正月くらい休ませろ 命守るストライキを コンビニ関連ユニオンが訴え

週刊『前進』02頁(3095号02面01)(2019/12/19)


正月くらい休ませろ
 命守るストライキを
 コンビニ関連ユニオンが訴え

(写真 大注目を集めた記者会見【12月11日 霞が関】)

(写真 11日朝、ストに入った河野委員長を先頭にセブン本社近くの四ツ谷駅前で永松社長退陣を訴え街頭宣伝。500枚のビラが30分でなくなるほどの関心の高さを示し、セブン社員の多くも受け取った。その後、公正取引委員会に追加申告を行った)


 コンビニ関連ユニオンが12月11日、コンビニの元旦ストライキ(休業)を訴え、厚生労働省記者クラブで記者会見を開いた。前日10日にセブン―イレブン・ジャパンの残業代4億9千万円未払いが発覚する中、会見は大きな注目を集め、テレビや新聞、インターネットで続々と報道された。
 会見にはセブンに加えローソン、ミニストップの加盟店オーナーも参加。
 セブン本部社員でコンビニ関連ユニオンの河野正史委員長は「赤字まで出して元旦に店を開ける必要はない。迷っているオーナーさん、勇気をもって一緒に元旦休みましょう」と呼びかけた。(要旨別掲)
 セブンオーナーの永尾潤副委員長も「過労死ラインに労働者もオーナーもない。同じ生身の人間。生命が危なくなれば正当防衛で閉めればいい」と訴えた。
 いまやコンビニ24時間営業は過労死の象徴になっている。追い詰められたセブン経営陣は記者会見と同日に元日休業の実証実験を50店舗で行うと発表。しかし資本の本質は1分でも長く店を開け利益を出すことにある。オーナーの営業日時の裁量権は認めようとしない。ローソンも、セブンの「失態」がひとごとではないとばかりに元日休業100店舗を先月に発表した。
 だがこれについてもローソンのオーナーが実態を暴露。「借金するか、身を粉にして働くかの二者択一だった。借金するか、病気で死ぬかだと思い、時短営業したいと言ったら本部はダメだと。私たちのような普通の店は時短も休みも認められていない」と語り、「利益の問題ではない。体の問題だ。その辺の問題意識が全然違う。わかってない」と本部を糾弾。オーナーは関連ユニオンに加盟したところ、本部の対応が180度変わったという。
 オーナーの反乱が24時間営業を柱とするコンビニモデルを揺るがし、世論が元旦休業を後押ししている。1週間で1万7千筆の署名も集まった。清水彰二書記次長は「本部はオーナーと個別に契約することで無理を通す。しかしオーナーも本部社員も従業員も関連労働者も横につながれば状況は変えられる」と訴えた。

勇気をもって一緒に
 コンビニ関連ユニオン委員長 河野正史さん

 未払い残業代が4億9千万円。昨日の永松社長の記者会見は絶対に許せない。永松社長は1991年にはわかっていたのに隠していた。労基署も何度もセブンに入っている。しかし、それも2回だとうそをつく。セブン―イレブンという会社は全てを隠ぺいし、オーナーさんをだましてきた。そのもとでどれだけのオーナーさんが命を落としたことか。どれだけの従業員さんが低賃金の中、苦しんだことか。セブン体質の膿(うみ)を全部、コンビニ関連ユニオンが出し尽くしたいと思います。
 そのために「元旦ぐらいは休ませろ」という元旦ストライキを呼びかけたい。もちろん初詣やスキー場近くは休めない。違う日に休めばいい。倒れるまで働く必要はありません。オーナーさん、従業員さん、疲れたら閉めちゃいましょう。
 韓国の明洞のセブンに行ったら、夜7時に電気がついていても閉まっていた。休憩時間なんだとお客さんは帰っていく。「レジ出てきてください」とたたかれるのは日本だけ。「24時間365日」が当たり前になってしまった新自由主義の30年間を覆しましょう。
 8時間は労働、8時間は睡眠、8時間は自分の時間をとらない限り本当に体がもたない。赤字を出してまで元旦に店を開ける必要はない。セブンは1月1日は売り上げが全然ない。正月はお酒のんで、おもち食ってという経験を20年も、30年もしたことのないオーナーさんがいる。私も本部社員で二十数年、正月に実家でおせちとかは1回もなく店を回っていた。人間が人間らしく正月ぐらいは休ませろよのスローガンのもとに休みましょう。人の命がかかった問題です。私たちは労働組合ですからストライキと位置づけています。コンビニ関連ユニオンに連絡していただければ、スト権があるので休めます。
 さらに私は何よりもセブンの本部社員に訴えたい。セブンの価値観ではなく自分の価値観を大事にして、おかしいことにはおかしいと声を上げましょう。一人の勇気ある行動が団結に絶対につながります。
 迷っているオーナーさん、勇気をもって休みをとりましょう。元旦ストを一緒にやりましょう。

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