改憲と戦争を必ず止める 大行進運動など全国から年頭決意

週刊『前進』04頁(3098号04面02)(2020/01/13)


改憲と戦争を必ず止める
 大行進運動など全国から年頭決意

広島
 立ち上がれ教職員
 100人声明発足から1年

(写真 昨年11月3日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた「改憲阻止!1万人行進」で教職員100人声明の呼びかけ人ら5人がアピールした)

 改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明運動は昨年2月10日に声明を発してから1年を迎えました。改憲に対し、戦争だけは許さない広島の気持ちを形にしたいと、組合運動自体でも市民運動でもない教職員の運動として始めました。20年前の文部省是正指導で国家の体重をかけた大弾圧をされた広島で、2カ月間で公表不可を含め予想を超える数になりました。
 賛同署名運動だけでなく出会った仲間をつなげていこうと学習会を継続してきました。5月「勤評闘争に学ぶ」、7月「放射線副読本」、10月映画「ひろしま」上映。教職員だけの運動から「勤評は戦争への一里塚」と全労働者の闘争に押し上げた教訓、現場で放射線副読本を回収させた闘いから県教委への申し入れへの発展、拡声器規制条例に対しヒロシマの原点は何かという討論など、毎回多くの参加があり、討論時間が足りないくらいでした。
 突き当たったのは現場の教職員が集まれない、改憲反対の気持ちはあるが激務の中で時間を割けない現実です。職場で闘いをつくらないと改憲阻止の闘いをつくれないのではないか。
 そこで、12月の学習会は職場交流会を設定しました。呼びかけ人による職場レポートは「外国籍、生活保護、DV......家庭の問題を抱えた子どもたちが学校で荒れる。職員の病休、補充の臨採がいない」という生々しい、勉強以前の状況。そして「若い仲間と、仕事を減らそうと取り組んでいる」職場闘争。現場の自助努力だけでなく、仕事を減少させ、正規職を配置させることが根本的には必要かもしれません。しかし職場を変える闘争が若い人を職場の闘いへと引き寄せ、信頼を集めています。職場の課題を運動につなげる原点的な闘いから、職場闘争と改憲阻止は一体だと改めて学びました。
 この学習会にあたり画期的だったのが現場への聞き取りです。「朝4時に起きて仕事、週末は何もできない」「突然の県教委の方針発表が許せない」など。集会参加の呼びかけだけからの転換です。職場で突き当たっている問題を聞き、学習会の討論を返していこうとしています。過労死寸前の教育現場に、政府は変形労働時間を導入しました。仕事を減らさず、人も増やさず、多忙化は追認したまま就労時間を長くすることによる残業隠し制度。夏休みまでもたない、17時帰宅は年休を取れというのでしょうか! 8時間労働制を解体する全労働者への攻撃であり、改憲攻撃として大きな闘争のテーマです。
 今年の8月6日はオリンピックの最中であり、被爆75周年です。広島市は「厳粛」「静粛」と拡声器を規制し、戦争反対の声を隠そうとしています。ヒロシマを過去のものにしない、ヒロシマの原点は戦争反対だ! 今こそ声を大きくする時です。100人声明は戦争反対が揺ぎない教職員の魂であることを改めてはっきりさせました。全国の教職員のみなさん、戦争・改憲反対の軸に立ち、絶対に改憲を止めましょう!
(改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明呼びかけ人・平野綾子)

神奈川
 分断・自己責任超え
 労組の組織力は不可欠

(写真 昨年12月14日、排外主義と差別・分断をうち破ろうと川崎市内で開催された集会の後、「改憲・戦争阻止!大行進神奈川」がデモ)

 不登校だった人が当時を振り返り「社会から外れている自分の命は人間以下でゴミ、生きている価値がない、誰かに殺してほしいと思っていた」「予定と違うところで心が動く(授業などでテーマと違うことに気が行く)自分は学校にとり都合が悪い存在だったはず」と語った。今の学校では皆が自分は社会と学校の被害者だと思っている、とも。どれだけの子どもたちが毎日絶望の朝を迎えているのかと心が震えた。
 シベリア抑留の体験者は「『安らかに眠ってください』とは言えない。あんなひどい所であんなひどい死に方で安らかに眠れるわけがない」と。安らかに眠るという言葉に何の違和感もなかった自分を恥じた。
 福島から保養キャンプに参加した母親の手記に「水が怖い。土が怖い。空気が怖い。その中での子育て」と。見えずに迫る脅威と言えずに抱え続ける不安。ひどい。越年闘争のパトロールでふるまったスープを何杯もお替わりする人、静かにほほ笑んで2杯目を断る人などと出会い、久しぶりに自分が自然な笑顔でいる気がした。自分の解放を感じた。無償化と補助金再開を駅頭で訴える朝鮮学校高校生たちの真剣なまなざし、それに応え署名する日本の高校生たちの少しはにかんだ晴れやかな顔と時間。国際連帯と相互理解の希望が。
 私たちは運動・闘いの中で多くの人と出会い関係をつくり展望を開いてきた。個別課題の現場に共に立ち共に感じ考え、人がつながり運動が広がっていく。各地に以前からあった様々な取り組みが共有されて新たな共闘の可能性が生まれる。あくまでも原則的な軸は絶対にぶらさず、それまでの枠組みにはこだわらず、市民運動と労働運動の共闘関係も目指していく。
 社会変革には、労組及びナショナルセンターの組織力と連帯力は不可欠であり、市民運動の広く深い見識と小回りが利く故の突破力も必要となる。市民社会の理解があって労組もより輝きを増す。映画上映会や展示会などの実行委員会であれば賛同しやすいので後の組織づくりに役立つ。そうやって様々な運動体や個人の参集があれば、より意図に沿った個々の集会の組み立ても可能となる。労組の闘争課題が県集会参加市民に理解され県全域により周知される場ともなる。集会後は参加者にまとめや資料、次の集会の誘いなどを郵送し絆を深めていく。
 今後、小規模でも学習会や交流会を各地区・職場で取り組み、担い継承する人を育むと同時に、街宣をより組織的効果的に強化していく必要がある。また1月17日の「棘(とげ)」上映実行委員会に参集した労組・団体を軸として2月29日の関生弾圧糾弾県集会を取り組み、改憲・戦争阻止や弾圧に対する労組の隊列を整え、5月30日の県民総決起集会への総結集状況をつくりたい。大行進は全ての原則的な運動・闘いを包括・融合しつつ、常に人々の暮らしに寄り添い続けたい。
(改憲・戦争阻止!大行進神奈川呼びかけ人、元中学校教員 船木明貴)

関西
 労働運動の力で!
 拠点から地域丸ごとへ

(写真 改憲・戦争阻止!大行進・関西が呼びかけた昨年の「改憲・戦争させへん!1・19大行進」の大阪市内デモ。御堂筋を難波まで進んだ)

 20年は冒頭から米帝によるイランへの戦争が始まり、世界戦争への突入を予感させる年となりました。改憲・戦争阻止!大行進運動を拡大し、戦争に突き進む安倍政権を本気で打倒する闘いが必要です。
 19年、大行進・関西は「拠点職場から地域丸ごとの獲得への飛躍」をかけて闘いぬき、大前進を勝ち取りました。10月14日には結成1周年集会を開催し、100人が集まりました。記念講演で、代表の中村吉政港合同委員長が、闘う労働組合こそが反戦運動を牽引(けんいん)してきたと語りました。「(職場への弾圧に対し)市職・市教組、民間労組が一体で闘いぬいた。こうしたつながりがあって、総評解散後も大阪港軍港化反対闘争は受け継がれてきた」「50年近く憲法9条、28条(団結権)を基礎に労働者を守るために闘ってきた」----連合が改憲勢力となった今、改憲・戦争阻止!大行進が大切にするべき視点だと思います。
 大行進は何よりも実行委員会の議論が大切です。関西では七つの実行委員会を立ち上げ、どうすれば拠点職場の取り組みを地域全体に拡大できるのか、何度も討論してきました。
 例えば豊中です。実行委員会の結成と一体で、公立こども園廃止との闘いが火を噴きました。保育士・保護者・住民が次々と決起し、闘いが拡大していく中で、道路拡張工事や救急病院の移転など、市当局への怒りが爆発していきました。問題が山積みになるにつれ、現場では「なぜ、こんなに攻撃がくるのか」という意識が芽生えます。
 こうした意識に応えるのが時代認識です。豊中の仲間は、道路拡張工事を伊丹駐屯地と大阪市内を結ぶ軍用道路建設が狙いであると捉えて議論を重ね、闘いを強化しました。そして11月17日、保育士の会、保護者の会、庄内地域をつぶすな!住民の会の3者主催で集会・デモを闘い、感動的な団結をつくっています。
 北摂では、高槻医療福祉労働組合や関西地区生コン支部など地域の労働組合を中心に、「職場の闘いの前進を総括軸に」と3年以上にわたり共闘関係を深めてきました。この地平の上に実行委員会を立ち上げ、12月18日には高槻医療福祉労組のストライキ、同22日には「労働組合破壊は戦争への道 関生支部とともに闘おう!」をスローガンに、集会・デモが70人を超える結集で成功しています。
 「拠点」と呼ばれるところであればあるほど実践は激しく、現場の労働者からは「これ以上、運動を増やさないで」という反発もあります。しかし、そうした現場の意見に応える議論があれば、それは運動を拡大するチャンスになります。
 大行進・関西は、地域丸ごとの決起を目指して、20年も闘いぬきます。戦争を止め、安倍政権を打倒する闘いを、全国に巻き起こしていきましょう!
(改憲・戦争阻止!大行進・関西事務局)

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