国境こえた団結と闘う労組の復権で戦争とめる 非正規職だけの社会にさせない 11・3集会の各発言

週刊『前進』04頁(3084号02面01)(2019/11/11)


国境こえた団結と闘う労組の復権で戦争とめる
 非正規職だけの社会にさせない
 11・3集会の各発言

(写真 集会の冒頭、参加した労働組合・団体の旗が壇上に並び会場の意気を高めた【11月3日 東京・日比谷野外音楽堂】)

 11・3全国労働者総決起集会/改憲阻止!1万人行進は11月3日、東京・日比谷野外音楽堂の内外を含む3900人の結集で闘いとられた(前号既報)。集会には全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧を必ず粉砕する決意がみなぎった。「労組なき社会」を狙うJRの攻撃と対決し1047名解雇撤回をかちとる国鉄闘争を軸に、闘う労働運動をよみがえらせて、改憲・戦争を絶対に阻む団結を固めた。激動する世界を反映し、労働者国際連帯の新地平も切り開かれた。集会の各発言の要旨を紹介します。(編集局)

第3の分割・民営化との闘い

組織拡大で全面外注化うち砕く
 動労千葉書記長 川崎昌浩さん



(写真 動労千葉は各支部から組合員が結集し、関西生コン支部、港合同とともにデモの先頭に立った)

 今、JRの職場は激しい攻撃の渦中にあります。JR東日本は新たなジョブローテーションと称して、運転士・車掌の職名まで廃止し同一坦務は最大10年とする提案を行いました。10月から異動や坦務変更を前提にした自己申告書の提出、面談が行われ、運転士・車掌に不安をあおり、団結を破壊しようとしています。
 さらに、2020年度末には常磐線で自動運転を導入すると発表し、来年3月からはワンマン運転の対象を全線区に拡大すると公言しています。車掌は消滅職種のように扱われ、自動運転を掲げて運転士からも権利を奪おうとしています。これは、JR大再編の最大の核心をなす攻撃です。
 しかし、経験が重要な乗務員を最大10年とするのは、鉄道の安全も、現場の労働者の気持ちもないがしろにしています。私たちは職場の仲間に訴え、闘いに立ち上がります。
 もう一つ、外注化との闘いも新たな決戦に入っています。鉄道の現業部門をJRから一掃し、別会社化する構想が出されました。JRが行うのは検査計画や技術管理だけで、労働者の転籍と総非正規職化を狙う攻撃です。
 しかし、私たちは12年にわたり外注化を阻止し、今も攻撃に歯止めをかけています。この外注化阻止闘争の中に勝利の展望があります。検修業務丸投げ外注化、転籍攻撃粉砕へ全力で立ち上がります。
 JRは労働組合を無視し、会社が勝手に就業規則の不利益変更を行えるモデルを作ろうとしています。JRと政府、首相官邸が一体となった攻撃です。
 千葉鉄道サービス幕張事業所では、動労千葉の関委員長が職場代表選に勝利しました。千葉鉄道サービスでの組織拡大、JRでの組織拡大を全力で闘い、それを通して闘う労働運動の復権に向けて闘います。

常磐線全線開通絶対に許さない
 動労水戸委員長 石井真一さん

 JR東日本は「2020年の東京オリンピックに向けて、安全・安心な列車を走らせる」と宣伝しています。しかし、常磐線で無人運転を開始し、あるいは3両から6両の列車をワンマン運転にする。何かあっても対応できない。これのどこが安全でしょうか。
 常磐線の全線開通も、12月中旬に試運転をやると提案してきました。富岡―浪江間が福島第一原発の横で不通区間ですが、ここは帰還困難区域で50㍉シーベルト以上の高い放射線量の所です。9月22日の水戸集会で、医者が「これは労働基準法違反です」と言いました。全線開通が社会問題だと明らかにできました。原発の脇の運転を担当する原ノ町運輸区へ少しずつ配転がされようとしています。そこを走った電車は勝田車両センターに来て洗浄や検修作業、清掃が行われます。こういうことも明らかにして闘っていきます。
 水害で茨城も福島も千葉もものすごい被害が出ています。水郡線では橋が流されました。これは堤防の工事をしなかったことによる人災です。関西生コン弾圧粉砕、安倍政権打倒、改憲阻止へ闘いましょう。

「働き方改革」との闘い

(写真 過労死を強いる「働き方改革」や民営化・総非正規職化、労働組合つぶしの攻撃と闘う各界・各産別からのアピールが続いた)

社会的な殺人―過労死なくそう
 東京過労死を考える家族の会 中原のり子さん

 私の夫は都内の民間病院に勤務する小児科医師でした。20年前、長時間労働・過重労働が原因で、病院の屋上から真新しい白衣に着替えて投身自殺しました。享年44歳です。
 この悲劇が今も医療界では繰り返されています。関西の医師の方が、仲間の医師が研修医1年目の時に大学病院の屋上から飛び降りたと言っていました。
 医師の働き方改革で、3月にまとめ案が出ました。医者は年1860時間の時間外労働ができる、月では155時間です。過労死ライン80時間の倍です。地域医療を守るため、患者さんのためなら医者は命を失ってもやむなし、という結論でした。4月からの働き方改革で、上限100時間も長すぎます。
 昨日、脳・心臓疾患、精神疾患の労災認定基準を見直すというニュースが出ました。でも、死んでからでは遅すぎます。過労死は社会的な殺人です。死なないような働き方をみんなで目指すべきです。

コンビニで元旦閉店ストを
 コンビニ関連ユニオン委員長 河野正史さん

 6月9日にコンビニ関連ユニオンを結成しました。オーナーさん、従業員さん、ドライバーさん、アルバイトのみなさん、多くの人に呼びかけました。
 24時間365日、働いても働いてもまったく利益が出ない。さらにはコンビニのオーナーがアルバイトに出ている。こんなセブンイレブン資本のやり方に対し、コンビニ関連ユニオンは本部を追いつめ、セブン資本はグラグラになり、社長は逃げまくっています。私たちは社長の逃げ場をつぶして闘いぬいています。
 「5年ごとに契約を見直す」と言いながら、セブンイレブンは創業の1975年から1回も見直していない。過労で自殺してしまう。過労で死んでしまう。こういうことが毎月報告されています。これ以上仲間を殺されたくありません。
 私たちはここで発表します。年末、元旦に全国でストライキを行う。「正月ぐらい休ませろ!」の声をセブンイレブンを先頭に多くのコンビニで実現させていく。徹底的に全国を回って組織します。

当局から職場の支配権奪い返す
 JP労組銀座局支部 星野勝紀さん

 郵政民営化から12年。かんぽ問題、土曜配達廃止、合理化、もうけ優先の民営化の破綻の現実です。これは戦争に突入する以外に打つ手のなくなった安倍政権の改憲攻撃でもあります。
 民営化のつけは現場にきます。圧倒的な人員不足と強労働の中で、郵便事故や交通事故をみんなが明日は我が身と感じています。誰もがそのままでいいとは思っていない。怒りは充満しています。
 この怒りを抑えるために、安全対策の名目で当局が労務管理を徹底し、それが連日のパワハラとなって職場を支配しています。
 私は郵政民営化絶対反対を決意して組合権力奪取に挑戦してきました。悪戦苦闘の連続でした。組合権力をとるとは、民営化攻撃によって奪われてきた職場支配権を当局から奪還することです。「管理者のパワハラを許すな」、これが職場の共通認識です。そうした声を闘いに転化して、職場をひっくり返したい。

マイナンバーと賃下げ人勧阻め
 東京・北区職労 大谷京子さん

 職場ではマイナンバー制度にものすごい怒りと不信があります。東京都北区役所は、マイナンバーの仕事で税務課の人員が削減されてから3年後の今年、大変な状況です。加重な負担に耐えきれず休職した2人が退職。その後も次々に病欠者が出て、若い人が多い職場なので産休・育休が常時複数人います。仕事も継承できず、わからないことがあっても聞けない、と悲痛な声が上がっています。
 さらに先日、東京都特別区の人事委員会勧告が出されました。月例給2235円のマイナス勧告です。
 とりわけ青年には退職まで数十年間、低いレートでの賃金になります。税務課では先月、新規採用2年目で700万円の奨学金を背負っている青年が退職して民間企業に行きました。
 マイナンバーもマイナス勧告もこの国の支配階級からの攻撃です。あきらめずに闘えば勝てること、団結こそ希望なんだと労働組合運動が青年労働者に示すことが重要だと思います。

団結して闘えば評価制度崩せる
 広島連帯ユニオン草津病院支部書記長 真保修一さん

 10月24日に東京高裁で不当労働行為に対する組合勝利の判決をかちとり、翌日の25日には広島高裁で、人事考課制度の不当労働行為による賃金カットに対して組合が闘ってきた損害賠償裁判で、組合全面勝利の判決が出ました。
 評価制度に対する闘いは、11年前のストの時に人事考課表の自己評価の拒否から始めました。病院は報復で評価を2段階下げ、評価は最低、賞与は半減、基本給は毎年減り、定年再雇用の基準を満たさないという特別報復をしました。
 私はすでに再雇用を拒否されましたが、職場の青年の仲間が闘いを引き継ぎこの冬も自己評価の提出を拒否しました。この団結と職場闘争により、職場の労働者が評価制度に対する不満を持ち、組合の闘いを支持しています。これが裁判の勝利をかちとった力です。職場労働者と固く結びついて、評価制度を粉砕する闘いを起こしていきます。

関生支部弾圧はね返そう

必ず勝つの信念で関生を支える
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人/元世田谷地区労議長 花輪不二男さん

  鈴コンにはかつて、関生に続く労組をつくろうとした先輩がいましたが、その闘いはつぶされました。
 吉本さんたちはその鈴コンで労組を立ち上げ、3カ月雇用の非正規の労働者の雇い止め解雇に反対してストを打ちました。会社は3役を解雇しましたが、7年間闘って職場に復帰した。闘えば勝てる。非正規は絶対に負けない。この信念で10月に関西生コンを支援する集会を開きました。
 うそつき安倍を打倒するぞ! がんばりましょう!

(写真 花輪不二男さん【右】は東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長【左】とともに登壇)

(写真 「関西生コン労組への弾圧を許すな」のメッセージボードが会場全体に掲げられた)

解雇撤回・JR復帰へ

(写真 国鉄解雇撤回へ闘う動労千葉争議団、動労総連合1047協議会と動労千葉顧問弁護団長の葉山岳夫弁護士が決意を表明した)

60歳を超えても必ずJRに帰る
 動労千葉争議団 中村仁さん

 今、労働者を生かすことができない資本に対して、われわれは闘うしかない、闘わなきゃいけないと思っています。動労千葉は闘うことを選んで、絶対反対で闘ってきました。その闘いが大きく広がっている。
 全国へ物販で行って、みなさんにお世話になり、ありがとうございます。動労千葉は解雇撤回の闘いを続けていきます。私も60歳になりましたけれども、まだまだ闘って、解雇を撤回してJRに帰ります。

何年かかっても闘いを継続する
 動労総連合1047協議会副代表 羽廣憲さん

 この間、動労千葉と一緒に闘いたいという仲間が九州にも出てきました。
 私たちの解雇撤回の闘いも32年を超えました。先日、1047協議会とともに闘う会の総会を開いていただき、また支えていただくことも確認しました。
 安倍政権の暴政を許さない。関生弾圧を許さない。改憲阻止を実現することで、この国のあり方を根底的に変えるまで、最先頭で闘っていきます。

直ちに控訴して反動判決を覆す
 動労千葉顧問弁護団長 葉山岳夫さん

 JR東日本が1047名闘争について団交を拒否し、解雇撤回を拒否していることに対して、動労総連合は昨年5月に千葉県労働委員会に不当労働行為救済申し立てを提起しました。
 県労委は第2回期日に村上審査委員が審査を打ち切ると宣言。我々は直ちに忌避を申し立て、県労委が忌避を却下し、我々は千葉地裁に却下決定の取り消しと、裁判確定まで県労委の審理中止を申し立て、行政訴訟を提起しました。
 この裁判が進行中の本年5月、県労委は申し立てを却下する不当決定を出し、千葉地裁も10月29日に却下する反動不当判決を出しました。
 中労委には再審査請求を出しています。東京高裁には直ちに控訴を申し立てて闘います。
 国鉄闘争の火を絶やすことはできません。団結した力で粉砕します。

(写真 青年たちが韓国の律動「火の蝶【ブルナビ】」を披露した。ロック調の音楽と激しい踊りで集会を盛り上げた)

改憲阻止する大行進を



広島の声を集め、戦争を阻止する
 改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明

 放射線副読本の配布を職場で止めることができました。現場から闘って教育委員会や管理職との力関係を変えることができる。
  ◇
 私のような非正規の教員も増えて、働き方が不安定で仕事量もたくさんの中、「非正規」の言い方をかえる、そんなだましに立ち向かって子どもたちを守っていこうと思います。
  ◇
 ずっと前に正規の教員で、そのあと非正規で長く勤めてきました。私の教えた生徒は誰一人として戦争に行ってほしくありません。100人声明の行動を広めていきます。
  ◇
 広島市長は8月6日の記念式典で拡声器をデモで使うなという規制条例をつくろうとしています。首相が来ている記念式典にデモが触れちゃまずいという政治弾圧です。二度と戦争を許さないというのが広島の声です。

地域で共闘広げ、運動を拡大する
 改憲・戦争阻止!大行進神奈川 佐藤美知江さん

 障害者は障害者福祉のもとで生きていけるような闘いを、神奈川大行進とともに大きく広げていきたい。
船木明貴さん
 目の前の子どもたちを守りたいという教育労働者の思いから声を上げ、「子どもの未来と命を戦争で奪うな」を軸として労働者、市民団体が結集しています。集会、デモ、街宣のほかにさまざまな個別の課題で共闘をしてきました。闘いの中で一人一人との出会いが希望であり力となっています。地域・職場で学習・交流をすすめ、続けていくことが必ず労働運動、大行進運動へ結びつきます。

平和学習つぶしを絶対許さない
 改憲・戦争阻止!大行進・千葉 元教育労働者

 今年3月まで高校の教員をやってました。戦前は天皇の赤子として自分の命なんか国にくれてやるんだ、教育の中心線はそこにあった。それが戦争につながった。1945年、日本が敗れてもう戦争はやらないんだという中で「戦場に子どもを送らない」のスローガンを掲げました。日本社会の変質、保守化の中で「戦場に再び子どもを送らない」が死語化している。
 私は沖縄修学旅行に関して平和学習プリントをつくり、1995年の米兵少女暴行事件を扱いました。それが校長から回収命令を受けたんです。県の教育委員会から検閲され発行禁止になりました。
 もっと教師の毅然(きぜん)たる良心で教えていきたい、それを保障してもらいたい。それが願いです。

農民の誇りかけ農地収用を阻む
 三里塚芝山連合空港反対同盟 市東孝雄さん

 

先の台風での被害は人災です。安倍政権が軍事費を湯水のように使いながら、地方、農民を切り捨てた結果です。
 成田空港はA滑走路の運用時間を夜間12時まで1時間延長しました。さらに現在の空港を2倍に拡張する第3滑走路計画、滑走路延伸で1千数軒の家が立ち退きを強制され、膨大な田畑がコンクリートの下に埋められようとしている。
 私の農地に対する強制収用を阻む裁判がいま東京高裁で開かれています。100年耕してきた農地を、農地法を悪用して奪い取ろうという攻撃に負けるわけにはいきません。農民の誇りにかけて闘います。
 関生への弾圧は、怒りで体が震えます。国は関生の闘いを恐れています。関生を守り抜く広範な支援、共闘陣形を築こうではありませんか。

辺野古基地、自衛隊配備とめる
 沖縄大学学生自治会委員長 赤嶺知晃さん

 今、沖縄では安倍政権によって辺野古新基地建設が強行され、離島では自衛隊の配備や強化が行われています。もういちど沖縄が戦争の島にされようとしています。これを絶対に許さず、止めるために闘っていきたい。
 深い怒りの中で、これまでの枠を越えた決起が始まっています。学生や若者、女性が新たな決起の先頭に立っています。この闘いと広く深く結びついて、大行進運動を進めていきます。

放射線から福島の子どもを守る
 福島診療所建設委員会 佐藤幸子さん

 台風19号で放射性物質を含んだ土砂が家に入った人たちは、その泥のかき出しを行っています。除染作業員と同じ作業です。
 子どもたちの甲状腺がんの人数が増え続けています。10月に入って230人。県が正式に発表していない子どもたちを含めると250人以上が甲状腺がんと診断されています。こんなことが日本の未来を背負って立つ子どもたちに降りかかっている現実です。
 診療所で、子どもたちの甲状腺検査を続けています。今年私の川俣町で無料のエコー検査をしてもらいました。そこではじめて、川俣町は学校で集団エコー検診をしていなかったことがわかったんです。子どもたち、保護者とつながって、子どもを守る活動をこれからもしなければならないと思いました。

星野精神継承し安倍政権倒そう
 星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議 星野暁子さん

 三里塚の市東さんの農地にある「星の木」の根元に星野文昭の骨を分骨しました。「三里塚に来い」という徳島刑務所の面会での故北原鉱治事務局長との約束をようやく果たせました。市東さんとともに強制収用を阻むとりでとして、星の木を守っていきたい。
 徳島刑務所、東日本成人矯正医療センターを訴えて国家賠償訴訟を行います。私と兄弟が請求人になり第3次再審請求も行います。
 チョンテイル精神の継承が100万を超える民主労総の闘いを生み出したように、星野精神の継承の力で改憲と関生弾圧に走る安倍政権を必ず倒しましょう。

京大3学生への停学処分撤回を
 全学連委員長 高原恭平さん

 日本の大学は岐路に立っています。「大学改革」と称する攻撃の中で学生一人一人が労働者階級とともに進むのか、それとも政府の戦争、資本家階級の金もうけの道具となるのか。文部科学省や資本家階級の手先となった大学の役員会というごく一部の連中が支配する大学にするのか、それとも学生が大学を支配し学問を自分たちの手に取り戻すのかが非和解的に問われています。
 京都大学では職員に抗議しただけで3人の学生が無期停学処分になっています。無期停学処分の撤回を絶対に大運動にする。学生運動をよみがえらせることは、階級的労働運動の復活と完全に一体の課題です。

弁護士会あげて改憲反対訴える
 憲法と人権の日弁連をめざす会 武内更一さん

 今の憲法に「9条の2」をつけても変わらないというのはうそです。今、日本国憲法には軍事・戦争の条項はないのです。「9条の2」を入れれば自衛のためと称する戦争はできるという解釈になります。憲法に軍事という体系が入るのです。「自衛のための戦争」とあれば「公益」と称して国民にその義務を様々に課してくるでしょう。
 近現代の戦争はすべて「自存自衛」と称して侵略戦争に突き進んだわけです。「自衛」とは決して労働者人民を守るのではない。自分たちの支配体制、資本主義体制を守ることを彼らは国民、市民を戦争に動員して行うわけです。
 日弁連の次年度の会長選挙に立候補し、弁護士会をあげて改憲に反対することを訴えていきたい。

自衛隊明記反対訴え署名広げる
 とめよう戦争への道!百万人署名運動東京北部連絡会代表 五條敦さん

 西川重則事務局長のメッセージを紹介します。
 「11月3日はアジアへの侵略と加害の歴史を深く反省する日です。その反省に基づいて再び戦争をしてはならないと決意しよう。日本国憲法に一人一人が学び、安倍政権の憲法改悪を阻止しよう」。
 安倍らのもくろみを打ち砕き、改憲を阻止する展望が大きく開かれてきています。百万人署名運動は自衛隊明記反対、緊急事態条項新設反対を訴える署名に全力で取り組むことで闘いの一端を担っていきたい。明文改憲はなされなくても、様々な局面で憲法の理念は踏みにじられてきました。こうした動向を根底から覆さなければなりません。
 「小異を残して大同につく」という私たちの運動の原点に立って、皆さんと一緒に闘っていきたいと考えています。

言論・表現への規制を押し返す
 表現の自由を市民の手に全国ネットワーク 皆川学さん

 愛知県での「表現の不自由展・その後」の展示中止は明らかに検閲です。連日会場前でスタンディングを行う、全国で4万人を超える方々が抗議署名を行う、80を超える市民団体、表現者団体が抗議声明を出す中で展示再開をかちとりました。戦前の言論封圧をとば口で押し返しました。しかし問題はこれからです。
 全国の自治体労働者の方々にお願いします。こういう事件が起こった時は表現者、市民、民衆の側に立って闘ってください。表現への規制を止めることが改憲と戦争を止める第一歩であると確信いたします。

世界ゆるがす国際連帯

真の労働尊重へ革命を完遂する
 韓国・民主労総ソウル地域本部長 チェウンチョルさん

(写真 韓国からの訪日団が全員登壇しチェウンチョル民主労総ソウル地域本部長が闘いを報告した)

 韓国社会はろうそく革命を通して、パククネ政権と国政壟断(ろうだん)勢力を引きずり下ろし、新しい民主政府を樹立しました。偉大な民主主義革命でした。ろうそく革命は単純に政権を交代したことを超えて、新しい世の中に対する道しるべを準備しました。私たちはその目標に到達するだろうし、ろうそく革命を完遂するでしょう。
 重要な方向は労働尊重社会です。現在のムンジェイン政府は言葉だけ労働尊重社会を叫ぶだけで、資本家階級に抱き込まれ、資本家の望む政策の代理人になりました。その代表的事例が、パククネが行った全教組に対する法外労組を撤回しないことであり、ハンサンギュン前民主労総委員長とチャンオッキ建設労組委員長、内乱陰謀のでっち上げで7年拘束されているイソッキ前議員をはじめただ一人も良心囚を赦免復権しないことです。結局、道しるべに従って新しい世の中をつくる責任はムンジェイン政府にあるのではなく、労働者民衆にあるということの反証です。
 民主労総組合員は100万人を超えました。最近2年間で22万人が増えました。1987年労働者大闘争以降、最高の増加率です。民主労総は真の労働尊重とは別の道を歩むどんな政権とも妥協しないでしょう。ILO核心条約批准を口実に民主労総を抹殺する労働改悪、非正規職の正規職化を口実にした子会社転換などのまやかしに対して民主労総は闘うでしょう。
 軍国主義を画策する安倍政権に対する日本の民衆たちの闘いとろうそく革命を完遂する韓国労働者民衆の闘いはひとつに相接しています。

国境での分断を断ち強大な力を
 台湾・消防員権益促進会 チュジーユィさん

(写真 左から桃園市客室乗務員職業労働組合のリイチンさん、消防員権益促進会のチュジーユィさん、台湾鉄道産業労働組合のシィーチョンノンさん)

 台湾の政治は国民党と民進党が主導しています。しかし、労働運動の立場から言うと、この二つの政党は事実上明確な差異はありません。国民党は2015年に全台湾労働者の休日を7日間なくしました。民進党は16年にこの政策を延長し、18年には過労を促進する方向で労基法を改悪しました。
 さらに今、両党は農地に違法に建築された工場を放任して、高い家賃や土地の強制収用などを議題から除外していますが、これらは両党の有産階級政党の性質を証明しています。
 台湾労働者はこの数年間、非常に多くの資本家や政治体制との闘争を進めてきました。その中にはエバー航空の搭乗員のストライキ、台湾鉄道労働者の過重労働に反対する闘い、事故で亡くなった消防員を殉職扱いにすることに反対する運動などがあります。
 しかし、台湾労働運動の活性化に伴って資本家も連携することを学んでいます。政府に法律を変えるように圧力をかけ、法律の抜け道を探す卑小なやり方で労組を弾圧しています。
 ここに今日来られてうれしいです。こんなに多くの日本及び各国の労働者人民と闘う人民を知ることができました。労働者の国境での分断を断ち、強大な力を獲得しましょう。

民族自決を求め闘う人民と連帯
 ドイツ機関士労組ベルリン都市鉄道支部組合員

 ドイツ政府は戦争とその悲惨から逃れて来ているシリアの人びとの窮状を利用し、彼らを安い労働力として確保しようとしています。それはドイツの労働者の仕事と生活のレベルを下げることも狙っています。
 ドイツの産業は世界中に武器を輸出し、クルド人への戦争を繰り広げているトルコの政権にも輸出しています。民族自決を求め闘う世界中の民族とつながっていかなければならない。

閉会あいさつ

関西生コン支部を絶対守りきる
 動労千葉顧問・特別執行委員 田中康宏さん

 関西生コン支部への攻撃を自らへの攻撃と考えて、絶対に守りきる。労組なき社会などつくらせない。非正規職だけの社会にはさせない。労働者の「身の丈」は社会の主人公になることです。闘う労働組合を日本に復権させるためにがんばる。戦争だけは命がけで阻止する。この原則を守るために、多くの多くの広い仲間たちとつながっていく。団結してがんばろう!

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