平気で約166億円もの税金を投じている彼らは、私たち労働者民衆と全く相いれない存在だ。
 民主労総をはじめとする韓国の労働者たちは、当初一部で掲げられていた「反日」のプラカードを「反安倍」に変え、安倍政権の韓国バッシングに対して抗議すると同時に日本の労働者階級に連帯を求めている。
 植民地支配の歴史に向き合い、日本と朝鮮をはじめとする東アジアの労働者民衆と固く団結し、侵略と戦争を二度と繰り返さないために闘おう。

戦争とめる国際的団結を

 再び戦争への道を歩まないために求められることは、憲法9条を軸とする現憲法の改悪を許さないことだ。侵略と植民地支配の責任をとらない日本の支配階級に、軍事へのフリーハンドを絶対に与えてはならない。
 朝鮮半島に限らず、東アジアの人々は日本帝国主義の暴虐を決して忘れていない。一例を挙げれば、フィリピン紙幣の最高額である1千㌷紙幣には、日本軍に処刑された「抗日の英雄」たちが描かれている。戦争を阻止する国際的な連帯をつくり出す道は、日本に住む私たちにとっては何よりも、戦争放棄を規定した9条をはじめとする憲法の改悪を阻止することで開かれる。
 さらには、これは私たち自身の命の問題でもある。今準備されつつある新たな世界戦争は、米中を軸として起きようとしている。10月3日付の琉球新報が衝撃的に報じたように、アメリカは沖縄をはじめ日本全土に新型中距離弾道ミサイルを大量配備する計画を持っている。INF(中距離核戦力)全廃条約が失効したことで核軍拡競争は加速度的に激化しようとしている。日本列島が差し迫る戦争=核戦争におけるミサイルの「最前線」となってもおかしくない。
 覇権争いに日本が加わったところで、結局は私たちの被害が大きくなるだけだ。いざという時に容易に外国に移住したり財産を移転したりできる資本家たちと違い、日々の労働で社会を動かして生きている労働者民衆は簡単に職場や居住地を離れることなどできない。
 トランプや安倍が大軍拡に踏み出し、ミサイルを向け合う国家間対立があおられている。しかし「抑止力」と称した核軍拡競争の先に展望などあるのか。私たち労働者民衆の答えは、偏狭な国家主義・民族主義を拒否し、改憲を阻止することで国際的な団結をつくり出すことだ。そしてこの国境を越えた団結の力で、戦争に突き進む各国の支配階級を打ち倒すことだ。
 改憲・戦争阻止!大行進運動を発展させ、日本全国に広げていこう。安倍政権の改憲・戦争国家化策動を絶対に止めよう。

鍵は闘う労働組合の再生

 安倍政権と日本の支配階級もまた本質的には噴火直前の山の上に立っている。改憲の強行による「戦争のできる国」への転換は、これまでの民衆支配のあり方を上から破壊するものだ。それはとてつもない政治的危機、階級支配の危機をつくり出す。
 だからこそ彼らは、労働者民衆の抵抗の拠点をあらかじめたたきつぶし、改憲と戦争に反対する労働者・学生のストライキやデモをはじめ一切の大衆運動を押しつぶそうとしている。関西地区生コン支部への凶暴な弾圧と労組つぶし攻撃、JRの「社友会」をモデルとする「労組なき社会」をつくろうとする策動、京都大学をはじめとする学生運動への一線を越えた弾圧----。いずれも戦後的民主主義を踏み越えた攻撃だ。
 だがそれは、安倍政権の危機と焦り、弱さの表れだ。いったん闘いの突破口が開かれたら、抑えることは絶対にできない。一見、「政治に関心がない」と思われるような若者も、実際には資本主義社会の現実に深い怒りをもち、変わるものなら変わってほしいと願っている。爆発の時は決して遠くない。問われているのは運動を組織する側だ。
 今は職場やキャンパスにたった一人でも、階級的な闘いを志向する活動家の存在が支配者にとってどれほど脅威か。自分に自信を持ち、胸を張り、謙虚に、粘り強く闘い抜こう。
 必ず時代は変わる。鍵を握るのは、闘う労働組合を職場によみがえらせること、学生自治会を復権することだ。闘う労働運動を再生し、安倍政権を打倒して改憲を阻止しよう。11・3集会の地平をさらに前進させよう。

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