米日帝の中東侵略を阻もう トランプ・安倍は全人民の敵だ 労働組合よみがえらせ闘おう 2・16国鉄集会に職場から結集を

週刊『前進』04頁(3106号01面01)(2020/02/10)


米日帝の中東侵略を阻もう
 トランプ・安倍は全人民の敵だ
 労働組合よみがえらせ闘おう
 2・16国鉄集会に職場から結集を


クリックでふりがな付PDFをダウンロード


 2月2日、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が中東海域に向けて横須賀基地を出港した。安倍政権は「調査・研究」などと言いながら、現地で収集した軍事情報を米軍に提供するなど、極めて重大かつ危険な軍事行動を自衛隊に担わせようとしている。これに対し、横須賀では2月1、2日の両日、陸と海から抗議行動が展開された(前号既報)。動労千葉国際連帯委員会は1日付で世界に向けて声明を発表し、中東諸国の人民と連帯して反戦闘争に立つことを呼びかけた(3面に掲載)。改憲・戦争を狙う安倍政権の打倒へ、労働組合の決起が今こそ求められている。2・16国鉄集会に全国のあらゆる職場から結集しよう。

自衛隊中東派兵は参戦だ

 2月3日付神奈川新聞は横須賀での自衛隊派兵阻止闘争とともに、「場所が場所だけに、何が起きるかわからず心配。無事に戻ってきてほしい」と祈るように話したという、隊員の親族の声を紹介している。
 派兵先の海域は現在、世界で最も軍事的緊張の激しい場所だ。何らかの衝突があれば自衛隊は直ちに海上警備行動に移行し、内閣の国家安全保障会議が「日本の安全に重要な影響をもたらす重要影響事態」あるいは「国際社会の平和と安全を脅かす国際平和共同対処事態」と判断すれば、他国軍と一体化して共同作戦に加わることになる。さらに「日本の存立を脅かす存立危機事態」とすれば、集団的自衛権行使を含む一切の武力行使が解禁される。
 自衛隊は2009年、「海賊対策」を口実にソマリア沖に派兵を行った際、アフリカ北東部のアデン湾に面したジブチに拠点を建設。海賊出現がゼロ化した後も居座り、11年から基地としている。加えて今回、要衝ホルムズ海峡の直近であるUAE(アラブ首長国連邦)とオマーンに新たな補給拠点をつくり、自衛隊の中東海域への影響力を「点から線へ、線から面へ」増強しようとしている。これは極めて重大な踏み込みだ。
 イラク戦争での米軍の敗北後、米帝の中東支配が急速に崩壊し、今や中東諸国の労働者民衆は自らの手で新しい社会をつくるために次々と反政府闘争に決起している。米トランプ政権の対イラン政策と有志連合軍を使ったイラク、シリアへの軍事介入は、こうした中東人民の決起を軍事力で威圧・弾圧し、崩壊の危機にある中東支配を巻き返そうと狙うものだ。石油資源やインフラ輸出などの利権をめぐり中東・アフリカ地域への進出を狙う安倍政権も、後れを取るまいと自衛隊派兵・海外拠点建設に踏み切った。この不正義の侵略戦争で自衛隊員の命が脅かされ、隊員の家族は悲痛な声を上げているのだ。
 他方で米空軍は5日、カリフォルニア州の空軍基地で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ったと発表した。4日には米国防総省が、核兵器の実戦使用に向け、低出力核弾頭を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル=「使える核」を海軍が新たに配備したと発表した。全世界の労働者の怒りでトランプと安倍を包囲し、改憲阻止・自衛隊即時撤退へ闘いを広げよう。

新型肺炎利用し改憲狙う

 中国・湖北省で発生した新型コロナウイルスの感染は、5日の時点で世界28の国・地域に広がり、感染者2万4500人超、死者492人に達したと発表された。安倍・自民党を始めとした改憲勢力は卑劣にも、深刻な危機に乗じる形で改憲をあおっている。
 1月30日、自民党の会合で元衆院議長・伊吹文明は「(新型コロナウイルスは)緊急事態の一つの例。緊急事態に個人の権限をどう制限するか。憲法改正の大きな実験台と考えた方がいい」と発言。28日の衆院予算委では日本維新の会幹事長・馬場伸幸が「新型コロナウイルスの感染拡大は非常に良いお手本になる。緊急事態条項について国民の理解を深めていく努力が必要」と発言し、安倍は「大いに議論すべきだ」と応じた。
 世界で広がる感染も不安の声も改憲をあおるための「ネタ」とみなし、人々の生命や健康を「実験台」などと呼んではばからないのが、安倍を先頭とする改憲勢力の正体だ。何より安倍は、「桜を見る会」やIR汚職で追い詰められながらも、どんなきっかけでも利用して改憲へ持ち込もうと必死なのだ。
 他方で東京都は4日、都立・公立病院の独立行政法人化を審議する有識者会合を開き、年度内の報告書完成を視野に議論を進めた。感染症科のある墨東病院や駒込病院も独法化の対象だ。昨年9月に安倍政権・厚生労働省が公立・公的424病院を名指しし、「医療費・人件費が効率的でない」などとして再編・統合、病床削減などを促したことが背景にある。ウイルス感染が広がる中で平然と医療破壊を進め、住民の生存権を奪う安倍と都知事・小池百合子らを絶対に許すわけにはいかない。

怒りの声を2・16集会へ

 不正・腐敗を居直り、改憲・戦争に突き進む安倍政権を倒すために、そして労働者や青年・学生が生きる権利を奪われ続ける社会の仕組みを根本から変革するために、今、何よりも求められているのはストライキや実力闘争を闘う労働組合の登場だ。
 安倍政権やその背後にいる経団連など財界・大企業は、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧や、JRにおける労働組合つぶしの攻撃をもって、労働者がどんな理不尽な目にあっても声を出せない「労組なき社会」に日本を変えようと画策している。
 本紙前号で詳しく分析した通り、経団連の経営労働政策特別委員会報告が、終身雇用や年功型賃金など「日本型雇用システム」の見直しを主張し、正社員ゼロ化=総非正規職化と解雇自由化を要求しているのもこれと一体だ。
 だが、労働者の怒りと闘いを求める声はあらゆる職場に満ちている。そのすべてを、国鉄分割・民営化による不当解雇から33年の2・16国鉄集会に集めよう。そして20春闘勝利へ団結を打ち固めよう。

鈴木達夫弁護士の遺志継承し革命へ

 去る1月14日、動労千葉顧問弁護団や星野再審弁護団長を務め、14年東京都知事選と衆院選、16年参院選に出馬した鈴木達夫弁護士が肺がんのため79歳で亡くなった。1964年にNHKに入り、日放労長崎分会委員長、全国反戦青年委員会世話人として70年安保・沖縄闘争の先頭に立った鈴木氏は、「革命の現実性は革命家の執念に宿る」という革共同の本多延嘉元書記長の言葉を非常に好み、生涯をかけてそれを貫いた不屈の革命家だった。
 彼の革命への執念と労働者魂は今日、多くの闘う労働者や青年・学生に継承され、息づいている。勝利への確信をもって改憲阻止・日帝打倒へ進もう!

このエントリーをはてなブックマークに追加