安倍打倒が最大のコロナ対策 職場から命を守る闘いに立つ 革共同医療福祉労働者委員会

週刊『前進』04頁(3116号02面01)(2020/03/16)


安倍打倒が最大のコロナ対策
 職場から命を守る闘いに立つ
 革共同医療福祉労働者委員会


 新型コロナウイルスの感染拡大は、三十数年の新自由主義攻撃のもとで、われわれが生きる社会がどれほどズタズタに破壊され、当たり前に生きることすら許されない状態に置かれているかをはっきりと突き出した。公的医療や地域のつながりが「社会保障費の削減」の名のもとで攻撃され、人間の命よりも資本の価値増殖が優先される社会。この腐りきった社会を根底から転覆することなしには、もはや生きられない。医療・介護・福祉労働者は、今こそ最先頭で立ち上がる!

安倍に殺されてたまるか

 3月8日、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスの感染者が確認された国・地域が105に上り、感染者数は10万人を超えたと発表した。日本でも感染者は拡大し続け、感染者数は千人を超えている。
 新型コロナに対する安倍政権の対応は「情報隠蔽(いんぺい)」と「棄民政策」である。これは、3・11福島原発事故と全く同じだ。
 加藤勝信厚労相は検査について「1日あたり3830件の検査が可能」としているが、1日平均900件しか検査をしていないことが明らかになった。3月6日に新型コロナの検査が保険適用されたが、検査数は600件しか増えないという。
 韓国では1日1万3千件の検査能力を整備し、2月29日までに計9万4千人の検査をしている。同じ期間の日本はわずか7千人だったことを考えれば、まさに「被害の隠蔽」だ。
 また、「熱が出ても4日は病院に来るな」「若者にはかからない」などという「棄民政策」の裏で、次々と感染が拡大し、多くの労働者の命と健康が奪われている。山梨県の20代の男性は、2月27日に38・5度の発熱があっても、2度にわたって医療機関で検査を拒否され、自宅待機が命じられた。この結果、髄膜炎を発症し3月6日に大学病院に救急搬送されたが、意識不明の重症だ。3月7日に死亡した名古屋市の80代男性は、経過観察中に一晩で体調が悪化し自宅で死亡。死後、新型コロナに感染していたことが明らかになった。
 はっきりさせなくてはならないのは、これは安倍政権による人災だということだ。全国の医療職場では「検査を受けたいが保健所で拒否された」という患者さんが連日来院しており、マスクも手に入らない中で、「安倍に殺される」という実感が日に日に強くなっている。オリンピックや政権維持のために、労働者・市民がこれ以上犠牲になってはならない。

現場労働者の必死の闘い

 政府の対策本部は2月25日、「今後感染者が増えた場合、一般医療機関で患者を受け入れる」ことを決定した。現在の検査体制(医師の診断後「検査」という体制)も踏まえれば、感染者の来院はどうやっても避けようがない。
 こうした事態を前に、全国の医療・介護・福祉現場の労働者は、診療時間の分離や、動線の確保、出勤時間の変更など、すさまじい努力と創意工夫をしながら、命と健康を守るために闘っている。感染者を引き受けているある病院では、労働組合が即座に要求書を提出し、安全確保や賃金保障を求めて闘っている。また、大阪のある病院では、一斉休校で子育てをしなくてはならない職員のために、患者会である「健康を守る会」が職員の子どもの面倒を見ながら、地域医療の確保に必死になっている。
 昨年9月、厚労省は公的な424病院の統廃合を打ち出したが、現在、新型コロナの感染者を引き受け、必死に命を守っているのは、公的病院の労働者なのだ。新型コロナとの闘いは、医療と介護を切り捨てて、「命よりも金」としてきた新自由主義医療との対決にほかならない。

改憲・戦争国家化許さない

 こうした医療現場の苦闘をよそに、安倍政権は改憲と戦争に躍起になっている。自民党の伊吹文明元文科相は、新型コロナの拡大を前に「改憲の大きな実験台」と発言した。さらに、自民党のブレーンである竹中平蔵は、ネット雑誌で「とにかく今まで抵抗勢力が邪魔していたことをやればいいのにやっていない」と右から安倍を批判している。まさに、ショックドクトリンによる、戦争国家体制づくりである。
 安倍は3月2日、「緊急事態宣言も可能になるように」と新型インフルエンザ等対策特別措置法の整備を進めると発言し10日の閣議で決定した。6日にはテレビ情報番組が政府に批判的であることに対して、政府の公式ツイッターが名指しで「反論」をするという事態まで起きている。さらに9日、中国と韓国に対して排外主義むき出しの入国制限を強行し、WHOの幹部すら「政治的論争から発展した制限は感染拡大防止に役に立たない」と苦言を呈したほどである。
 医療・介護・福祉現場の労働者として何よりも許せないのは、こうした戦争国家体制づくりの言い訳に、医療現場の現状が使われていることである。安倍政権は医療物資の管理・確保など、医療従事者への「補償」を餌に緊急事態宣言を強行しようとしている。
 冗談ではない! 地域医療を破壊し、公立病院を民営化してきたのは一体誰なのか! 危機の時だけ「医療の崩壊」を語り、戦時医療に労働者を動員することなど絶対に許せない!
 医療福祉労働者は、どんな病気の人であろうと、どんなに困難であろうと、その命と必死に向き合ってきた。今必要なのは、医療福祉労働者が団結し、戦争に向かう政府・資本家と対決し、職場支配権を取り戻すことだ。医療福祉労働者が決起すれば、間違いなく地域が動く。職場で声を上げ「命より金」の腐りきった社会を変えよう!
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