〈投稿〉 自粛ムードを吹き飛ばせ コロナ情勢と職場で対決

発行日:

週刊『前進』02頁(3115号02面02)(2020/03/12)


〈投稿〉
 自粛ムードを吹き飛ばせ
 コロナ情勢と職場で対決


 全国の仲間のみなさん、こんにちは。私は特別養護老人ホームで看護師をしています。コロナを使って安倍が強制する自粛ムードを吹き飛ばす闘いを、あらゆる職場から始めましょう‼ 私の職場で配っているビラを紹介します。闘う労働者のネットワークを広げていきましょう。
(東京・三多摩 大空茜)
   ◇   ◇
 今、みなさんの最大の関心事が「新型コロナウイルス」だと思います。高齢者を相手にした仕事をする私たちは、自分たちの身を守ることもさることながら、ご利用者の安全も守らなければなりません。
 テレビでは連日ウイルスに感染しないよう予防を呼びかけていますが、店頭にマスクや消毒液は置いていないので、予防したくてもできないという方もたくさんいらっしゃると思いますし、予防していても目に見えないウイルスにいつ感染するかは誰にもわかりません。私たちの職場にはまだかろうじてマスクも消毒液もあるので今のところどうにかなっていますが、いつまで在庫があるかはわかりません。介護クラフトユニオンのアンケート調査(中間報告)によると1117事業所中「マスクなどの衛生材料がそろっていない」が34・1%、「そろっているが余裕がない」が62・7%(合わせて96・8%)であることがわかりました。いくら政府に「補充しろ」と要求しても、ないものはない……。それをどうするか?が問われています。
 また最大の問題は人員です。インフルエンザは感染から発症まで1日~3日と言われていますが、新型コロナの場合、1日~2週間と潜伏期間が長く、無症状の方でも検査をしたら陽性反応が出たという報道もされました。もし罹患(りかん)したら(疑わしい場合も)何日間休めばいいのでしょうか。法人本部から「自宅で検温して37・5℃以上あったら休むように」という通達が出ましたが、その日に出勤する複数の職員がそうだった場合、もしくは夜勤者がそうだった場合、交代要員や人員補充はどうするのでしょうか。ある病院の労働組合では「緊急時の交代要員の待機をあらかじめ体制としてたてること」という要求が出されました。これは私たちも実践するべき闘いです。
 そして更なる問題は「新型コロナウイルスに感染して休職しても休業手当は支払われない」ということです。有給休暇が残っていない場合は欠勤=無給となります(保険に入っている場合は、傷病手当金の対象にはなりますが)。
 安倍政権が突如打ち出した小・中学校と高校、特別支援学校の一斉休校についても、子ども(小学生)の世話で親が仕事を休んだ場合に「賃金を全額補償する」と発表されましたが、なんとその上限は8330円。8時間労働として時給にすれば1041円です。テレワークや在宅勤務をする場合は対象外となっています。これのどこが「全額補償」なのでしょうか。
 また休校を理由に休まざるを得ない職員が出れば、当然人員不足や過重労働となります。その結果、体調を崩したり安全が脅かされたりしてもそれに対する補償はありません。衛生材料は補充できなければ近い将来枯渇します。人員も元々ギリギリなのですから、複数人が同時に長期休業した場合は回らなくなります。
 組合は、新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)している期間だけのことではなく、インフルエンザやノロウイルスなど全ての感染対策を根本からも見直すために申し入れをしました。何かが起きてから対策するのではなく、何かが起きることを想定してあらかじめの対策を考えておく、これが最大の感染対策です。命を守る闘いをみんなで一緒にやりましょう!!
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