20年度政府予算案弾劾(下) 消費税を国税の中心に据える

週刊『前進』04頁(3102号03面02)(2020/01/27)


20年度政府予算案弾劾(下)
 消費税を国税の中心に据える

(写真 国会前で「中東派兵NO」「安倍打倒」を掲げて闘う改憲・戦争阻止!大行進の労働者・学生【1月20日】)

企業や富裕層の税を軽減

 安倍政権が12月20日にまとめた2020年度の税収見通しで、昨年10月に税率を引き上げた消費税が初めて20兆円を超え、所得税を上回って最大の税目となった。法人税は30年前から減少傾向で、その穴を消費税が埋めてきた。歴代政府は、消費税増税をはじめ労働者人民の税・保険料負担を重くする一方、法人税率や所得税の最高税率を下げ、企業や富裕層の税負担を軽減し優遇してきた。労働者階級は非正規職化と低賃金化の進行に加え、重い税負担で貧困にたたきこまれている。
 20年度の消費税収の見通しは21兆7190億円で、税収見通しの総額63兆5130億円の3分の1を占める。10月に税率を10%に引き上げた増収分が1年を通じて入るため、20年度の消費税収は、19年度の補正見込み額より2兆6570億円増えると予想される。20年度の所得税は前年度比2・0%減の19兆5290億円、法人税は6・2%減の12兆650億円となる見通しだ。
 消費税は導入時の3%から段階的に税率が引き上げられ、年間を通じて10%となった20年度の税収は1990年度の4・7倍にもなる。逆に税率を下げてきた法人税の20年度の税収は90年度に比べて34%も減る。20年度の所得税の税収も90年度に比べて25%も少なくなる。法人税率は90年度37・5%から20年度23・2%に下がり、所得税の最高税率は90年度50%から20年度45%になった。
 安倍政権の20年度予算は消費税収入を税収の基軸とする新自由主義税制だ。資本家階級は消費税率・社会保険料率をさらに上げることを要求している。断じて許せない。

個人番号カード普及狙う

 20年度予算案が103兆円に膨張した要因の一つとしてポイント還元制度に関わる費用が5千億円超もかさんだことが挙げられる。
 昨年10月の消費税率引き上げ時に導入したキャッシュレス決済利用者向けポイント還元制度は今年6月に終わる。9月からはマイナンバー(個人番号)カード保有者向けのポイント還元制度が始まる。いずれにもポイント還元で消費を促進し経済を下支えする狙いがある。しかしもっと別の重要な狙いが込められている。マイナンバーカードを普及させ、すべての情報を国家のもとに一元的にひも付けし、国家が全人民を監視・掌握することだ。
 19年度当初予算ではポイント還元のために2800億円を充てたが、登録店数と還元の伸びで補正予算で1500億円を追加した。20年度予算案にも2700億円を計上した。
 マイナンバーカード利用者は最大2万円を前払いするとその25%、5千円相当のポイントを受け取ることができる。現在14%のカード普及率を上げるためにポイント還元で釣ろうとしているのだ。このために2450億円を充てる。
 要するにポイント還元のために計5181億円が投じられるのだ。その上に経済対策費1兆7788億円、防災のための公共事業費1兆1432億円が盛り込まれた。これで消費税増税による増収2兆4千億円は消えてしまった。何のための消費税率アップなのかわからない。このような消費税は廃止するしかない。

五輪で顔画像データ収集

 東京オリンピック・パラリンピックで多くの観光客が来日するのに備え、空港や駅、観光施設などで警備態勢が強化される。
 成田、羽田、関西の各空港でチェックインから搭乗までの手続きを顔認証技術で自動化するシステムの導入に15億円程度を計上した。パスポートと搭乗券の情報を顔画像データとひも付け、手荷物預け入れから保安検査、搭乗ゲートまで「顔パス」で通れるようにする。
 「顔パス」はすでに国内の大規模なコンサートで実施されているが、オリンピックをてこに普遍化しようとしている。国家権力はこうした顔画像データをも収集し、監視国家体制=戦争国家づくりを進めようとしているのだ。
 20年度予算案はあらゆる意味で許しがたい。人民の怒りの決起で粉砕しよう。
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