香港デモ弾圧学生の命奪う 新たな怒り爆発、全面激突へ

週刊『前進』02頁(3085号02面02)(2019/11/14)


香港デモ弾圧学生の命奪う
 新たな怒り爆発、全面激突へ

(写真 周梓楽さん虐殺に抗議してデモを闘う学生と労働者【11月8日 香港】)

 香港でのデモは激しい弾圧との全面激突に入った。
 日本でも国際連帯集会が開催された11月2日午後3時から「世界に救援を求め、自治を堅持する」集会が香港の繁華街・銅鑼湾(どらわん)で開催された。これは今月24日投票の区議選に向けた野党の集会でもあったが、警察はこの集会を許可しなかった。参加者は実力で集会を開催。これに対して警察は催涙弾を会場のビクトリア公園に撃ち込み、公園内に突入して野党の立候補者を2人逮捕する暴挙に出た。参加者は怒りのデモに立ち、街頭で激しく警察と激突して逮捕者を出しながら闘った。他で行われた集会も警察との激突となった。
 3日も香港各地でデモや抗議行動が闘われ、いずれも警察との闘いとなった。この警察の暴力に呼応して白色テロ分子もうごめいた。北東部の太古城では中国(大陸)系と思われる男が、市民5人と口論の上、刃物で襲撃し全員が負傷した。そのうちの一人である太古城西区区議会の趙家賢議員は男に耳をかみ切られた。警察は集会が行われていた各地の広場や商業ビルに突入し、記者も2人逮捕されている。
 そして4日深夜1時、香港科技大学の学生である周梓楽さんが、警察の催涙弾の撃ち込みと弾圧に追われて、駐車場ビルの3階から2階に転落して頭を打ち重傷を負った姿で発見され、8日早朝に亡くなった。
 この周さんへの弾圧と彼の死に対する怒りが今、香港では激しく爆発している。しかも駆けつけた救急車が現場に行くのを警察が妨害し、救援が遅れた事実も明らかになっている。
 この4日の夜、香港行政長官の林鄭月娥(りんていげつが)は中国国家主席の習近平と会見し、習は林鄭に香港デモを早急に鎮圧することを命じている。この方針は、10月28〜31日の中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議で確認された方針であり、学生・市民数百人を虐殺した1989年6月4日の天安門事件と同じ大虐殺を指示するものだ。絶対に阻止しなければならない。だが同時に、香港警察の暴挙は、香港の労働者・学生の闘いに追いつめられた中国スターリン主義の姿そのものである。
 このような弾圧は、香港の闘いをますます拡大させ、永続化させる。周さん転落事件の直後から、香港科技大学の学生を先頭にして学内集会やデモなどの弾劾行動が始まっている。7日には香港中文大学の卒業式でも、卒業生がさまざまな抗議行動を行った。周さんが亡くなった8日も、労働者・学生は直ちにデモに立ち上がり、「警察は解散しろ」「責任追及」「必ず復讐する」などのシュプレヒコールをあげて進んだ。さらに夜には追悼集会が開催され、参加者は事故の起きた駐車場に集まって周さんに闘いを誓った。そしてデモに繰り出し道路を封鎖、警察隊と激突した。9日夜にも添馬公園で周さんを追悼する集会が数千人規模で開催された。
 この怒りの爆発の中で、「逃亡犯条例」の5月の審議を妨害したとして、香港政府は野党議員6人を9日までに逮捕した。さらにこの時点までに逮捕できなかった1人を逮捕しようとしている。この中には区議会議員立候補者4人もいる(香港では立法会と区議会の議員の兼職が認められている)。許しがたい政治弾圧だが、ここまで政府は追いつめられている。
 11月2日の国際連帯集会に寄せられた香港からのメッセージに応え、弾圧を許さず、国際連帯を強めてともに闘い抜こう!
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