JR「ジョブローテーション」粉砕へ 反対の意思はっきり表そう

週刊『前進』02頁(3087号02面01)(2019/11/21)


JR「ジョブローテーション」粉砕へ
 反対の意思はっきり表そう

職種変更強いる「面談」

 JR東日本は鉄道業務を全面外注化し、「労組なき社会」をつくる攻撃をさらに強めている。その軸にあるのが、運転士・車掌の職名を廃止し、乗務員には同じ仕事を最長で10年しかさせないとした「新たなジョブローテーション」だ。JR東日本はこれを来年3月に強行しようとしている。そこに向けて今、JRの各職場では個々の労働者と現場長や管理職との「個人面談」が進められている。
 今年10月、JR東日本は「新たなジョブローテーション」を前提にした自己申告書を提出させた。自己申告書とは、今後希望する職種や勤務地を書き記すもので、その提出とそれに基づく「個人面談」は毎年秋に行われてきた。だが、「新たなジョブローテーション」提案によって、今年の「個人面談」はこれまでとはまったく様相を異にするものになっている。
 今年の自己申告書の「進路希望」欄からは、これまではあった「当面、現区所」という選択肢がなくなった。JRは、自己申告書を「自らの描くキャリアプランを記入し」「(各自が)キャリアプランを練り上げる」ためのものと位置づけた。そして、「個人面談」で「社員の将来希望について『いつの時点で何をするのか 』を詳細に把握し」「将来の希望を実現するために現場管理者がアドバイスを行う」とした。
 これは、管理職になることや別の職種に変わることを希望せず、運転士や車掌を続けたいと願う労働者の意思を徹底的に抑圧し、職種転換を強圧的に表明させるということだ。実際、「個人面談」は、継続して乗務することを望む労働者に、その選択を諦めさせるための場になっている。
 自己申告書に第1希望しか書かなかった労働者に対し、面談の場で管理職が「強制異動もありうる」と脅し、第2希望、第3希望を無理やり書かせたという実態も明らかにされた。
 JRは、いずれは運転士や車掌の業務も外注化し、乗務を続けたいと望む労働者を外注先に転籍させることさえ狙っている。

東労組本部が攻撃促進

 面談の場で、個々の労働者がそれぞれ孤立して管理職と向き合わなければならない状況は、今年8月、JR東労組本部が「ジョブローテーション」提案を認めて裏切り妥結したことによって強いられたものだ。
 運転士は経験を重ねることで技量を培い、列車の安全運行を保っている。その仕事を、「ジョブローテーション」は「誰でもできる」ものであるかのように扱い、10年たったら別の仕事に変われという。運転士を続ける場合でも、10年たてば別の職場に移らなければならない。これでは、担当する線区に習熟することも不可能だ。
 さらにJRは全線区でワンマン運転を拡大し、常磐緩行線を手始めに自動運転を導入すると打ち出した。これでは鉄道の安全も労働者や乗客の命も保てない。鉄道の労働組合なら「ジョブローテーション」など絶対に認められないはずだ。
 にもかかわらず東労組本部は、妥結直後に出した見解で、「担務変更、人事交流、技術交流の中で間違いなく労働力の質は上がっていく」と「ジョブローテーション」を絶賛し、それを率先して担うと表明した。
 だが、JRは東労組本部が屈服すればするほど、「ジョブローテーション」を、東労組自身を解体するために使ってくるのだ。
 組合脱退強要の攻撃に対してJRバス関東・棚倉分会がやむにやまれず行った労働委員会への申し立てについても、東労組本部は「大会決定違反」「指令違反」を叫んで統制処分を構えている。
 この東労組本部が裏切り妥結しようが、労働者には「ジョブローテーション」を認める余地などない。乗務の継続を望む労働者は、職場の仲間みんなで一致して、その意思を管理職にきっぱりと表明しよう。
 JRの狙いは、「会社のやることに反対しても無駄」という諦めを労働者に強いることにある。諦めずに職場から反対の声を上げ続ければ、JRの攻撃を打ち砕くことはできる。
 JRのすべての労働者は、今こそ動労千葉・動労総連合とともに闘おう。

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